コラム

CSでの不振は日本シリーズで巻き返せる!?

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CS不振打者の日本シリーズは?


 いよいよ日本シリーズの開幕が間近に迫ってきた。

 圧倒的な力で球団史上初の3連覇を成し遂げた広島と、ペナント1位通過の西武をCSファイナルステージで下し、球団史上初となる下剋上での日本シリーズ制覇を目論むソフトバンクが激突する。

 短期決戦では特に、個々の選手の調子が気になるところ。両チームの主砲である丸佳浩、柳田悠岐がCSファイナルステージで大爆発してMVPを獲得したが、その一方で、広島では丸とともにクリーンアップを担う鈴木誠也と、リードオフマンの田中広輔が1割台の打率に終わった。試合数が少なく四球などで出塁はしていただけにシリーズでの活躍に期待したいところではある。また、全体的に打線が好調だったソフトバンクでは、お祭り男の松田宣浩が打率.167と苦しみ、悔しいスタメン落ちも経験した。

 ファンにとっては、そんな不振!?に喘いだ選手たちが大一番のシリーズで復調するのか気になるところ。打率だけでは測れない部分もあるが、過去のCSファイナルステージで苦しんだ選手が巻き返した例はどれだけあるのか――。過去3年の記録を振り返った。


主力の復調が日本一に繋がった2016年の日本ハム


 対象としたのは2015年~2017年のCSファイナルステージで3試合以上(スタメン2試合以上)に出場し、なおかつ6打数以上ありながら打率2割以下だった選手たち。まずはパ・リーグ勢から。

<2015年:ソフトバンク>
▼ 松田宣浩
CSファイナル:打率.111(9-1)
日本シリーズ:打率.200(20-4)1本塁打

▼ 柳田悠岐
CSファイナル:打率.167(12-2)
日本シリーズ:打率.158(19-2)

▼ 吉村裕基
CSファイナル:打率.143(7-1)
日本シリーズ:打率.200(5-1)


<2016年:日本ハム>
▼ 大谷翔平
CSファイナル:打率.188(16-3)
日本シリーズ:打率.375(17-6)

▼ 田中賢介
CSファイナル:打率.000(13-0)
日本シリーズ:打率.300(20-6)

▼ 中島卓也
CSファイナル:打率.143(14-2)
日本シリーズ:打率.333(18-6)


<2017年:ソフトバンク>
▼ 明石健志
CSファイナル:打率.167(12-2)
日本シリーズ:打率.250(12-3)

▼ デスパイネ
CSファイナル:打率.176(17-3)
日本シリーズ:打率.217(21-5)

 過去3年のうち、2度日本シリーズに出場しているソフトバンクの選手たちの打率は総じて横ばい、もしくは日本シリーズで低下している。これを見ると、今年のCSファイナルステージで調子が出なかった松田宣浩の復調は少し心配か。それでも今回は他の選手たちが総じて好調。不変を貫いて惨敗した西武に対し、攻守に変化を与えたことが奏功したソフトバンクの工藤監督は、シリーズでどのような采配を揮うのか。

 ソフトバンクは主軸クラスがスランプに陥っていたが、チームはいずれも日本一。2015年はCSファイナルステージで打率4割を誇った李大浩が日本シリーズでもMVPを獲得する大活躍を見せ、2017年は内川聖一がCSファイナルステージでMVPを獲得した勢いのまま古巣・DeNAと対戦し、第6戦で9回に同点弾を放つなど存在感を見せつけた。主力の一部が不振でも、別の選手がカバーするという層の厚さが強さの秘訣なのかもしれない。

 一方、見事な巻き返しを見せたが2016年の日本ハム。大谷翔平をはじめ、主力選手3人がCSファイナルステージで打率2割を切るなど絶不調だったが、日本シリーズになると本来の調子を取り戻していずれも3割オーバーの打率を記録。特に大谷は、2連敗で迎えた第3戦でシリーズの勢いを変える値千金のサヨナラタイムリーを放っている。主力選手の復調がシリーズの運命を左右したと言っても過言ではない。


セ・リーグは好調な打者が攻略されがち!?


 続いてはセ・リーグの各チームを見てる。

<2015年:ヤクルト>
▼ 上田剛史
CSファイナル:打率.083(12-1)
日本シリーズ:打率.176(17-3)

▼ 大引啓次
CSファイナル:打率.125(8-1)
日本シリーズ:打率.250(4-1)

▼ 中村悠平
CSファイナル:打率.000(11-0)
日本シリーズ:打率.188(16-3)


<2016年 広島>
▼ 菊池涼介
CSファイナル:打率.167(12-2)
日本シリーズ:打率.292(24-7)

▼ 鈴木誠也
CSファイナル:打率.083(12-1)
日本シリーズ:打率.222(18-4)

▼ 松山竜平
CSファイナル:打率.100(10-1)
日本シリーズ:打率.200(15-3)

▼ 丸 佳浩
CSファイナル:打率.154(13-2)
日本シリーズ:打率.333(21-7)1本塁打


<2017年:DeNA>
▼ 梶谷隆幸
CSファイナル:打率.200(15-3)
日本シリーズ:打率.217(23-5)1本塁打

▼ 倉本寿彦
CSファイナル:打率.200(15-3)
日本シリーズ:打率.333(21-7)

 ここ3年はパ・リーグに日本一をさらわれているだけに、日本シリーズで巻き返したという選手はそれほどいない。どちらかというとセ・リーグは、昨年の桑原将志のようにCSファイナルで好調だった選手が日本シリーズで不振に喘ぐというケースが目立っている。それだけに今季は、CSファイナルステージで打率4割を記録した丸佳浩がソフトバンク投手陣に対してどう対応するかもひとつのポイントになるだろう。

 初顔合わせとなるだけに、期待の高まる今年の日本シリーズ。CSファイナルステージで不振だった選手たちが巻き返すことができるのか、注目してみる価値はありそうだ。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

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