コラム

補強は失敗も…競争激しいソフトバンクに死角なし?

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日本シリーズ連覇を果たし、胴上げされるソフトバンクの工藤監督(C)KYODO NEWS IMAGES

FA戦線は全敗…


 12月も残りあとわずか。球団によってはすでに仕事納めを行ったところもあり、補強を含めた編成も一段落することになる。

 ここまでの動向を振り返ると、セ・リーグでは巨人と阪神、パ・リーグでは日本ハムと楽天にそれぞれ戦力面でのかなりの上積みがあった。一方で思うように補強が進まなかったチームもある。日本一2連覇を達成したソフトバンクだ。

 ソフトバンクは日本一連覇を達成したその翌日に、インパクトのある戦力外通告を行った。そのなかには、五十嵐亮太や摂津正、吉村裕基、寺原隼人、城所龍磨といった実績のある選手も多数含まれており、大きな衝撃をもって伝えられた。

 戦力外通告を出した後、チームはFA権を行使した浅村栄斗(西武→楽天)、西勇輝(オリックス→阪神)の争奪戦に乗り出す。しかし、交渉を行ったが両選手とも射止めることはできず、FA選手の獲得による補強は失敗に終わっている。

 もちろん、補強手段はFA以外にもあるが、現時点でその動きはない。外国人選手もキューバ政府との交渉の都合もあり、1度保留者名簿から外したグラシアルとの再契約を行ったのみ。まだ開幕まで時間はあるが、来シーズンは現有戦力に加え、ドラフトで獲得した新人11名(支配下7名・育成4名)の体制で戦うことが濃厚となっている。

 このように補強が進んでいないという事実はあるものの、ソフトバンクの選手構成を見渡してみると、決して悲観するような状態ではないことがわかる。


若手の成長、故障者の復帰が最大の上積み


FAでの獲得を目指した浅村と同じ二塁のポジションは、ここ数年ソフトバンクにとってアキレス腱になっていた感はある。しかし、今季は牧原大成が7月に一軍昇格を果たすと、そのままレギュラーに定着。最終盤に故障したものの、59試合で打率.317、3本塁打と飛躍を遂げている。千賀滉大や甲斐拓也と同じ2010年ドラフト組の牧原はまだ26歳。これからの成長も見込める存在である。来季もレギュラー候補の筆頭だ。

 西の補強を目論んだ先発投手陣も同様。シーズン全休となった和田毅のリハビリは順調に進んでおり、来季は戦力として期待ができる見通し。また、これまで中継ぎとして活躍してきたスアレスに先発挑戦という構想も持ち上がっている。

 もともと力のある選手が集まっているだけに、故障や不振で思うような働きができなかった東浜巨、武田翔太といった実績のある投手の存在もある。もちろん、千賀滉大とバンデンハークも健在だ。その他にも、後半戦に戦力となった大竹耕太郎やミランダ、高橋礼。そして、中継ぎと先発の両方をこなした石川柊太など、次々に名前が挙がってくる。

 また、ファームには松本裕樹や高橋純平といった有望株も控えている。「投手は何人いても困らない」とは野球界でよく言われる言葉はあるが、西の獲得ができなかったことで大きく困ってしまうような戦力でないことは間違いない。


 中継ぎ陣を見ても、今季離脱を強いられていた岩崎翔とサファテの2枚が復帰予定。代わりにフル回転でチームを支えてきた森唯斗や加治屋蓮、嘉弥真新也といった男たちと新たな競争が繰り広げられることになる。

 加えて、外国人枠も競争が激しい。投打の軸だったバンデンハークとデスパイネに、今季途中からグラシアルが加わった。残るひとつの枠は左腕のモイネロとミランダが争っていたが、来季はそこにサファテとスアレスが入ってくる。外国人同士の4枠を巡る争いも熾烈だ。

 こうして見ていくと、やはりソフトバンクの選手層は他球団が羨むほど厚い。浅村と西の獲得こそ失敗したが、故障者の復帰と若手の成長がなによりの補強になる。

 現有戦力の競争による底上げでパ・リーグ制覇、そして日本一3連覇へ。ソフトバンクが来季もパ・リーグの中心にいる確率は高い。



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