新・日本人メジャーリーガーが躍動
エンゼルスの大谷翔平が、鮮烈なデビューを飾った。オープン戦の不振から一転、予想を上回る活躍ぶりには日本だけでなく現地・アメリカでも“大谷フィーバー”が巻き起こっている。
大谷のほかにも、オリックスからダイヤモンドバックスに移籍した平野佳寿や、西武からパドレスに移籍した牧田和久も開幕からメジャーの舞台で奮闘中。日本からアメリカに戦いの場を移した男たちが、良いスタートを切った。
大谷とともに日本ハムを支えた男
203センチの長身から投げ下ろす速球を武器に、日本ハム時代は2年間で通算92試合に登板。22セーブ・48ホールドを記録し、防御率は驚異の1.12という数字が残っている。
ケガに悩まされる時期もあったが、シーズン途中からクローザーに定着した2016年の活躍ぶりはまさに“無双”。投打で大車輪の活躍を見せた大谷とともに、チームの大逆転優勝に大きく貢献した。2年間でチームに欠かせない存在となったが、家庭の事情もあって日本ハムの退団が決定。MLB復帰を目指してFAとなると、日本での実績が認められてレンジャーズと2年契約を結んだ。
来日前にも、ヤンキースなどで40試合に登板した実績を持っていたマーティンだが、安定感を欠くシーンが目立ってメジャー定着とはならず。日本での成功を経て挑む再挑戦…。新天地・レンジャーズでは改めてメジャー定着を目指す戦いになる。
故郷へ錦を飾る
実はこのマーティン、出身地はテキサス州のアーリントン。奇しくもレンジャーズが本拠地を置く場所なのだ。
新天地と言っても、慣れ親しんだ地元で迎える新たな挑戦。オープン戦では10試合中9試合を無失点に抑える好投を見せ、開幕メジャー枠入りを達成。シーズンに入っても、ここまでチーム最多タイとなる5試合に登板して3ホールドを記録。4回1/3とイニングが少ないため防御率は4.15となっているが、イニング数を上回る6個の三振を奪うなど、上々の再スタートを切っている。
かつてのチームメートである大谷も同じア・リーグ西地区の所属ということで、今後は“打者・大谷”との対戦にも期待がかかる。2016年にはともに日本一の美酒を味わった2人が、メジャーで激突…。日本ハムファンならずとも楽しみな対戦になる。
文=八木遊(やぎ・ゆう)