8球団がキャプテン制を採用
2018年のプロ野球ペナントシーズンも佳境に差し掛かってきた。優勝争いはもちろん、クライマックスシリーズ出場権を巡る争いも白熱しており、各球団とも気が抜けない試合が続いている。
そんななかで、精神的支柱としてチームを支え続けている存在が「キャプテン」だ。団体競技の部活動ではお馴染みとなっているキャプテン制度だが、プロ野球の世界でもそれは変わらない。
自身のプレーはもちろんのこと、グラウンド内外でチームへの貢献が求められるのがキャプテンという重責。彼らはここまでどんな成績を残しているのか、今回は各球団のキャプテンの成績について調べてみた。
なお、各球団といってもキャプテン制度を設けているのはセ・パ12チームのうち8チーム。今季は広島、中日、オリックス、ロッテがキャプテン制度を設けていない。
キャプテン就任初年度は苦しみがち?
今回取り上げるのは、キャプテン制度を採用している8球団のキャプテンたちの成績。キャプテン就任と個人成績の関係を分かりやすくすべく、キャプテン就任直前のシーズン成績並びに就任初年度の成績もあわせて出してみた。
まずはパ・リーグの4チームを見てみよう。
▼ ソフトバンク
内川聖一(内野手/在籍8年目・36歳)
☆キャプテン就任年:2015年
[今季成績] 71試 率.242(281-68) 本8 点30
[就任元年] 136試 率.529(529-150) 本11 点82
[就任前年] 122試 率.307(488-150) 本18 点74
▼ 西武
浅村栄斗(内野手/在籍10年目・27歳)
☆キャプテン就任年:2017年
[今季成績] 122試 率.317(495-157) 本26 点107
[就任元年] 143試 率.291(574-167) 本19 点99
[就任前年] 143試 率.309(557-172) 本24 点82
▼ 楽天
嶋 基宏(捕手/在籍12年目・33歳)
☆キャプテン就任年:2015年
[今季成績] 107試 率.203(296-60) 本0 点21
[就任元年] 117試 率.219(338-74) 本4 点18
[就任前年] 126試 率.263(350-92) 本1 点36
▼ 日本ハム
中田 翔(内野手/在籍11年目・29歳)
☆キャプテン就任:2018年
[今季成績] 121試 率.276(468-129) 本25 点99
[就任前年] 129試 率.216(472-102) 本16 点67
当たり前の話かもしれないが、各チームの顔とも言うべき選手たちが任命されており、内川を除いては生え抜きの選手ばかり。そして肝心の今季成績はというと、浅村と中田が好調な一方で、内川と嶋の成績が芳しくないという結果が出た。
また、気負いもあるせいか、就任直後の年は成績を下げる傾向。しかし、そんな中で例外となっているのが日本ハムの新主将・中田だ。昨季キャリアワーストクラスの不振に苦しんでいた男だが、大役を任された今年はすでに昨季を大幅に上回る25本塁打をマーク。主将の好調ぶりに引っ張られるようにチームも昨季の5位から3位に浮上しており、就任元年から良い影響をもたらしている。
巨人は投打のキャプテンがともに離脱…
続いてセ・リーグの4チームも見てみよう。
▼ 阪神
福留孝介(外野手/在籍6年目・41歳)
☆キャプテン就任年:2017年
[今季成績] 105試 率.289(363-105) 本14 点65
[就任元年] 127試 率.263(441-116) 本18 点79
[就任前年] 131試 率.311(453-141) 本11 点59
▼ DeNA
筒香嘉智(外野手/在籍9年目・26歳)
☆キャプテン就任年:2015年
[今季成績] 118試 率.297(427-127) 本33 点78
[就任元年] 138試 率.317(496-157) 本24 点93
[就任前年] 114試 率.300(410-123) 本22 点77
▼ 巨人
坂本勇人(内野手/在籍12年目・29歳)
☆キャプテン就任年:2015年
[今季成績] 92試 率.341(372-127) 本14 点61
[就任元年] 130試 率.269(479-129) 本12 点68
[就任前年] 144試 率.279(545-152) 本16 点61
スコット・マシソン(投手/在籍7年・34歳)
☆キャプテン就任年:2018年
[今季成績] 34試 0勝3敗8セーブ・14ホールド 防2.97
[就任前年] 59試 4勝4敗2セーブ・27ホールド 防2.24
▼ ヤクルト
中村悠平(捕手/在籍10年目・28歳)
☆キャプテン就任年:2018年
[今季成績] 108試 率.207(300-62) 本5 点25
[就任前年] 127試 率.243(419-102) 本4 点34
パ・リーグ同様、セ・リーグの各チームのキャプテンもまたチームを引っ張る中心選手たち。そして、こちらもキャプテン就任初年度はその役割の変化があるためか、成績を下げている傾向があり、キャプテンの活躍によってチームの順位に直結している印象もある。
また、現在12球団で唯一となる投打のキャプテンを設けている巨人だが、今季はともに故障でシーズン途中に戦線を離脱。マシソンは左膝の手術を行った影響で今季中の復帰は絶望となっており、チームにとって大きな痛手となっている。
シーズンも残り1カ月…。最後までチームを引っ張るキャプテンたちの奮闘に注目だ。
文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)
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※お詫びと訂正(2018年9月11日21時45分)
初出時、内川聖一選手のキャプテン就任年に誤りがありました。大変失礼致しました。