コラム 2019.02.01. 17:30

“勤続疲労”に要注意…連続で50試合以上に登板した投手のその後

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2017年に意外な形でプロ初セーブを記録した近藤一樹

ヤクルトの躍進を支えた縁の下の力持ち


 プロ野球も長かったシーズンオフが終わり、いよいよ“球春到来”。2019年シーズンの開幕に向けた戦いが本格的にスタートした。

 昨季を振り返ってみると、セ・リーグは広島が圧巻の強さでリーグ3連覇を成し遂げた一方、台風の目となったのがヤクルトだ。小川淳司監督の再登板、宮本慎也氏のコーチ就任、そしてメジャーから青木宣親の復帰とトピックの多かったチームだが、開幕前の下馬評は決して高くなかった。そんななか、交流戦の躍進で上昇気流に乗ったチームは前年の最下位から2位まで躍進する。

 自身3度目のトリプルスリーを山田哲人を筆頭に、やはり強力打線に目が行きがちではあるが、チームを影から支えていたのがブルペン陣だろう。74試合に登板して最優秀中継ぎ投手に輝いた近藤一樹をはじめ、抑えに定着した石山泰稚も71試合に登板。ほかにも風張蓮が53試合、左腕の中尾輝も54試合に登板するなど、50試合以上に登板した投手が4人もいた。

 昨季のヤクルトだけでなく、近年の野球界は投手の分業制が進んでいることもあり、中継ぎ投手にかかる役割は大きくなっている。日本ハムの宮西尚生のように11年連続で50試合以上に登板する“鉄腕”も稀にいるものの、やはり心配になるのが“勤続疲労”だ。

 たとえば、5年連続で50試合以上に登板していたソフトバンクの守護神デニス・サファテは、昨季の途中に股関節の故障で戦線離脱。わずか6試合の登板に留まった。また、昨年8月に中日・浅尾拓也が現役引退を表明した際には、自身のTwitterで「#俺たちはロボットじゃない」というハッシュタグをつけた投稿が話題を呼んだ。


酷使に耐えられる投手の“共通項”とは…


 では、検証してみよう。過去10シーズン(2009年~2018年)で、2年連続50試合以上の登板を記録した投手たちは、翌年どうなったか。ただし、該当者が延べ70人と多くなったため、ここでは主だった選手のみに絞った。まずは、さほど影響が出なかった選手たちから見ていこう。


▼ 山口 俊(横浜)
2シーズン合計=105試合(2009~2010)
[2011年] 59試 2勝6敗34セーブ・1ホールド 防2.49

▼ 平野佳寿(オリックス)
2シーズン合計=135試合(2010~2011)
[2012年] 70試 7勝4敗9セーブ・21ホールド 防2.15

▼ デニス・サファテ(ソフトバンク)
2シーズン合計=122試合(2013~2014)
[2015年] 65試 5勝1敗41セーブ・9ホールド 防1.11

▼ 中崎翔太(広島)
2シーズン合計=130試合(2015~2016)
[2017年] 59試 4勝1敗10セーブ・25ホールド 防1.40

▼ 山崎康晃(DeNA)
2シーズン合計=117試合(2015~2016)
[2017年] 4勝2敗26セーブ・15ホールド 防1.64


 ここにはすべての成績を掲載してないものの、延べ70人が2年連続で50試合に登板し、3年目も50試合以上登板した投手は39名と約半分に減少する。先発への配置転換などもあるにせよ、それは稀なケース。ブルペンを担う投手たちにとって年間50試合に登板するというのはいかに難しいかがわかる。

 そのなかで3年目に影響が出なかった投手の多くはクローザーの役割を担う投手が多かった。基本的には、勝ち試合の1イニングのみという限定された状況で投げるケースが多いことがその要因かもしれない。


まさかのシーズン全休を余儀なくされるケースも


 つづいて、以下は3年目に疲労が重なり、低迷した選手たち。

▼ 佐藤達也(オリックス)
2シーズン合計=134試合(2013~2014)
[2015年] 59試 2勝7敗13セーブ・13ホールド 防3.22

▼ 高橋朋己(西武)
2シーズン合計=125試合(2014~2015)
[2016年] 7試 1勝0敗1セーブ・3ホールド 防1.69

▼ 沢村拓一(巨人)
2シーズン合計=123試合(2015~2016)
[2017年] 一軍登板なし

▼ 高橋聡文(阪神)
2シーズン合計=115試合(2016~2017)
[2018年] 15試 0勝0敗2ホールド 防3.95

▼ マルコス・マテオ(阪神)
2シーズン合計=115試合(2016~2017)
[2018年] 17試 0勝1敗4ホールド 防6.75


 こちらは、肩のコンディション不良のため一軍登板がゼロで終わった沢村拓一をはじめ、故障に泣かされて芳しくない成績になった選手はかなりいた。なかでも、高橋聡文とマテオのふたりは、昨季揃って故障で登板数は激減。チームの強みだったブルペンから核となる選手がふたりも欠けたことも響き、昨季の阪神は最下位に低迷した。

 これらの結果を見ると、試合状況によってイニングまたぎも辞さない起用を強いられる中継ぎ投手は故障に泣かされるケースが多く見られる。

 ちなみに、2017年~2018年に連続して50試合以上に登板した投手は近藤一樹を含め8名いた。彼らが今季どんな成績を残すのか、注目したい。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)


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