コラム 2019.02.05. 17:30

再び注目が集まる背番号「18」…エースナンバーの“由来”とは?

無断転載禁止
巨人・菅野智之 (C) Kyodo News

特別な意味を持つ「18」


 多和田真三郎、武田翔太、吉田輝星、岸田護、涌井秀章、寺島成輝、菅野智之、松坂大輔、馬場皐輔……。

 突然ですが、みなさんはこの選手の名前を見て、パッと“共通点”は思いつきますか……?


 答えは、今季の各球団で背番号18をつける選手たち。パ・リーグでは楽天、セ・リーグは広島が在籍者なしとなっており、DeNAは今季からコーチに就任した三浦大輔氏が背負っている。


 野球という競技において「18」は投手の番号だという明確な決まりなどないが、いつからか背番号18は日本におけるもっとも有名な“エースナンバー”となった。

 このオフも日本ハムがドラフト1位ルーキー・吉田輝星に「18」を授けたことが大きな話題となり、また2年連続で沢村賞を受賞している球界のエース・菅野智之(巨人)や、かつて日本球界を背負うエースだった松坂大輔(中日)、そしてその松坂のバトンを受ける形で西武のエースとなった涌井秀章(ロッテ)といったところが今季から「18」を背負うことになったことで、「18」という数字により大きな注目が集まっている。


 背番号18がエースナンバーとして定着した理由は諸説ある。古くは歌舞伎の十八番(おはこ)から来ているという説もあるが、なかでも大きなポイントとなったのは、巨人の中尾碩志や阪神の若林忠志といった日本プロ野球黎明期に活躍したピッチャーたちがそろって「18」を着けていた、ということだろう。

 その中尾碩志から「18」を受け継いだ藤田元司が「18はエースナンバーだ」と中尾から言われたという述懐もあり、少なくとも巨人では1950年代の後半頃から18=エースという認識があったと推測できる。巨人の「18」はその後も堀内恒夫、桑田真澄という大投手へと受け継がれていき、それを見ていた少年たちの心の中にも「18」は特別な番号として刷り込まれていったのではないか。

 思い返してみると、“平成の怪物”として鳴り物入りでプロの世界に入ってきた松坂大輔も、西武に入団した時の背番号は「18」。入団会見では桑田への憧れを口にしていた。その松坂も日米を股にかけて活躍する球界のエースへと成長を遂げ、子どもたちの憧れの的となった。こうした長い年月をかけて、いつしか「18」は巨人だけでなく、日本球界における特別な番号になった、と考えられる。


 チームによってエースナンバーが異なることもあるが、やはり「18」は特別な背番号だ。

 特に今年は期待のルーキーだけでなく、チームを引っ張るエースが満を持して「18」を継承したり、かつての輝きを取り戻した名投手が再び「18」を背負ったりなど、注目すべき点が盛りだくさん。ぜひ背番号にも注目して野球を楽しんでいただきたい。


文=中田ボンベ@dcp


各球団の背番号18・通算成績

※前身チームを含む
※18番を背負った期間のみの成績


▼ 西武
武末悉昌(1950~1953)=25勝23敗
島原幸雄(1954~1958)=81勝50敗
河村英文(1959)=4勝5敗
若生忠男(1960~1962)=36勝34敗
畑隆幸(1963~1964)=16勝13敗
河原明(1968~1974)=39勝74敗1セーブ
伊藤久敏(1975)=0勝0敗
関本四十四(1976)=1勝4敗
倉持明(1977~1978)=6勝4敗
成重春生(1979)=0勝0敗
田鎖博美(1980~1982)=0勝0敗
江夏豊(1984)=1勝2敗8セーブ
郭泰源(1987~1997)=103勝56敗2セーブ
松坂大輔(1999~2006)=108勝60敗1セーブ
涌井秀章(2009~2013)=45勝38敗37セーブ
多和田真三郎(2016~)=28勝15敗
―――
計:493勝378敗49セーブ(率.566)


