コラム 2019.09.16. 12:30

西武に先がけて“国産打線”による「20本塁打5人」を達成した01年巨人

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西武・秋山翔吾 (C)KyodoNews

西武に「20発クインテット」誕生


 9月13日のロッテ戦、秋山翔吾(西武)のバットがチームの勝利を決定づけた。4点リードで迎えた6回、二死二塁の場面で秋山は酒居知史(ロッテ)の高く浮いたボールを逃さずバットを鋭く振り抜く。弾かれた打球はあっという間に右翼席上段に飛び込む今季20号2ラン本塁打となった。これで秋山は3年連続での20本塁打到達。かつての安打製造機の姿から、長打力も備えたさらに怖い打者へと変貌している。

 そして、秋山がチーム5人目の今季20本塁打到達者となったことで、西武に「20発クインテット」が誕生した。山川穂高(42本)、中村剛也(29本)、外崎修汰(24本)、森友哉(22本)、秋山(20本)がその顔ぶれだ。

 この「20本塁打5人」の達成はパ・リーグでは2008年の西武以来7度目のこと。ただ、過去の6度はすべて外国人選手が含まれており、日本人のみでの達成はリーグ初の快挙だ。しかも、5人全員が生え抜き選手というから、非常に価値あるものといっていい。


巨人節目のシーズンに和製クインテット


 では、セ・リーグはどうかというと、1976年の広島(三村敏之、衣笠祥雄、水谷実雄、山本浩二、ホプキンス、シェーン)、2004年の巨人(ローズ、小久保裕紀、阿部慎之助、高橋由伸、ペタジーニ、仁志敏久)の「20本塁打6人」が最多だ。

 そして、2001年の巨人は今季の西武に先がけて国産打線での「20本塁打5人」を達成している。そのメンバーは、松井秀喜(36本)、江藤智(30本)、清原和博(29本)、高橋(27本)、仁志(20本)。ちなみに、この年の開幕スタメンは、1番・仁志(二)、2番・二岡智宏(遊)、3番・高橋(右)、4番・松井(中)、5番・清原(一)、6番・江藤(三)、7番・清水隆行(左)、8番・阿部(捕)、9番・上原浩治(投)というまさに豪華な顔ぶれだ。

 また、この年は2度目の長嶋茂雄監督体制の最終年だった。この年限りで長島監督は勇退して終身名誉監督に就任。翌年に原辰徳監督が誕生し、現在につながる名将としての道を歩みはじめる節目となったシーズンでもある。そういう意味でも、ひいき球団によらず、この頃の巨人が強く印象に残っているという野球ファンは多いだろう。

 野球ファンたちは、いまなお「あの頃の巨人打線はすごかった」と野球談義を楽しむことが多い。そして、今季の西武もまた、いずれ「あの頃の西武打線はすごかった」とファンたちに語られるはずだ。球史に残る西武強力打線をリアルタイムで目のあたりにできているのは、幸せなことである。
※数字は9月15日終了時点


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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