コラム 2019.02.03. 18:30

意外と難しい『連続最多勝』と達成されていない『両リーグ最多勝』

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いまや巨人のエース・菅野智之の高校時代の珍プレーとは? (C)KYODO NEWS

最多勝に挑む男たち


 先発投手、特にエース格の投手にとって最も目標としやすいのが「最多勝」のタイトルだ。

 昨季を振り返ってみると、セ・リーグは菅野智之(巨人)と大瀬良大地(広島)が15勝でタイトルを分け合い、パ・リーグでは多和田真三郎(西武)が16勝を挙げて最多勝に輝いた。

 菅野は2年連続2度目となる最多勝のタイトルで、大瀬良と多和田はそれぞれ初めて。セ・リーグで菅野より以前に2年連続最多勝に輝いたのは、2011~12年の内海哲也(当時巨人)、それより前だとグライシンガー(ヤクルト→巨人)が2007~08年に達成している。

 一方、パ・リーグでは1999~01年に松坂大輔(当時西武)が3年連続で同タイトルを獲得しているが、それ以降は連続最多勝利投手が生まれていない。

 ここ数十年で投手は分業制が進み、完投の数は激減した。先発投手は最低5回を投げ切る必要があり、また、どれだけ好投しても味方の援護がなければ勝利を手にすることはできない。先発投手が“自力”で勝ち星を掴むことは一昔前に比べてかなり難しくなっている。


菅野が目指す“3年連続”


 今季、パ・リーグで連続最多勝を狙えるのは多和田ひとりだけだ。

 多和田の昨季を振り返ると、防御率は3.81でパ・リーグ8位(規定到達9人中)となっており、打線の援護に恵まれた感は否めない。逆に言えば、防御率を2点台から3点台前半まで改善させることができれば、昨季以上の勝利数、そしてパ・リーグでは松坂以来となる連続最多勝も狙えるだろう。

 セ・リーグで連続最多勝を狙えるのは菅野と大瀬良。菅野には松坂以来の“3年連続”にも期待がかかる。

 セ・リーグでの3年連続最多勝は意外と少なく、1937秋から1939年にかけて5シーズン連続最多勝に輝いたスタルヒン(巨人)が唯一これを達成した投手である。通算5度の最多勝に輝いた斎藤雅樹(巨人)も、2年連続が最長だ。ちなみに、パ・リーグの最長記録は野茂英雄(近鉄)で、1990年から93年にかけて4年連続で最多勝に輝いている。


これまで一人もいない“両リーグ最多勝”


 ちなみに、最多勝にまつわる記録と言えば、2リーグ制以降セ・パ両リーグで最多勝に輝いた投手はプロ野球史上ひとりもいない。今季この両リーグ最多勝に挑戦する資格を持つ投手は3人いる。

 メジャーから8年ぶりにプロ野球に復帰した岩隈久志(巨人)は、近鉄と楽天で1度ずつ最多勝に輝いた経験を持つ。自身初のセ・リーグでかつての輝きを取り戻すことはできるだろうか。

 2人目は炭谷銀仁朗の人的補償で西武に移籍した内海。強力打線を味方に、7年ぶりの最多勝を目指す。3人目は昨季中日で復活を果たし、6勝を挙げた松坂。達成すれば2001年以来、18年ぶりの偉業だ。

 3人はいずれも30代後半と年齢的にはかなり厳しいが、それぞれ期するところはあるだろう。ぜひ両リーグで最多勝という史上初の偉業に挑戦してもらいたい。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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