▼ ソフトバンク
丸山二三雄(1946~1948)=35勝35敗
中原宏(1950~1955)=40勝31敗
東実(1957~1959)=2勝6敗
橋本敬包(1960~1961)=0勝1敗
西村省三(1961~1970)=3勝6敗
西岡三四郎(1971~1975)=38勝44敗
村上之宏(1978~1980)=14勝25敗5セーブ
山内和宏(1981~1990)=96勝107敗1セーブ
村田勝善(1990~1993)=47勝54敗
渡辺智男(1994~1997)=4勝15敗
吉田豊彦(1998)=0勝0敗
松修康(1999~2000)=1勝5敗
新垣渚(2003~2014)=60勝50敗
松坂大輔(2015~2017)=0勝0敗
武田翔太(2018~)=4勝9敗1セーブ
―――
計:344勝388敗7セーブ(率.470)


▼ 日本ハム
白木義一郎(1946~1951)=97勝96敗
松本忠繁(1952~1953)=8勝7敗
今西錬太郎(1954~1956)=4勝20敗
ホセ中村(1957)=0勝0敗
高野一彦(1958~1963)=14勝18敗
山崎武昭(1964~1966)=4勝6敗
高橋善正(1967~1972)=51勝69敗
渡辺秀武(1973)=11勝14敗
バール・スノー(1974)=0勝0敗
マイク・ケキッチ(1974)=5勝11敗
ジョージ・カルバー(1975)=1勝4敗
高橋一三(1976~1983)=57勝54敗
河野博文(1985~1995)=44勝68敗10セーブ
岩本勉(1996~2005)=63勝73敗3セーブ
藤井秀悟(2008~2009)=7勝3敗
斎藤佑樹(2011~2016)=15勝24敗
吉田輝星(2019~)=0勝0敗
―――
計:381勝467敗13セーブ(率.449)


▼ オリックス
笠松実(1946年)=8勝8敗
野口二郎(1946~1953)=81勝68敗
国頭光仁(1954~1955)=1勝4敗
米田哲也(1956~1975)=328勝272敗
稲葉光雄(1977~1983)=58勝40敗2セーブ
野中徹博(1985)=0勝0敗
酒井勉(1989~1996)=33勝31敗14セーブ
杉本友(1997~2000)=9勝20敗1セーブ
具臺晟(2001)=7勝9敗
山口和男(2003~2009)=7勝6敗
岸田護(2010~)=26勝21敗
―――
計:558勝479敗17セーブ(率.538)


▼ ロッテ
星野武男(1950~1952)=3勝5敗
守田政人(1952)=2勝1敗
植村義信(1953~1961)=74勝69敗
若生智男(1962~1963)=46勝42敗
迫田七郎(1966~1971)=10勝14敗
成田文男(1972~1979)=69勝57敗
三井雅晴(1981~1982)=0勝0敗1セーブ
石川賢(1983~1987)=20勝23敗
伊良部秀輝(1988~1996)=59勝59敗11セーブ
清水直行(2000~2009)=93勝85敗
藤岡貴裕(2012~2018)=21勝30敗
涌井秀章(2019~)=0勝0敗
―――
計:397勝385敗12セーブ(率.508)
勝率:約50.8%


▼ 楽天
渡邉恒樹(2005~2006)=4勝8敗
田中将大(2007~2013)=99勝35敗3セーブ
―――
計:103勝43敗3セーブ(率.705)


▼ 広島
竹村元雄(1950)=0勝0敗
長谷川良平(1951~1963)=197勝208敗
西川克弘(1964~1972)=5勝13敗
長島吉邦(1973~1974年)=0勝1敗
平岡一郎(1976)=0勝0敗
福士明夫(1977~1982)=58勝49敗8セーブ
白武佳久(1983~1989)=21勝24敗2セーブ
佐々岡真司(1990~2007)=138勝153敗106セーブ・5ホールド
前田健太(2008~2015)=97勝67敗
―――
計:516勝515敗116セーブ・5ホールド(率.500)


▼ ヤクルト
古谷法夫(1950~1955)=18勝31敗
三林清二(1956~1958)=3勝10敗
巽一(1959~1970)=40勝66敗
会田照夫(1971~1974)=29勝45敗3セーブ
酒井圭一(1977~1983)=6勝12敗4セーブ
伊東昭光(1986~1998)=87勝76敗21セーブ
藤井秀悟(2002~2007)=39勝45敗2ホールド
リッキー・バレット(2009)=0勝1敗1ホールド
杉浦稔大(2014~2016)=6勝8敗
寺島成輝(2017~)=0勝1敗
―――
計:228勝295敗28セーブ・3ホールド(率.436)


