世界一のレ軍はデーゲームで無類の強さ?!
2018年のMLBを振り返ると、ただただレッドソックスの強さが際立った。レギュラーシーズンで108勝54敗(勝率.667)、ポストシーズンでも11勝3敗(.786)と並みいる強豪ライバルをほとんど寄せ付けなかった。
レッドソックスの今季における成績を様々な角度で見ても、苦手といえる条件がほぼなかった。例えば、ホームのフェンウェイ・パークでは57勝24敗(勝率.704)とホームの勝率メジャー1位を誇り、一方のロードでも同2位の51勝30敗(.630)をマーク。同じ年にホームとロードで50勝以上挙げたのは2011年のフィリーズ以来で、実に7年ぶりだった。
レッドソックスが最も強さを発揮した条件の1つがデーゲームのとき。36勝10敗(.783)と特に強かった。ただ、ナイトゲームでも72勝44敗で勝率(.621)はメジャー3位、常に好成績を残していたことがわかる。
また交流戦でもめっぽう強く、16勝4敗(勝率.800)。内訳はブレーブスに5勝1敗、マーリンズに4勝0敗、ナショナルズに3勝0敗、メッツに3勝1敗、フィリーズに2勝2敗だった。ワールドシリーズでもナ・リーグのドジャースを4勝1敗で下したのはデータ通りだったと言えるだろう。
レッドソックスには左腕で挑め!?
一方でレッドソックスが比較的苦しんでいたのが相手チームの先発が左腕だったとき。その成績は21勝16敗(.568)で、対右腕時の87勝38敗(.696)に比べるとやや苦戦していたことがわかる。ヤンキースなどのライバルチームは、打倒レッドソックスに向け、このオフは先発左腕の補強に力を入れるかもしれない。
ちなみに、その左投手先発時に最も高い勝率を残したのが30勝15敗(.667)のヤンキース。アーロン・ジャッジやジャンカルロ・スタントン、ゲーリー・サンチェスなど、中軸に右打者が多かったのも“左に強かった”要因の1つなのだろうか。
レッドソックス以外で目立ったのはマリナーズの延長戦での強さ。その戦績はなんと14勝1敗(.933)。また、1点差試合では、メジャー最多となる36勝(21敗)を挙げた。ただし1点差試合の勝率は31勝14敗(.689)をマークしたアスレチックスが上回っている。
様々な条件から今季のチーム成績を見てみたが、どんな条件下でもレッドソックスの強さが際立っていた1年だったと言えそうだ。
▼ 2018年条件別の勝率トップ3
【ホームゲーム】
1位 57勝24敗 レッドソックス
2位 53勝28敗 ヤンキース
3位 51勝30敗 ブリュワーズ、レイズ、カブス
【ロードゲーム】
1位 57勝24敗 アストロズ
2位 51勝30敗 レッドソックス
3位 47勝34敗 ヤンキース、アスレチックス、ドジャース、ブレーブス
【交流戦】
1位 16勝4敗 レッドソックス
2位 15勝5敗 パイレーツ
3位 13勝7敗 アストロズ、ブリュワーズ、カブス、ロッキーズ、ブルージェイズ
【対左投手先発時】
1位 30勝15敗 ヤンキース
2位 22勝13敗 カブス
3位 37勝23敗 アストロズ
【延長戦】
1位 14勝1敗 マリナーズ
2位 13勝6敗 アスレチックス
3位 9勝5敗 ヤンキース
【1点差試合】
1位 31勝14敗 アスレチックス
2位 23勝12敗 ブレーブス
3位 25勝14敗 レッドソックス
文=八木遊(やぎ・ゆう)