2019.04.13 14:00 | ||||
埼玉西武ライオンズ | 3 | 終了 | 10 | オリックス・バファローズ |
メットライフ |
オリ熱コラム2019~第7回・山崎福也~
埼玉県所沢出身の左腕が13日の西武戦で、“地元”での初白星を手にした。
明治大学時代は大学ナンバーワン投手として活躍し、2014年のドラフト1位でオリックスに入団した山崎福也だったが、過去4シーズンは思うような結果を残せず、きょうの試合はリリーフでの登板。チームの2番手としてメットライフドームのマウンドに上がり、4回を投げて強力西武打線を「0」点に抑えた。
「やっと西武から白星をつけることが出来ました。テンポ良く投げられたし、いい準備もできている。四球でランナーを出しても崩れることなく、それが精神的な支えになってると思います」
自らも確かな手ごたえを感じているだが、山崎のピッチングが明らかに変わったことを感じたのは、春季キャンプ中の2月17日に行われた紅白戦だった。1イニングを無失点に抑え、清武SOKKENスタジアムのスピードガンは146キロを計測。カーブにもより磨きがかかり、西村徳文監督も「昨年よりもスピードがいい。左の先発は欲しい。そこに入ってくるものがある」と高評価を与えていた。
山崎が示す「継続は力なり」
山崎のターニングポイントになったのが、昨年8月に知人を介して食事をした菊池雄星(現マリナーズ)との出会い。山崎はトレーニング方法に関してなど、菊池を質問攻めにし、「やっぱこれぐらいやってるんだな」と練習量の差を痛感。「この人がこれだけやってるなら自分はもっとやらなきゃダメだ。強い体を作ろう」と一念発起し、オフに入るとトレーニングに着手。ここで山崎をサポートしたのが、今季からファームで指揮を執っている中嶋聡二軍監督だ。中嶋監督は体の使い方を、山崎の視線でわかりやすく教えてくれたという。
「秋の残留練習で中嶋さんと出会えたのが本当に大きくて、『手首に力が入ったな」とか、『もっと上を見ろ!』とか細かいアドバイスをしてくれた。87キロだった体重が、95キロくらいになりました。タンパク質をとることの重要性がわかったので、もっとやろうって。その結果、体も大きくなったんです」
山崎はデビューイヤーから「継続」をテーマに掲げており、それがようやく「実」になりつつある。背番号が「0」になった昨年は、入団以来はじめて勝ち星も「0」に終わった。しかし、プロ5年目になってようやく、本来の力が開花しようとしている。
「1年間一軍にいればおのずと結果は出てくる。いままでやってきたことを信じて継続し続ける。先発を狙っていますが、まずは1年間一軍で投げたい。そうすれば来年以降、先発に戻るチャンスも来るかもしれない。後ろで投げてみて、『行けるな』という思いもでてきた」
投球フォームを改造し、バランスも改善、テンポ良くストライク先行の攻めのピッチングが出来るようになった。昨年末までは「あくまでも先発で!」と、こだわりを見せていたが、いまはリリーフとして結果を出すことに集中している。肉体改造により、背番号が小さく見えるほど大きくなった背中に、5年目の飛躍を期待したい。
取材・文=どら増田