▼ 巨人
前川八郎(1936~1938)=18勝20敗
中尾碩志(1939~1942、1946~1947、1948~1957)=209勝127敗
近藤貞雄(1946)=23勝14敗
藤田元司(1958~1966)=102勝78敗
堀内恒夫(1967~1984)=187勝137敗6セーブ
桑田真澄(1986~2006)=173勝141敗14セーブ
杉内俊哉(2012~2018)=39勝22敗
菅野智之(2019~)=0勝0敗
―――
計:751勝539敗20セーブ(率.582)


▼ DeNA
今西錬太郎(1950~1952)=14勝21敗
権藤正利(1954~1963)=18勝20敗
佐々木吉郎(1954~1963)=70勝115敗
鵜沢達雄(1972~1978)=7勝9敗1セーブ
広瀬新太郎(1981~1985)=2勝5敗
岡本透(1988~1995)=30勝33敗2セーブ
松浦宏明(1995)=1勝1敗
マイク・バークベック(1996)=0勝2敗
三浦大輔(1998~2016)=172勝184敗
―――
計:314勝390敗3セーブ(率.446)


▼ 中日
村松幸雄(1939~1941)=38勝26敗
三富恒雄(1950~1954)=19勝13敗
児玉秦(1955~1961)=56勝53敗
福田信夫(1962)=0勝0敗
ポール・ホイタック(1965)=2勝3敗
豊永隆盛(1966~1967)=0勝0敗
小野正一(1968~1970)=26勝33敗
稲葉光雄(1971~1976)=46勝40敗
戸田善紀(1977~1981)=20勝25敗
鹿島忠(1983~1996)=36勝28敗14セーブ
小野和義(1997)=0勝1敗
前田幸長(1998)=24勝33敗1セーブ
武田一浩(1999)=9勝10敗
曹竣揚(2000)=0勝1敗
エディ・ギャラード(2001~2003)=4勝6敗112セーブ
朝倉健太(2004~2005)=8勝10敗
中里篤史(2006~2008)=1勝0敗
伊藤準規(2009~2013)=4勝5敗
鈴木翔太(2014~2018)=5勝5敗
松坂大輔(2019~)=0勝0敗
―――
計:298勝292敗127セーブ(率.505)


▼ 阪神
若林忠志(1936~1943、1946)=153勝86敗
梶岡忠義(1947~1949)=61勝35敗
前岡勤也(1956~1958)=0勝2敗
マーク・ブラウンスタイン(1962)=0勝0敗
中井悦男(1963~1965)=9勝6敗
石床幹雄(1966~1970)=1勝1敗
谷村智啓(1971~1974)=24勝38敗
安仁屋宗八(1975~1979)=29勝18敗20セーブ
大町定生(1980~1983)=11勝7敗12セーブ
池田親興(1984~1990)=38勝56敗
野田浩司(1991~1992)=35勝52敗9セーブ
藪恵壹(1994~2001)=84勝106敗
バルデス(2002)=4勝3敗22セーブ
杉山直久(2003~2008)=21勝23敗
二神一人(2010~2013)=0勝3敗1ホールド
藤川球児(2016)=5勝6敗3セーブ
馬場皐輔(2018~)=0勝1敗
―――
計:475勝443敗66セーブ・1ホールド(率.517)


※参照:NPB公式サイト


【PR】プロ野球を観戦するなら「DAZN Baseball」

「DAZN Baseball」とは、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプランです(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できます。

POINT

春季キャンプ、オープン戦、公式戦、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

【PR】「DMM×DAZNホーダイ」でプロ野球を観よう!

「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZN Standardをセットで利用できるプラン。

単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZN Standard月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です。

POINT

① 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!

② DAZNだけの契約と比較しても月額720円(税込)お得に楽しめる!

③ 新規入会月から最大3カ月間、「DMMポイント」を550ポイント付与!

ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西