来季から再び背番号「18」を背負う松坂
松坂大輔(中日)の背番号が来季から「18」に変更される。今季まで「18」をつけていた鈴木翔太(中日)は、松坂と入れ替わるかたちで今季の松坂の背番号「99」をつけることとなる。
西武、レッドソックス時代の他、日本復帰後のソフトバンク時代にも「18」を背負っていた松坂。それこそ、野球ファンにとっては松坂の代名詞と言える番号かもしれない。ソフトバンク時代には3年間でわずか1試合の登板にとどまったが、中日に移籍した今季は11試合に登板し6勝4敗、防御率3.74の成績をマーク。カムバック賞も受賞した。松坂自身もこだわりのある番号を背負う来季、さらなる復調に期待がかかる。
背番号「18」といえば、日本ではエースナンバーとして知られる。特に、松坂も所属した西武、そして巨人ではその傾向が強い。過去、西武なら松坂の他に、郭泰源、涌井秀章(現ロッテ)が背負い、巨人なら堀内恒夫や桑田真澄、杉内俊哉、他球団でも佐々岡真司(元広島)、前田健太(元広島・現ドジャース)、三浦大輔(元DeNA)、田中将大(元楽天・現ヤンキース)ら、そうそうたる名投手たちがつけてきた。
ドライチに渡す場合もあれば、相応しい実績を残してから手渡すことも。当然、多くの球団が大きな期待を込めて選手に託す番号である。現在、背番号「18」を背負う選手たちはどんな活躍を見せているのか--。各球団で背番号「18」を背負う投手の今季成績を振り返ってみる。
【12球団背番号「18」選手の今季成績】
広:不 在:準永久欠番・前田健太
ヤ:寺島成輝/ 1試合0勝1敗、防御率27.00
巨:杉内俊哉/登板機会なし ⇒ 引退
De:不 在(準永久欠番・三浦大輔)
中:鈴木翔太: 2試合0勝0敗、防御率5.19
:松坂大輔:11試合6勝4敗、防御率3.74 ※来季
神:馬場皐輔: 2試合0勝1敗、防御率5.19
西:多和田真三郎:26試合16勝5敗、防御率3.81
ソ:武田翔太:27試合4勝9敗1S、防御率4.48
日:不 在:岡 大海 ⇒ 移籍
オ:岸田 護:17試合0勝0敗1H0S、防御率2.35
ロ:不 在:藤岡貴裕 ⇒ 移籍
楽:不 在:準永久欠番・田中将大
多和田が松坂、涌井に続く西武のエース格へ
日本球界ではエースナンバーの色合いが強い番号のため、現在、背番号「18」を背負う選手は全員が投手である。今季開幕時点では、日本ハムに所属していた外野手・岡大海が「18」をつけていたものの、同じく背番号「18」でロッテ所属だった藤岡貴裕と今季途中で交換トレード。両選手とも背番号が変更された。
目立つのは、「“準”永久欠番」の多さ。これもまた、エースが背負ってきた番号ゆえのことだろう。DeNAは三浦大輔の引退時に、「18番」を今後ふさわしい選手が現れるまでは空き番号として、球団、三浦が協議して継承していく「横浜ナンバー」として定め、ここ2年は空き番号となっていた。来季は三浦が古巣・DeNAの一軍投手コーチとなることを受け、現役時代と同じ背番号「18」をつけることが決定している。
あらためて背番号「18」を背負う選手の成績を振り返ると、好成績を残した選手は意外にも少ない。今季から背番号「18」となった武田翔太(ソフトバンク)も、今季はプロ入り後初の負け越し、自己ワーストの防御率4.48と苦しんだ。ポストシーズンのCS、日本シリーズでは中継ぎとして安定感抜群の投球を披露し、「陰のMVP」とも呼べる活躍を見せたが、シーズンを通して振り返ると、苦悩の1年だったのではないだろうか。
そんななか、エースナンバーに恥じぬ活躍を見せたのが、多和田真三郎(西武)だった。松坂、涌井から「18」を引き継いだ多和田は、今季がまだプロ3年目。1年目の2016年から7勝を挙げるなど順調なスタートを切った多和田は、今季、大きな飛躍を果たした。16勝を挙げて初の個人タイトルとなる最多勝投手に輝いただけでなく、5完投もリーグ1位。勝率、投球回はリーグ2位の好成績を残し、菊池雄星とともにダブルエースと呼べる投手に成長した。
エースとは信頼の証であり、継続して好成績を残してこその称号とも言える。来季は“新18番”の松坂に注目しつつ、16年ドラ1・寺島や17年ドラ1・馬場ら、まだ実績のない「18番」たちの活躍にも期待したい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)