マーリンズの“最強外野陣”は今…

◆ チーム“解体”によりバラバラに

 昨季までイチローが3シーズンを過ごしたマーリンズ。今季は開幕前から厳しい戦いが予想されていたが、現地時間12日時点で48勝71敗、ナ・リーグ東地区の最下位に沈んでいる。

 マーリンズ低迷の理由は、オフにチームを“解体”したことがすべてだ。投打の主力級を次々と放出。特に外野手はイチローを含めて主力だった全員が新天地に移った。

 マーリンズ時代のイチローは、ジャンカルロ・スタントン、マルセル・オズナ、クリスチャン・イエリチというメジャー屈指の外野手トリオを前にプレー機会を奪われる格好となり、特に3人にケガがほとんどなかった2017年はイチローが先発出場する機会も大幅に減った。それだけ3人の能力が高かったということだ。

 その“3人”は今季、新天地でどのようなシーズンを送っているのだろうか…。

◆ ポストシーズンで“再会”も…?

 日本で最も目にする機会が多いのは、ヤンキースに移ったスタントンだろう。

 今季から初のア・リーグ、そして不慣れなレフトの守備に就く機会も多く、春先は低打率にあえいだ。しかし、暖かくなるにつれて本領を発揮。現地12日現在で打率.281、30本塁打、76打点と合格点の数字が並ぶ。特に最近6試合は5本塁打と調子を上げている。

 カージナルスに移籍したオズナは、不本意な移籍1年目を送っている。

 マーリンズ最終年の昨季は159試合に出場し、打率.312、37本塁打、127打点とMVP級の成績をマーク。オールスター出場に加え、ゴールドグラブ賞も受賞した。しかし、今季はここまで打率.272、13本塁打、62打点。ほぼ全試合で4番を任されているものの、昨季に比べると物足りない数字が並ぶ。

 そして3人の中で最も飛躍したのが、ブリュワーズに移籍したイエリチだ。

 主に2番を任されている今季は打率.312、18本塁打、60打点をマーク。走攻守すべてでチームに貢献しており、3人の中では唯一、今季のオールスターにも選出された。

 昨季までマーリンズ一筋でともに成長してきた3人。古巣ではポストシーズンに進むことは一度もなかったが、今季は新天地でいずれもポストシーズンを狙える位置にいる。特にスタントンは通算1102試合に出場しているが、この試合数はポストシーズン未経験の現役選手ではマリナーズのカイル・シーガー(1115試合)に次いで多い不名誉な記録だ。ポストシーズンへの想いは最も大きいだろう。

 古巣マーリンズでイチローと過ごした時間は3人にとっても大きかったはず。今季からそれぞれの道を歩み始めた3人がポストシーズンであいまみえることはあるだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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