2019.03.10 12:00 | ||||
オリックス・バファローズ | 7 | 終了 | 5 | 北海道日本ハムファイターズ |
京セラD大阪 |
圧巻の2打席連発&3戦連発
大田泰示(日本ハム)の勢いが止まらない。3番・右翼で先発出場した3月10日のオリックスとのオープン戦では、2打席連続本塁打にふたつの四球を選び、全4打席で出塁を果たした。
この日、最初の本塁打が飛び出したのは3回、榊原翼の直球をとらえた。外角高めの甘いボールだったとはいえ、それを逆方向の右中間スタンドに放り込み、持ち前のパワーを見せつけると、5回にはドラフト3位ルーキー・荒西祐大の真ん中に入ってきたスライダーを引っ張り上げる。今度は左中間上段席に2打席連続となるアーチをかけた。
これで大田は3試合連続で本塁打を記録。オープン戦6試合で早くも4本塁打に到達し、この数字は当然オープン戦本塁打ランキングのトップである。日本ハム移籍後の2年間で見事に才能を開花させた大田だが、今季はさらにもうひとつレベルを上げた姿を見せてくれるかもしれない。
そこで、今季の大田の成績を占う意味で、過去5年におけるオープン戦本塁打王のシーズン成績を振り返ってみたい。
【過去5年のOP戦本塁打王とシーズン成績】
▼ 2018年 6本塁打
バレンティン(ヤ)/142試合、打率.268、38本、131打点
▼ 2017年 4本塁打
白崎浩之(De)/ 34試合、打率.185、0本、4打点
髙山 俊(神)/103試合、打率.250、6本、24打点
大谷翔平(日)/ 65試合、打率.332、8本、31打点
ダフィー(ロ)/ 54試合、打率.201、6本、18打点
▼ 2016年 5本塁打
柳田悠岐(ソ)/120試合、打率.306、18本、73打点
▼ 2015年 5本塁打
ミレッジ(ヤ)/24試合、打率.211、1本、9打点
▼ 2014年 4本本塁打
バレンティン(ヤ)/112試合、打率.301、31本、69打点
柳田悠岐(ソ)/144試合、打率.317、15本、70打点
ブレイク前夜の柳田もOP戦本塁打王に
試合数そのものが少ないうえ、チームによって試合数が異なるオープン戦とあって、意外な選手の名前も見られる。これには、実績のある選手はそれほど多く打席に立たないケースがあることも影響しているだろう。とはいえ、バレンティン(ヤクルト)や柳田悠岐(ソフトバンク)という日本球界を代表するスラッガーが名を連ねていることも事実だ。
なお、柳田はブレイク直前だった2013年にも6本塁打でオープン戦本塁打王となっている。その後の活躍はいまさら述べるまでもないだろう。また、2018年にはバレンティンには及ばなかったものの、巨人の中軸打者へと急成長を果たした岡本和真も4本塁打を放っており、オープン戦の本塁打数は覚醒の予兆を感じさせる部分もある。
すでに巨人時代とは別人のように成長し、チームの中心選手のひとりとなった大田。遅咲きだったこともあり、年齢はすでに28歳。6月には29歳になる。個人差があるとはいえ、プロ野球選手として多くの選手がピークを迎える時期に差し掛かっているといえるだろう。今季の大田がさらに進化した姿を見せてくれるのか、開幕を楽しみにしたい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)