コラム 2019.02.06. 11:30

史上2人目の大偉業へ!「ミスター・トリプルスリー」山田哲人

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ヤクルト・山田哲人

張本勲、秋山幸二のふたりだけ


 球界を代表する大打者に成長したヤクルト・山田哲人。プロ入り4年目の2014年にレギュラーに定着するなり最多安打のタイトルを獲得すると、翌2015年にはいまや代名詞となったトリプルスリーを達成。高卒野手として異例のスピードで成長を続け、その期待値の高さから2017年には打率.247・24本塁打・78打点・14盗塁の成績で「大不振」と騒がれてしまったほどである。

 そんな山田も、昨季は「不振」から完全に脱却。打率.315・34本塁打・89打点・33盗塁の成績で、自身3度目のトリプルスリーを達成した。あまりに当然のようにトリプルスリーを達成するため、過去2度に比べて大きく報道されることもなく、野球ファンからは「トリプルスリーの価値を自ら下げてしまった」との声も上がったほどだ。

 だが、トリプルスリーは、高い確率でヒットを放ち、かつパワーとスピードという普通はなかなか相いれない能力を併せ持つ者しか達成できない紛うことなき偉業であり、過去にも山田を含めて10人しか達成者がいない超がつくレア記録である。

 ただ、パワーとスピードを兼ね備えた者しか達成できない記録には、トリプルスリー以上にレアなものもある。それが「通算300本塁打・300盗塁」だ。長い歴史を誇るプロ野球において、その達成者はわずかにふたり。張本勲と、山田にとって「トリプルスリーの先輩」でもある秋山幸二だ。

 通算300本塁打達成者(42人)よりも300盗塁達成者(29人)が少ないことからもわかるように、やはり高い壁となるのが盗塁である。張本は通算504本塁打に対して盗塁は319。秋山は通算437本塁打に対して盗塁は303。ともに300本塁打には悠々達したものの、300盗塁にはキャリア終盤に滑り込むように到達している。

 一般的に長打力に比べて脚力のほうが早く衰えはじめることのほか、打順の関係やベテランになれば起用法が変わることなども、キャリア終盤に盗塁が激減する要因だろう。


到達見込みは2025年シーズン!?


 山田がその大記録に到達するにはまだ時間がかかるが、それでもその可能性には大いに期待したい。

 昨季終了時点で山田は通算167本塁打、135盗塁を記録している。大記録までは残り133本塁打、165盗塁だ。レギュラーに定着した2014年以降、1シーズンあたりの平均記録は本塁打が32.6、盗塁が25.2である。

 それぞれ、残り4.08シーズン(本塁打)、6.55シーズン(盗塁)で300の大台に到達することとなる。順調ならば、2025年シーズン途中で大記録を達成する計算だ。そして、山田の早熟さも武器となる。現在26歳の山田が2025年シーズンを迎えるのは32歳のとき。長打力も足も急激に衰えるには早い年齢だろう。

 また、「ミスター・トリプルスリー」の山田らしい記録として、300本塁打、300盗塁に加えて、過去21人しかいない通算打率3割(4000打数以上/現役選手を除く)にも期待したい。これら3つの記録をすべて達成しているのは張本ただひとりである。もちろん、ここまで通算927安打を記録している山田なら、名球会入りの基準となる2000本安打到達は目標ではなく達成して当然の数字だろう。

 ただし、これは山田が日本球界でプレーし続けることが前提の話だ。将来的なメジャー挑戦がうわさされる山田は、出演したテレビ番組で「心のどこかで(メジャーで)やりたいという気持ちがある」と発言したこともある。

 もちろん、野球ファンならメジャーで活躍する山田の姿を見たいだろうし、日本人野手がなかなか通用しないメジャーでの記録も含めて「日米通算3割・300本塁打・300盗塁」を達成できれば、それこそ偉業である。

 とはいえ、史上ふたり目の大記録達成の可能性を秘める山田には、日本球界でこそ金字塔を打ち立ててほしい気持ちもあるのだ。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)


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