コラム 2019.02.11. 12:30

ロッテ浮上のカギを握る若手先発投手の台頭

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ケガからの復活を期す佐々木千隼(C)KYODO NEWS IMAGES

エース格ふたりはさすがの存在感


 ここ2年は6位、5位と苦しい戦いが続いているロッテ。逆襲を期す井口体制2年目の今季は、春季キャンプの前に一軍・二軍のメンバー振り分けを行わず、キャンプ初日にいきなり行う紅白戦の結果をもってメンバーを決めるという異例の施策に打って出た。

 開幕一軍をめざす若手選手たちにとって重要な紅白戦だが、そこで存在感を発揮したのがローテーションの柱である涌井秀章と石川歩のふたりだ。

 先にマウンドに登った石川が先頭の岡大海から空振り三振を奪うと、そのまま危なげなく三者凡退で降板。一方の涌井も内野安打こそ1本許したものの、問題なく無失点で投げ終えた。キャンプ序盤は投手有利とはいえ、ベテランながらキャンプ初日から上々の仕上がり具合を見せて首脳陣を安心させている。

 ロッテの先発陣を見渡してみると、このふたりに加えて昨季13勝(2敗)と来日1年目から結果を残したマイク・ボルシンガーの3本柱が軸。この3人が額面通りのはたらきを見せれば、まず大崩れはないだろう。


 そうなると、より上位での争い、もっと言うと優勝争いというところを狙っていくうえでは、そこに続く4番手以上の奮闘が重要になる。

 現時点で4番手の筆頭候補となるのが有吉優樹だ。2016年のドラフト5位でロッテに入団し、初年度は中継ぎとして53試合に登板。2勝5敗と3つ負け越したものの、53回1/3を投げて防御率2.87と結果を残した。そして入団2年目の昨季も中継ぎとして開幕を迎えたが、5月半ばからは先発へと転向。難なく対応してローテーションの一角に入り、最終的には6勝(5敗)をマークしている。


若手の台頭で激化するローテ争い


 有吉のほかには、ブレイクに期待がかかるフレッシュな若手たちの名前が浮かんでくる。

 まずは、3年目の種市篤暉と5年目の岩下大輝。種市は昨年のフレッシュオールスターで無失点の好投を見せると、8月以降は一軍で7試合に先発。勝ち星こそ挙げられなかったものの、これだけの機会を与えられたのは首脳陣からの期待の大きさの表れだろう。

 また、中継ぎで起用されてきた岩下も最終盤で2試合に先発。成績は1勝1敗の五分も、2試合ともにしっかりとクオリティスタートを記録している点は評価できる。


 その他には、かつてローテの一角として活躍した実績がある二木康太や、2016年ドラフト1位の佐々木千隼、同2位の酒居知史もいる。

 とくに2016年ドラフト上位組は、同期入団となる有吉と種市に遅れをとるわけにはいかない。佐々木は昨年7月に手術を受けており、今季は故障明けのシーズンとなるが、すでに投球練習は開始している。佐々木はいわゆる“外れ1位”だったとはいえ、再入札時には5球団が競合した逸材である。その右腕にかかる期待は大きい。


浮上のカギを握る若手先発投手たちの奮闘


 昨季のロッテを振り返ってみると、チーム防御率4.04はリーグ5位の成績。どちらかと言えば打率.247(リーグ4位)、78本塁打(リーグ6位)という貧打に目が行きがちだが、実際のところ投打ともに苦しい戦いを強いられている。

 オフには広島からFA宣言した丸佳浩の獲得こそ叶わなかったものの、大砲候補としてMLB通算35本塁打のケニス・バルガスを補強。また、年明けには昨季まで日本ハムでプレーしていたブランドン・レアードを獲得した。長年の課題であった長打力不足の解消へ向けて、頼もしいピースが加わっている。

 一方の投手陣では守護神候補のジョシュ・レイビンと、かつてDeNAでプレーしていたブランドン・マンを獲得。このように、野手・投手ともに外国人選手で戦力を整えてきた。

 ドラフトでは、世代最強打者の呼び声高い高卒外野手・藤原恭大(大阪桐蔭高)の獲得に成功。2位で投手の東妻勇輔(日体大)を指名しているが、どちらかといえばリリーフタイプの投手であり、新戦力を振り返っていくと先発陣の補強はほとんどなかった。逆に言えば、井口資仁監督はじめ首脳陣、フロントが「先発投手の駒は揃っている」と判断しているということなのだろう。

 狙い通りに3本柱に次ぐ投手が台頭してくれば、一気にダークホースとなる可能性も秘めるチームには違いない。3年ぶりのAクラス入りのカギを握る“4番手以降の先発投手”の奮闘に注目だ。



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