2019.10.06 14:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 6 | 終了 | 4 | 阪神タイガース |
横浜 |
CS第2戦の土壇場で一時同点とする完璧な一発
10月6日、DeNAと阪神によるセ・リーグCSファーストステージ第2戦は、前日の第1戦に続いて劇的な展開となった。第1戦で6点差をひっくり返す逆転勝利を収めた阪神に対し、第2戦はDeNAがレギュラーシーズン2位の意地を見せ、乙坂智の代打サヨナラ2ランによりCSファイナルステージ進出に逆王手をかけた。
2試合連続で両チームとも2ケタ安打を記録する乱打戦となったが、そのなかでひときわ輝きを放っていた選手のひとりが阪神の福留孝介だ。第1戦はノーヒットに終わっていた福留だったが、この日は「さすが」と思わせる打撃を披露する。
まずは5回、それまで味方打線が苦しめられていた相手先発・浜口遥大のチェンジアップをとらえ、1点差に詰め寄る右前適時打をマーク。そして、この日はさらに福留の大きな見せ場が待っていた。負けられないDeNAは、1点のリードを保ったまま、8回から守護神の山崎康晃を投入。気合十分の山崎は、8回から9回2死まで万全の内容で阪神打線を抑える。ただ、最後に待っていたのが福留だ。
9回、二死走者なしのあとがない状況で、山崎が投じた150キロの直球を完璧にとらえた打球は、右翼席上段に着弾。一時同点とする起死回生の本塁打となった。結果的にチームは敗れたものの、福留という選手の存在感をあらためて見せつけることとなった。
40代の「純粋な野手」としてはただひとり
福留は現在42歳。福浦和也(ロッテ)の引退により、来季は日本球界最年長となる。
来季に向けた契約を更新することを前提で考えると、来季40代で迎える野手は、福留の他に石原慶幸(広島)と細川亨(ロッテ)もいるが、ふたりのポジションは捕手だ。他のポジションと比べれば、それこそ経験がものをいう特殊なポジションである。そういう意味では、40代の純粋な意味での野手となると、福留ただひとりになると言っていいだろう。
しかも、福留の場合、ただ長く現役を続けているわけではない。バリバリの中軸打者として結果を残し続けている。また、この日の活躍でも示しているように、ゲーム終盤の勝敗を決するような場面では、数字以上の勝負強さ、怖さがある。まさに、まだまだ健在だ。
中年に差しかかった野球ファンからすれば、年上や「同学年」のプロ野球選手が次々と球界を去っていくことに、若いときには想像もしていなかった寂しさを感じるものだ。福留にもいつか「その日」は訪れるだろうが、同世代の野球ファンのためにも、1年でも1日でも長く活躍を続けてもらいたい。
▼ 福留の通算成績
<NPB>
99年:中日 132試合 率.284/16本/ 52点
00年:中日 97試合 率.253/13本/ 42点
01年:中日 120試合 率.251/15本/ 56点
02年:中日 140試合 率.343/19本/ 65点
03年:中日 140試合 率.313/34本/ 96点
04年:中日 92試合 率.277/23本/ 81点
05年:中日 142試合 率.328/28本/103点
06年:中日 130試合 率.351/31本/104点
07年:中日 81試合 率.294/13本/ 48点
<MLB>
08年:CHC 150試合 率.257/10本/58点
09年:CHC 146試合 率.259/11本/54点
10年:CHC 130試合 率.263/13本/44点
11年:CHC 87試合 率.273/3本/13点
11年:CLE 59試合 率.249/5本/22点
12年:CWS 24試合 率.171/0本/4点
<NPB>
13年:阪神 63試合 率.198/6本/31点
14年:阪神 104試合 率.253/9本/34点
15年:阪神 140試合 率.281/20本/76点
16年:阪神 131試合 率.311/11本/59点
17年:阪神 127試合 率.263/18本/79点
18年:阪神 123試合 率.280/14本/72点
19年:阪神 104試合 率.256/10本/47点
――――
NPB:1866試合 率.291/280本/1045打点
MLB: 596試合 率.258/ 42本/ 195打点
――――
通算:2402試合 率.283/322本/1240打点
※CHC=シカゴ・カブス
※CLE=クリーブランド・インディアンス
※CWS=シカゴ・ホワイトソックス
文=清家茂樹(せいけ・しげき)