コラム

究極の遅咲き――30歳を越えてからブレイクスルーした投手たち

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日本ハム・斎藤佑樹

正念場を迎える斎藤佑樹


 オープン戦も開幕し、2019年のシーズン開幕まで残りわずか。そんななかで好投を続けているのが、今季プロ9年目を迎えた日本ハムの斎藤佑樹である。

 高校時代には、「ハンカチ王子」という愛称で一躍時の人となった斎藤は、2011年にプロ入り。1年目には6勝を挙げるも、その後は故障等にも見舞われる不運もあり、成績は年々下降している。昨季までの通算成績は、15勝24敗。入団当時の期待値を考えると、かなり寂しい数字である。

 しかし、今季は初の対外試合となる韓国のNCダイノス戦で開幕投手を務めると、2回を無失点で切り抜け、続く楽天との練習試合でも3回を投げて1安打無失点というピッチングを披露。球威はなくとも、丹念にコースを突く投球で相手打者を抑えている。

 そんな斎藤も今年の6月で31歳。一般的に考えると、ここからのブレイクスルーはかなり厳しいようにも思えるが、過去には30歳を超えてからブレイクした投手もいる。


一躍、エース投手に成長した能見篤史


 今回調べたのは、斎藤佑樹と同じく20代の時点で通算「20勝以下 or 100試合未満の登板数」、シーズン「10勝以上 or 50試合以上の登板数」がない投手で、30歳以降のシーズンにキャリアハイを叩き出した選手(外国人選手を除く)である。

 過去10シーズン(2009年~2018年)で見ると、計13名を数えた。まずは、2009年から2013年までの選手たちを見ていきたい。

【2009年】
▼ 能見篤史(阪神)当時30歳(プロ入り5年目)
2009年成績:28試合登板 13勝9敗 防御率2.62
前年までの通算成績:88試合登板 10勝9敗11H 防御率5.23

【2010年】
▼ 藤田太陽(西武)当時30歳(プロ入り10年目)
2010年成績:48試合登板 6勝3敗19H 防御率3.91
前年までの通算成績:71試合登板 7勝9敗3S4H 防御率3.95

【2011年】
▼ 吉川輝昭(ソフトバンク)当時30歳(プロ入り8年目)
2011年成績:40試合登板 0勝0敗6H 防御率2.41
前年までの通算成績:74試合登板 1勝6敗1H 6.83

▼ 岡本篤志(西武)当時30歳(プロ入り8年目)
2011年成績:49試合登板 5勝1敗7S11H 防御率2.11
前年までの通算成績:68試合登板 3勝5敗1S10H 防御率6.45

【2012年】
▼ 河内貴哉(広島)当時30歳(プロ入り13年目)
2011年成績:28試合登板 1勝0敗3H 防御率2.08
前年までの通算成績:91試合登板 14勝26敗13H 防御率5.30

▼ 筒井和也(阪神)当時31歳(プロ入り9年目)
2012年成績:58試合登板 2勝1敗2S18H 防御率3.24
前年までの通算成績:89試合登板 2勝4敗6H 防御率4.23

【2013年】
▼ 服部泰卓(ロッテ)当時31歳(プロ入り6年目)
2013年成績:51試合登板 2勝1敗20H 防御率3.38
前年までの通算成績:13試合登板 0勝0敗 防御率13.50

 ほとんどの投手が中継ぎ投手として開花しているが、そのなかでも一際目立つのが能見篤史。プロ入り当初は主に中継ぎで投げていたが、プロ入り5年目の2009年に先発ローテーション入りを果たすと、一気に13勝を挙げて台頭。昨季までに通算102勝を挙げるチームの主戦投手になった。


セットアッパーへの転身が道筋!?


 続いて、2014年から2018年までの5年間を見ていく。

【2015年】
▼ 岡本洋介(西武)当時30歳(プロ入り6年目)
2015年成績:42試合登板 1勝2敗6H 防御率4.35
前年までの通算成績:65試合登板 6勝11敗6H 防御率4.39

▼ 白仁田寛和(オリックス)当時30歳(プロ入り8年目)
2015年成績:43試合登板 2勝2敗2H 防御率3.29
前年までの通算成績:6試合登板 1勝0敗1H 防御率3.00

中澤雅人(ヤクルト)当時30歳(プロ入り6年目)
2015年成績:35試合登板 1勝2敗3H 防御率3.03
前年までの通算成績:54試合登板 10勝12敗4H 防御率5.09

【2016年】
須田幸太(DeNA)当時30歳(プロ入り6年目)
2016年成績:62試合登板 5勝3敗23H 防御率2.68
前年までの通算成績:71試合登板 11勝14敗1S3H 防御率4.93

▼ 山中浩史(ヤクルト)当時31歳(プロ入り4年目)
2016年成績:22試合登板 6勝12敗 防御率3.54
前年までの通算成績:36試合登板 6勝4敗1H 防御率4.45

【2017年】
桑原謙太朗(阪神)当時32歳(プロ入り10年目)
2017年成績:67試合登板 4勝2敗39H 防御率1.51
前年までの通算成績:87試合登板 4勝8敗2H 防御率4.34

 近年もっとも成功を収めたであろう桑原謙太朗を筆頭に、中継ぎ投手の活躍が目立った。20代の頃に故障で戦線離脱を余儀なくされたり、チームの選手層の厚さから出番が少なかった選手たちが活躍の場を与えられたことで奮起するというケースがが多い。果たして、斎藤佑樹は今年こそブレイクスルーすることはできるのだろうか。その活躍を楽しみに待ちたい。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)
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