コラム 2018.08.16. 12:00

阪神・梅野隆太郎 城島以来の“虎の正捕手”へ修業中

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阪神・梅野隆太郎 (C)KYODO NEWS IMAGES

チーム97試合中76試合でスタメン


 強いチームに、名捕手あり――。野球界の言い伝えのような言葉であるが、近年は捕手の育成に苦しむチームも多く、その時の調子や投手との相性によって使い分ける併用制を採るチームも多くなった。

 そんな中、長らく正捕手不在の状況が続いている阪神にレギュラー捕手誕生の気配が漂っている。大卒5年目の新選手会長・梅野隆太郎の奮闘だ。

 昨季のスタメンマスクの数を見ると、梅野がトップの90試合も、坂本誠志郎も37試合、ベテランの岡崎太一も16試合となっていた。特に8月以降は坂本のスタメンマスクが増え、梅野は18試合連続でスタメンから外れるなど、数字以上に固定できていない印象が強かった。

 しかし、今季はチーム97試合のうち梅野が76試合でスタメン出場。7月以降でスタメンを外れたのは4試合しかなく、首脳陣からの信頼の厚さが伺える。


「総合力」でレギュラー奪取へ!


 金本知憲監督のハートを射止めた最大の魅力は、梅野の「総合力」だろう。ここまで打っては打率.232、5本塁打、25打点という成績。捕手としてはまずまずの成績を残しているが、そこだけ見ては打率が3割を超えていて勝負強さも光る原口文仁には及ばないようにも見える。

 それでも、捕手の役割の大半を占める守備面での貢献がリーグ屈指。守備率.999と盗塁阻止率.327はともにリーグトップという好成績を叩き出しており、この攻守両面での活躍ぶりが高い評価を受けているのだ。


 上でも触れたように、近年のプロ野球界は捕手併用制がトレンド。規定打席に到達する選手は少なく、今季のセ・リーグでは一人もいない。

 特に阪神は長らく正捕手がいない状態が続いており、規定打席に到達したのは2010年の城島健司までさかのぼる。もちろん、戦略として複数の捕手を併用してきた時期もあったであろうが、城島ほどの突出した存在がいなかった・出てこなかったというのも本音だろう。

 もとは強打の捕手として出てきた梅野だけに、その打棒が発揮できるようになれば不動のレギュラーも見えてくる。待望の正捕手としてその地位を確立することができるのか。まずは今季を走り切ることができるかにかかっている。



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