交渉がスタート
連日熱戦が繰り広げられた『2018 日米野球』の戦いが終わり、いよいよ本格的な野球のオフシーズンが到来。各球団が来季に向けた準備を進めている。
なかでも注目を集めるのが、FA宣言した選手たちの動向。今年も14日に宣言選手が公示され、国内・海外合わせて5名がFA権の行使を宣言。うち中村剛也(西武)はいわゆる“宣言残留”が決まっているものの、西勇輝(オリックス)や浅村栄斗(西武)、丸佳浩(広島)に炭谷銀仁朗(西武)という4名はこれから他球団の評価を聞いて来季の所属先を決めていく。
【FA宣言選手】
▼ 国内FA
・西 勇輝(オリックス/投手)
・浅村栄斗(西武/内野手)
・丸 佳浩(広島/外野手)
▼ 海外FA
・炭谷銀仁朗(西武/捕手)
・中村剛也(西武/内野手)※宣言残留
今まさに交渉がはじまったばかりというところではあるのだが、今回は“この次”のFAに注目。気は早いが、来季中にFA権を取得することが見込まれる選手をまとめてみた。
来季中にFA権取得の可能性がある主な選手と今季成績
▼ 投手
野村祐輔(広) 20試 7勝6敗 防4.22
今村 猛(広) 43試 3勝2敗1セーブ・13ホールド 防5.17
菅野智之(巨) 28試 15勝8敗 防2.14
田島慎二(中) 30試 0勝4敗15セーブ・1ホールド 防7.22
能見篤史(神) 45試 4勝3敗1セーブ・16ホールド 防2.56
藤川球児(神) 53試 5勝3敗2セーブ・21ホールド 防2.32
十亀 剣(西) 22試 5勝8敗 防4.42
サファテ(ソ) 6試 1勝0敗5セーブ 防3.00
益田直也(ロ) 70試 2勝6敗3セーブ・17ホールド 防3.08
美馬 学(楽) 14試 2勝6敗 防4.56
則本昂大(楽) 27試 10勝11敗 防3.69
▼ 捕手
会沢 翼(広) 率.305 本13 点42 盗0
中村悠平(ヤ) 率.211 本5 点26 盗2
伊藤 光(De) 率.195 本1 点11 盗1
▼ 内野手
菊池涼介(広) 率.233 本13 点60 盗10
大引啓次(ヤ) 率.350 本5 点15 盗0
今宮健太(ソ) 率.266 本11 点45 盗5
松田宣浩(ソ) 率.248 本32 点82 盗3
中島卓也(日) 率.261 本1 点23 盗29
安達了一(オ) 率.219 本3 点41 盗20
鈴木大地(ロ) 率.266 本8 点49 盗8
▼ 外野手
バレンティン(ヤ) 率.268 本38 点131 盗1
福田秀平(ソ) 率.263 本7 点15 盗6
中村 晃(ソ) 率.292 本14 点57 盗1
荻野貴司(ロ) 率.287 本2 点25 盗20
岡島豪郎(楽) 率.190 本3 15点 盗1
名手がそろう内野陣
今回取り上げたのは、国内FA権取得までの出場選手登録日数が1年(145日)以下の主力級の選手たち。来季、シーズンを通して出場選手登録されれば、全員が国内FA権を取得することとなる。
もちろん、サファテ(ソフトバンク)のように「チームの顔」とも呼べる選手の場合、他球団への流出阻止のために複数年契約をしていることも少なくなく、事実上、FA権行使はほぼないという選手もいる。
2年連続で沢村賞を獲得した菅野智之(巨人)の名前も目を引くが、注目すべきは内野手だ。菊池涼介(広島)を筆頭に、今宮健太(ソフトバンク)、中島卓也(日本ハム)、安達了一(オリックス)ら、堅守で鳴らす選手がずらりと揃っている。
先の日本シリーズでは捕手の甲斐拓也がMVPに輝いたように、守備がチームの勝敗をわけることも少なくない。もし、彼らがFA権を行使するとなれば大きな関心を集めることだろう。そんなことをイメージしつつ、2019年シーズンのプレーにも注目していきたい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)