コラム

12年前の“高校ビッグ3”、それぞれの道…

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日本ハム・中田翔(C)KYODO NEWS IMAGES

地元・仙台で復活を目指す由規


 1月も下旬に入り、いよいよ“球春”の訪れも近づいてきた。2月1日の12球団一斉キャンプインを前に、今年も昨年のドラフト会議で話題を集めた新人たちが大きな注目を集めている。

 なかでも大きく取り上げられているのが、根尾昂(大阪桐蔭→中日)や藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)、吉田輝星(金足農→日本ハム)に小園海斗(報徳学園→広島)といった、昨夏の甲子園を盛り上げた高卒のドラ1ルーキーたち。将来のチームを背負う“金の卵”たちのプロとしての第一歩、その一挙手一投足に熱い視線が送られている。


 今から12年前のこの時期、彼らと同じように大きな注目を集めていた男たちがいた。2007年の高校生ドラフト(※当時は高校と大学・社会人の分離ドラフトだった)にて、“高校ビッグ3”と呼ばれて話題をさらっていた3人。あれから12年という月日が流れ、彼らは新たな道を歩き出そうとしている。

 2007年の“高校ビッグ3”と言えば、仙台育英の由規(現楽天)と大阪桐蔭の中田翔(現日本ハム)、そして成田の唐川侑己(現ロッテ)の3人だ。

 ヤクルトにドラフト1位で指名された由規は、将来のエースとして大きな期待を受けながらも度重なるケガに苦しめられ、昨秋に戦力外通告を受けた。それでも、地元・宮城の楽天から声がかかり、育成選手として契約を結んでいる。

 石井一久GMは「後半戦での戦力として考えている」と語っており、現在はリハビリ中ということで育成契約からのスタートとなっているものの、決して“お情け”での契約ではないことを明言している。先日公開された自主トレでもネットスローを行うなど、右肩の状態は徐々に良くなっている。勝負どころの夏場以降に復帰が叶えば、チームにとって頼もしい存在となるだろう。地元での復活に大きな期待がかかる。

 

復活の気配を見せた中田と唐川


 中田は12年の間にやんちゃな印象から頼れる兄貴分へと変貌。今では主将としてチームをけん引する立場にある。

 2017年は極度の不振に苦しんだ大砲だが、昨季はどん底から這い上がって見事に復活。打点は2年ぶりに100の大台を突破し、リーグ3位となる106打点をマークした。このオフは動向に注目が集まるも、FA権は行使せずに日本ハムと3年契約で合意。チームには昨年の清宮幸太郎に続き、今オフも台湾の至宝・王柏融にドラ1の吉田輝星とスター候補性が続々と加入してきているが、まだまだ中田がチームの中心であることは間違いない。

 4月に30歳を迎える節目のシーズン。中田は今年も主砲として、主将として若いチームを引っ張っていく。


 そんな2人を抑えて、“ビッグ3”のなかで最も早く頭角を現したのが唐川だった。ルーキーイヤーの4月に初先発・初勝利を挙げると、いきなりシーズン5勝をマーク。プロ4年目の2011年には12勝6敗、防御率2.41という好成績を残すなど、順調な成長曲線を描いていく。

 しかし、2012年以降のシーズンで2ケタ勝利は一度もなく、おととしも5勝10敗で防御率4.49と苦しんだ。昨季も開幕ローテーションに入ることができず、谷間での登板がメイン。初勝利を挙げたのは、自身4度目の登板となった7月5日のことだった。

 それでも、8月以降にリリーフに回ると状況は好転していく。21試合の登板で自責点はわずかに「1」。見事な復活を遂げ、2019年への望みをつないだ。

 今季の起用法については明らかになっていないものの、本人は「先発をやりたいが、中継ぎでも」というスタンス。首脳陣の考えに従うつもりだ。新シーズンはリリーフとして新境地を切り開いていく可能性もあるだろう。

 大きな期待を受けながらプロ入りし、故障や不振といった困難にぶつかりながらも、必死にもがいて前進してきた3人の男たち。同じ1989年生まれ世代では菅野智之や丸佳浩といったところが現状ではトップを走っているかもしれないが、やはり“ビッグ3”の意地というのをまだまだ見せてもらいたい。 



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