コラム 2019.02.07. 17:30

大補強は実を結ぶ?巨人がオフの主役となった“翌年”の成績

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新加入の丸と笑顔でグータッチする原辰徳監督 (C) KYODO NEWS IMAGES

V奪回に向けた大補強


 春季キャンプがはじまり、ようやくスポーツニュースでも野球の話題が多くなってきた今日この頃。そのなかでもやはり大きく取り上げられているのが、セ・リーグの覇権奪回を目指す巨人だ。

 何と言っても今年から原辰徳監督が復帰。自身3度目の監督就任となり、4年連続V逸と苦しむチームの救世主となるのか、注目が集まっている。

 それだけではない。オフには今季にかける想いにあふれた大補強を敢行。FA市場の目玉だった丸佳浩の獲得に成功したほか、炭谷銀仁朗に岩隈久志、中島宏之といった実績豊富なベテランを次々に補強。新助っ人も昨季メジャーで20本塁打を放っているクリスチャン・ビヤヌエバ、メジャー通算6年で236試合に登板したライアン・クックという大物を招き入れ、来る2019年シーズンに備えてきた。

 近年は静かなオフを過ごすことも少なくなかった巨人だが、少し前までは大補強が“お家芸”のような頃もあった。では、その過去の大補強はどれほどの効果があったのだろうか。


過去の大型補強は成功だったのか


 今回は現行のFA制度が導入された1993年から昨シーズンまでを対象に、巨人が特に大きな補強を行った年に注目。その翌年の成績を調べてみた。


▼ 1993年
主な獲得選手:落合博満、屋敷要など
⇒ 1994年:リーグ優勝・日本一

 FA制度の初年度となった1993年。何と言っても目玉は落合の獲得だ。その翌年・1994年というと、かの有名な「10.8決戦」の年。落合は負傷により途中交代となってしまうものの、4番打者として本塁打と適時打を放つ活躍。リーグ優勝に大きく貢献した。


▼ 1994年
主な獲得選手:広沢克実、川口和久など
⇒ 1995年:3位

 落合を獲得した翌シーズンのオフも、広沢や川口といったスター選手をFAで獲得。他にも阿波野秀幸やジャック・ハウエルを獲得するなど大型補強を敢行したが、翌シーズンは3位に終わっている。


▼ 1996年
主な獲得選手:清原和博、ヒルマンなど
⇒ 1997年:4位

 1996年のオフは、その年の目玉だった清原の獲得に成功。また、ロッテから実績のあるエリック・ヒルマン、近鉄とのトレードで石井浩郎を獲得したが、翌シーズンは4位と残念な結果になってしまった。


▼ 1999年
主な獲得選手:工藤公康、江藤智など
⇒ 2000年:リーグ優勝・日本一

 1999年のオフは、前年にダイエーを日本一に導いた工藤に加え、広島から右の大砲・江藤を獲得。さらに“巨人キラー”として名をはせた阪神のダレル・メイも獲得するなど、大型補強が実を結んで見事に日本一を達成。原動力となった「ミレニアム打線」は巨人史上でも屈指の強力打線として今なお語り継がれている。


▼ 2002年
主な獲得選手:ペタジーニ、ペドラザなど
⇒ 2003年:3位

 2002年オフは、ヤクルトからロベルト・ペタジーニ、ダイエーからロドニー・ペドラザと他球団で活躍した外国人選手を積極補強。しかし、この年は投手陣の調子が上がらずリーグ優勝を逃している。


▼ 2003年
主な獲得選手:ローズ、小久保裕紀など
⇒ 2004年:3位

 この年はタフィ・ローズ、小久保といった長距離砲を相次いで獲得。史上最強打線と期待がかかるも、前年からの課題だった投手力は相変わらずだったため、リーグ3位とういう結果に終わった。


▼ 2005年
主な獲得選手:豊田清、野口茂樹など
⇒ 2006年:4位

 5位という屈辱からの逆襲に燃えた2005年のシーズンオフは、豊田や野口といった実績のある投手を積極補強。しかし、今度は打線の主軸にケガが相次いだことで得点力が低下。2年連続のBクラスとなった。


▼ 2006年
主な獲得選手:小笠原道大、谷佳知など
⇒ 2007年:リーグ優勝(CS第2ステージ敗退)

 2006年のオフは、前年パ・リーグMVPに輝いた小笠原をFAで、実績豊富な谷はトレードで獲得。リーグ優勝を果たすが、残念ながらCSで中日に敗れて日本シリーズには進めなかった。なお、小笠原は移籍初年度にセ・リーグMVPに輝き、史上2人目の『両リーグMVP』を達成。『リーグをまたいでの2年連続MVP』は史上初の快挙だった。


▼ 2007年
主な獲得選手:ラミレス、クルーンなど
⇒ 2008年:リーグ優勝

 優勝しながらも日本シリーズに進めなかった2007年のオフは、アレックス・ラミレスにマーク・クルーン、セス・グライシンガーと日本で実績のある大物外国人を相次いで獲得。最大13ゲーム差を逆転してリーグ優勝する『メークレジェンド』を達成するも、日本一には届かなかった。


▼ 2011年
主な獲得選手:杉内俊哉、村田修一など
⇒ 2012年:リーグ優勝・日本一

 2011年のオフは、FAの目玉だった杉内と村田を獲得。投打がガッチリとかみ合い、最終的に2位に10.5ゲーム差をつけてリーグ優勝を果たすと、勢いそのまま日本一にもなった。


▼ 2016年
主な獲得選手:陽岱鋼、山口俊など
⇒ 2017年:4位

 陽岱鋼や山口のほか、ソフトバンクから森福もFAで獲得。史上初の“FA選手3人獲り”で戦力を整えるも、球団史上最悪の13連敗を喫すなど難しいシーズンとなり、Bクラスに沈んだ。


日本一は難しい……


 ここまで並べてきた“大型補強の翌年”の成績をまとめると、以下のようになる。

・日本シリーズ優勝=3/11(約27.2%)
・リーグ優勝=5/11(約45.5%)
・Aクラス=8/11(約72.7%)
・Bクラス=3/11(約27.2%)


 さすがにAクラスに入る確率は高く、約50%の確率でリーグ優勝は達成しているものの、やはりチームの目標とすれば「日本シリーズ制覇」が最も大きな目標となるだろう。それだけに、日本一が3回というのは少し物足りない気もする。

 まとめると、大型補強がチームの躍進に繋がる可能性は高いが、日本一はそう簡単ではないということだ。

 2018年はなんとか3位に入り、クライマックスシリーズでは2位・ヤクルトを破ってファイナルまで進むも、広島には力の差を見せつけられた。“打倒・広島”にかける想いはどこよりも強いことだろう。

 戦力を整えるまではフロントの仕事。あとは現場がそれをどう生かすのか。3度目の登板となった原監督の手腕に注目が集まる。


文=中田ボンベ@dcp


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