地区唯一の借金生活
エンゼルスの大谷翔平が現地時間19日(日本時間20日)、本拠地であるエンゼルスタジアムで打撃練習を公開。右肘の手術後初となるフリー打撃では33スイング中9本の柵越えを放つなど、ブランクを感じさせないパワフルな打撃を見せた。
大谷を欠くエンゼルスはここまで8勝12敗。ア・リーグ西地区で最下位に低迷している。首位のアストロズが13勝6敗の貯金7を誇り、ゲーム差なしの2位につけているのがマリナーズ。さらに3位のレンジャーズも貯金が2つあり、4位のアスレチックスは勝率5割。そう、この地区で借金生活はエンゼルスだけなのだ。
早ければ5月上旬にも大谷が打者として復帰する予定だが、その前にひとつでも借金を減らし、できれば勝率を5割に戻して大谷復帰といきたいところだろう。
今季の「指名打者成績」、長打率はわずか.203
今季のエンゼルスはというと、チーム防御率がア・リーグ9位、1試合平均得点が同11位と投打ともに苦しんでいる。大谷は今季投手として復帰する可能性はないため、打者として残り120試合前後で昨季以上の数字が期待される。
エンゼルスにとって、打者・大谷の存在は得点力アップに欠かせない存在となるだろう。今季のエンゼルスは、開幕から指名打者(DH)で起用した選手が全く結果を出せずにいる。20試合を終えて、指名打者で起用された選手は4人。各選手のDHでの成績は以下の通りだ。
▼ 2019年エンゼルス・指名打者の打撃成績
11試合 アルバート・プホルス=率.222(36-8) 本0 点3
5 試合 マイク・トラウト=率.188(16-3) 本0 点0
1 試合 ジョナサン・ルクロイ=率.000(4-0) 本0 点0
1 試合 ケバン・スミス=率.000(3-0) 本0 点1
ご覧のように、今季のエンゼルスにおける指名打者の成績は壊滅的だ。何と言っても、打撃力が求められるにもかかわらず、本塁打が1本も生まれていない。これは指名打者制を採用するア・リーグではエンゼルスとタイガースの2球団だけだ。
4打点というのもタイガースの3打点に次いで少なく、打率(.186)もブルージェイズに次いでリーグワースト2位。出塁率こそリーグ7位の.338とまずまずだが、長打率はワーストの.203である。
昨季のエンゼルスは、大谷が82試合に指名打者として出場。チーム全体の指名打者成績は打率がア・リーグ4位、出塁率が同5位、長打率は同3位と好成績を残していた。昨季は7人がエンゼルス打線で指名打者に入ったが、その中でも大谷の成績がずば抜けていたことは言うまでもない。
エンゼルスの得点力不足解消のためにも、大谷の一日も早い復帰が待たれる。
▼ エンゼルス・指名打者の打撃成績比較
2018年:152試合 率.267 本33 点97 出塁率.344 長打率.497
2019年:18 試合 率.186 本0 点4 出塁率.338 長打率.203
文=八木遊(やぎ・ゆう)