DeNAは今永昇太ら4人をオーストラリアへ派遣
3月30日に開幕したプロ野球も、ポストシーズンの戦いへ。日本シリーズ進出をかけた熱い戦いが繰り広げられているなか、すでにシーズンを終えた8球団は“来季”へ向けた準備を着々と進めている。
特に忙しいのが将来の球団を背負う存在として期待される若手選手たち。シーズンが終わるとすぐに宮崎で開催されるフェニックスリーグで実戦を積み、10月末からは各球団で秋季キャンプがスタート。オフの間も休む間もなく自分を磨き、来シーズンの飛躍に向けた準備を行う。
なかでも近年注目を集めているステップが、海外に出ての“武者修行”。いわゆるウインターリーグへの挑戦である。と言っても道はひとつではなく、ファームの各リーグが選抜チームを組んで参戦する台湾のアジアウインターベースボールリーグをはじめ、南米やメキシコ、さらにはオーストラリアなど、日本のオフの期間にリーグ戦を戦っている海外チームに数名が派遣されるというパターンもある。
今季もアジアウインターベースボールリーグに参加するウエスタン選抜、イースタン選抜のメンバーが19日に発表され、その前にはDeNAが今永昇太、国吉佑樹、三上朋也、青柳昴樹の4名を業務提携を結んだオーストラリアのチームに派遣することを発表。ロッテも酒居知史、種市篤暉、平沢大河の3名をオーストラリアへ派遣することを決めた。
あの筒香嘉智も武者修行を経て飛躍
過去を振り返ってみても、ウインターリーグでの武者修行を経て飛躍した選手は多い。たとえば、今や日本の主砲になった筒香嘉智(DeNA)がそうだ。
2015年のオフ、筒香は日本代表としてプレミア12に出場。なんとその大会終了後にドミニカへと渡り、ウインターリーグに参加する。しかし、ペナントレースから日本代表戦とつづけて戦ってきた疲れもあってか、結果的には10試合で打率.206、本塁打0と低調な成績に終わってしまった。
それでも、本人は落ち込むこともなく、「勉強になった」と前向きなコメント。すると翌年、その言葉通りに成長した姿を披露。打率.322、44本塁打、110打点の堂々たる成績で本塁打・打点の二冠王を獲得。すぐに結果を残してみせた。
今宮健太(ソフトバンク)もそうだった。今宮はプロ2年目の2011年オフにオーストラリアへ派遣。11試合に遊撃手として出場し、異国の地で経験を積んだ。すると、翌2012年シーズンには規定打席未到達ながら126試合に出場。レギュラー確保への第一歩を踏み出している。
今季大ブレイクを果たした岡本和真(巨人)も、2016年のオフにプエルトリコのウインターリーグに参加していた。打率.257、本塁打0と大きな成果を残すには至っていないが、異国の地で34試合に出場。翌シーズンこそ結果には現れなかったが、今季はレギュラーを掴んで打率3割・30本塁打・100打点をマーク。大きな飛躍を遂げた。
このように近年だけを見ても、“武者修行”の経験を糧に日本に戻って来て大きくはばたくという選手は多い。現地で成績を残すことができなくとも、異国の地で違った野球に触れる経験というのは、何にも代えがたい財産になる。このオフも世界の各地で奮闘する日本人選手たちに注目だ。