これぞアメリカンドリーム
野球界は本格的なオフシーズンを迎え、この時期の盛り上がるネタといえば“契約”についての話。特にアメリカ・メジャーリーグのスーパースタークラスとなれば、その金額もケタ違いで毎年驚かされる。
とくにFAが絡んだ際の長期契約は天井知らずに金額がつりあがる傾向にあり、たとえば今オフの目玉とされるブライス・ハーパー(ナショナルズ)やマニー・マチャド(ドジャース)といったところになると、総額4億ドル(約451億4000万円)以上の決着になるのではないかとの予測も出ているほどだ。
これまでの大型契約における最高額(※年平均でなく全体の金額)が、2014年にジャンカルロ・スタントン(現ヤンキース)が当時在籍していたマーリンズと結んだ13年総額3億2500万ドルというもの。現在のレートで日本円にして約366億円。まるで想像がつかない数字だが、ハーパーやマチャドはこれを上回るのでは、と言われているから恐ろしい。
昨オフまでの時点での、メジャーリーグにおける大型契約をランキングにすると以下のようになる。
【MLB・歴代大型契約ランキング】
▼ 1位 G・スタントン(マーリンズ)
☆13年契約 3億2500万ドル(約366億8000万円)
▼ 2位 M・カブレラ(タイガース)
☆10年契約 2億9200万ドル(約329億5000万円)
※以前から契約していた8年契約の残りを含む
▼ 3位 A・ロドリゲス(ヤンキース)
☆10年契約 2億7500万ドル(約310億3000万円)
▼ 4位 A・ロドリゲス(レンジャーズ)
☆10年契約 2億5200万ドル(約284億4000万円)
▼ 5位 R・カノ(マリナーズ)
☆10年契約 2億4000万ドル(約270億8000万円)
▼ 5位 A・プホルス(エンゼルス)
☆10年契約 2億4000万ドル(約270億8000万円)
※所属は契約当時
※レートは12月7日時点(1ドル=112.864円)で換算
3億ドルの大台を超えたのはスタントンだけ。ただし、2位以下は全員が10年契約となっており、年換算にするとスタントンは約28億2000万円となるのに対し、2位のカブレラが約32億9000万円でスタントンを上回る。
なお、現役選手に限定すればカノとプホルスが3位タイに繰り上がり、5位にはレッズのジョーイ・ボットが
10年総額2億2500万ドル(約253億9000万円)でランクインしてくる。
FA移籍による大型契約で見ると?
では、今オフ話題を集めているハーパーやマチャドのように、“FA移籍による大型契約”に限った場合はどうなるだろうか。
【MLB・FA移籍後の大型契約ランキング】
▼ 1位 A・ロドリゲス
(マリナーズ⇒レンジャーズ)
☆10年契約 2億5200万ドル(約284億4000万円)
▼ 2位 A・プホルス
(カージナルス⇒エンゼルス)
☆10年契約 2億4000万ドル(約270億8000万円)
▼ 2位 R・カノ
(ヤンキース⇒マリナーズ)
☆10年契約 2億4000万ドル(約270億8000万円)
▼ 4位 D・プライス
(ブルージェイズ⇒レッドソックス)
☆7年契約 2億1700万ドル(約244億8000万円)
▼ 5位 P・フィルダー
(ブルワーズ⇒タイガース)
☆9年契約 2億1400万ドル(約241億8,200万円)
FA移籍による大型契約では、アレックス・ロドリゲスがトップに。あまりにも高額だったことから、古巣・マリナーズファンは「お金を選んだ!」と猛反発。ヤンキースがマリナーズの本拠地セーフコ・フィールドに乗り込んでの試合では、ニセのお札がばらまかれるという一幕もあった。
ハーパーやマチャドが結ぶ契約は、そんなA・ロッドの記録を軽々と超えてしまうと見られており、何ならスタントンの北米四大スポーツ史上最高額をも超える可能性もあるのでは…と注目を集めている。
今オフFA市場の目玉である2人の移籍先とともに、その契約規模の大きさからも目が離せない。
文=中田ボンベ@dcp