西武を支える“アップルパンチ”
いよいよ8月も終わりが近づき、ペナントレースも佳境。“戦国”パ・リーグは西武が開幕から首位の座を守り続け、10年ぶりの優勝に向かって快調に走り続けている。
5月・6月はやや勢いの衰えも見られたが、夏場に入って再び加速。後半戦は途中加入のデュアンテ・ヒースやカイル・マーティンといった途中加入のリリーバーの活躍も大きいが、やはり強力打線を抜きに今季の躍進は語れない。
秋山翔吾から源田壮亮、浅村栄斗、山川穂高の1~4番は全試合固定。以降も森友哉や外崎修汰らは相手や守備位置の関係で入れ替わることがあるものの、時には下位打線に本塁打王経験のある中村剛也やエルネスト・メヒアが入る日もあり、まさにどこからでも点が取れる打線を形成。相手投手にとって大きな脅威となっている。
そんな超強力打線のなかで、今回取り上げたいのが主に6番を任される外崎修汰。プロ4年目の25歳だ。
内外野を守れる俊足のユーティリティプレイヤーとして徐々に出番を増やすと、昨季は135試合に出場して2ケタ・10本塁打をマーク。オフには「第1回アジアプロ野球チャンピオンシップ」の侍ジャパンメンバーに選出され、大会MVPに輝く活躍も見せた。
今季はここまで111試合に出場して打率.281、18本塁打、65打点を記録。盗塁も24個と早くも昨季を上回っており、すべてにおいてレベルアップした姿を披露。実家がりんご農園というところからついた「アップルパンチ」の異名もファンの間でお馴染みとなり、今では本人も本塁打を放った際のコメントなどで決めゼリフのように使っている。
球団9年ぶりの「20-20」へ
177センチ・78キロと小柄ながらパンチ力も見せつけており、自身初のシーズン20本塁打超えも間近。このまま「20本塁打・20盗塁」をクリアすれば、球団では2009年の中島裕之(現オリックス/登録名は中島宏之)以来のことになる。
打って走れる選手の証として、ひとつのボーダーになるのが“20-20”。近年は山田哲人(ヤクルト)や柳田悠岐(ソフトバンク)がトリプルスリーを達成していることもあってあまり注目されないものの、実は難しい目標なのだ。
実際、昨年この「20-20」をクリアしたのは梶谷隆幸(DeNA)ただ一人。2016年も、トリプルスリーを達成した山田以外では丸佳浩(広島)だけだった。
ちなみに、今季は自身3度目のトリプルスリーへ向けてひた走る山田が「30本塁打・28盗塁」ですでにクリア。候補としては外崎のほかに柳田(28本塁打・19盗塁)と糸井嘉男(阪神/15本塁打・16盗塁)といったところになる。
2018年は“打って走れる”選手が大豊作?各選手の本塁打数と盗塁数から最後まで目が離せない。
近年の「20-20」達成者
▼ 2008年
中島裕之(西武)
本塁打21・盗塁25
▼ 2009年
中島裕之(西武)
本塁打22・盗塁20
▼ 2011年
松田宣浩(ソフトバンク)
本塁打25・盗塁27
▼ 2014年
陽 岱鋼(日本ハム)
本塁打25・盗塁20
▼ 2015年
山田哲人(ヤクルト)
本塁打38・盗塁34
☆トリプルスリー
柳田悠岐(ソフトバンク)
本塁打34・盗塁32
☆トリプルスリー
▼ 2016年
山田哲人(ヤクルト)
本塁打38・盗塁30
☆トリプルスリー
丸 佳浩(広島)
本塁打20・盗塁23
▼ 2017年
梶谷隆幸(DeNA)
本塁打21・盗塁21