止まらない超強力打線
2位・ソフトバンクに5.5ゲーム差をつけ、快調にパ・リーグ首位を走る西武。その原動力は何と言っても強力打線にある。
ここまで両リーグ断トツの180得点を挙げている西武打線。当時とは試合数が違うものの、1950年に松竹ロビンスが記録した908得点というプロ野球シーズン記録を上回る919得点ペースで28試合を終えているというから驚きだ。
さまざまな記録への期待も
1番の秋山は、自身が持つシーズン安打記録更新をもくろむ。
歴代1位となる216安打を放ってから3年。今季はここまで214安打ペース。3年前に比べると四球の割合が増えており、自身の記録更新は決して簡単ではないだろう。しかし強力な打線もあって、今季は1番に固定されることが濃厚。そうすればおのずと記録更新のチャンスは生まれそうだ。
さらに、秋山は得点数にも注目したい。ここまでチームの試合数と同じ28得点をマーク。1950年に松竹の小鶴誠氏が達成したシーズン143得点に並ぶペースを維持している。2番以降を打つ打者のアシストも当然必要になるが、この部門での68年ぶりの記録更新に期待がかかる。
秋山のシーズン得点記録更新のカギを握りそうなのが、2番を打つ源田だ。
2年目の今季は攻守で昨季を大きく上回る活躍を見せている。その源田が狙う個人記録が三塁打の数だ。ここまで源田は、28試合で7本という超ハイペースで三塁打を放っている。プロ野球のシーズン記録は、1951年に阪神の金田正泰氏がマークした18本。ここまで35本ペースで三塁打を“量産”しているが、“俊足”源田なら記録更新の可能性は十分あるだろう。
最後は、いまや球界を代表する長距離砲に育った山川。彼の本塁打と打点にも触れないわけにはいかない。
ここまで本塁打は61本ペース、打点は199打点ペースと、ともにプロ野球のシーズン記録を塗り替えるペースできている。2013年にヤクルトのバレンティンが記録した60本塁打は記憶に新しいが、打点は1950年までさかのぼる。秋山の得点数でも触れた小鶴氏が同年に記録した161打点が歴代最多。山川は秋山とともに68年ぶりの記録に挑むことになる。
9年ぶりのリーグ優勝へ向け、西武打線の面々は数々の歴代記録に挑戦するシーズンとなるかもしれない。
文=八木遊(やぎ・ゆう)