コラム 2019.01.28. 11:45

春季キャンプで一軍メンバーに入った高卒ルーキーの“1年目”は…?

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球団では異例ともいえるキャンプ一軍メンバーに抜擢された小園 (C) KYODO NEWS IMAGES

異例の一軍抜擢となった広島・小園海斗


 いよいよ2月1日に開幕する春季キャンプ。これからはじまる長丁場のペナントレースを左右する大切な期間であると同時に、成長著しい若手にとっては首脳陣に自身の存在をアピールする格好の場となる。キャンプイン目前となったこの時期には各チームから続々とメンバーの振り分けが発表され、いよいよ球春到来といった感じで気分も高まってくる。

 そんななかで話題を集めているのは、初めての春季キャンプを迎える新人選手たちだろう。昨年のドラフト会議で4球団が競合した根尾昂(中日)は当初一軍メンバーに入るも、肉離れのため残念ながら二軍スタートが決定。それでも、広島の小園海斗とロッテの藤原恭大は一軍キャンプメンバー入りが内定している。

 特に小園については“異例”の抜擢と言える。広島というチームにおいて、高卒野手が最初の春のキャンプを一軍で迎えるのは1992年の徳本政敬以来で実に27年ぶりのことだ。

 まずはプロの選手としての体力を養うのがメインになる10代ということを思えば、いきなり一軍の主力メンバーたちと肩を並べて練習することを課した首脳陣の期待が現れている。実際に、過去の高卒ルーキーでも、清原和博や松井秀喜といったところはキャンプから一軍メンバーに帯同し、早々に主力選手の仲間入りを果たしていた。

 こうして考えると、春季キャンプで一軍メンバー入りを果たした高卒ルーキーはスター街道をひた走っていくと考えられるが、実際に過去の高卒ルーキーたちはどうだったのだろうか。


野手と投手で明暗クッキリ


 検証したのは、1999年から2018年までの過去20年。春季キャンプがはじまる2月1日時点で一軍メンバー入りを果たしていた高卒ルーキーの選手と、その1年目における成績だ。まずは1999年から2008年までを見ていく。(※選手名、球団名は当時のもの)

▼ 1999年
松坂大輔(西武)
[1年目] 16勝5敗 防2.60
☆新人王

▼ 2002年
寺原隼人(ダイエー)
[1年目] 6勝2敗1セーブ 防3.59

▼ 2003年
西岡 剛(ロッテ)
[1年目] 率.333 本0 点1

▼ 2006年
炭谷銀仁朗(西武)
[1年目] 率.181 本3 点14

陽 仲寿(日本ハム) ※現在の登録名は「陽岱鋼」
[1年目] 一軍出場なし

▼ 2007年
田中将大(楽天)
[1年目] 11勝7敗 防3.82
☆新人王

増渕竜義(ヤクルト)
[1年目] 1勝1敗1ホールド 防4.30

▼ 2008年
佐藤由規(ヤクルト)
[1年目] 2勝1敗 防4.55

中田 翔(日本ハム)
[1年目] 一軍出場なし


 全選手がドラフト1位(1巡目)指名を受けた選手だけあって、まさに豪華な面々が揃った。ほとんどの選手がのちにチームの中心となっているだけでなく、タイトルホルダーも多数いる。これを見る限り、やはり春季キャンプで一軍入りを果たした高卒ルーキーは未来のスター候補と言える。

 しかし、1年目だけの成績にフォーカスしてみると、すぐに結果を出したのは投手ばかり。松坂や田中らが新人王を獲得しただけでなく、全選手が一軍登板を果たしたのに対し、野手陣は陽や中田のように開幕から二軍となり、1年目は一軍出場がないまま終わった選手もいた。野手にとっては、キャンプ一軍メンバー入りよりも、“開幕一軍”の方が高い壁になっているようだ。


一軍入りの選手数は増えたものの…


 続いて2009年以降の選手たちを見ていく。

▼ 2010年
今村 猛(広島)
[1年目] 0勝1敗 防15.75

雄星(西武) ※菊池雄星
[1年目] 一軍登板なし

▼ 2011年
吉川大幾(中日)
[1年目] 一軍出場なし

▼ 2012年
高橋周平(中日)
[1年目] 率.155 本2 点3

▼ 2013年
藤浪晋太郎(阪神)
[1年目] 10勝6敗 防2.75
☆新人特別賞

▼ 2014年
松井裕樹(楽天)
[1年目] 4勝8敗3ホールド 防3.80

▼ 2015年
安楽智大(楽天)
[1年目] 1勝0敗 防0.00

▼ 2016年
オコエ瑠偉(楽天)
[1年目] 率.185 本1 点6

平沢大河(ロッテ)
[1年目] 率.149 本0 点3

▼ 2017年
今井達也(西武)
[1年目] 一軍登板なし

寺島成輝(ヤクルト)
[1年目] 0勝0敗 防15.00

藤平尚真(楽天)
[1年目] 3勝4敗 防2.28

▼ 2018年
清宮幸太郎(日本ハム)
[1年目] 率.200 本7 点18


 注目すべきは楽天か。毎年のようにドラフト会議で甲子園のスター選手を獲得してきたこともあり、2014年から2017年まで4年連続で高卒ルーキーがキャンプ一軍メンバー入りを果たしている。

 その他のメンバーを見ると、1年目からバリバリ活躍したのは新人特別賞を獲得した藤浪のみで、あとはさほど目立った活躍をしたとは言えないようだ。野手に至っては、打率2割を超えたのは清宮だけである。

 果たして、小園や藤原は一軍で活躍することはできるだろうか。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)


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