◆ 下馬評ではアストロズ優位も

 注目のワールドシリーズは第4戦を終えて、2勝2敗のタイとなった。ナショナルズがシリーズ開幕から敵地で2連勝したのに続き、今度はアストロズが敵地で2連勝。内弁慶ならぬ外弁慶シリーズとなっている。

 最後にビジターチームが開幕から4連勝したワールドシリーズは1996年までさかのぼる。その年は、ヤンキースとブレーブスが激突。ニューヨークで行われた第1戦と第2戦をブレーブスが勝利したが、その後アトランタに場所を移し、今度はヤンキースが敵地で3連勝。ニューヨークに戻った第6戦をヤンキースが制し、4勝2敗で世界一に輝いた。

 今年のワールドシリーズは、今のところ23年前と同じ道のりをたどっている。アストロズとしてはその時と同じホームで2連敗から4連勝を飾り、地元ヒューストンで2年ぶりの美酒を味わいたいところだろう。

 今年で115回目を迎えるワールドシリーズの長い歴史において、ビジターチームが初戦から5連勝を飾ったのは1996年と1906年の2回だけ。ビジターチームが6連勝を記録したことは一度もない。第5戦をアストロズが、第6戦をナショナルズが勝利すれば、ワールドシリーズ史上初めての出来事になる。

 一方で、開幕からホームチームが7連勝した“内弁慶シリーズ”はワールドシリーズ史上3度起こっている。1987年にツインズとカージナルス、1991年にはツインズとブレーブス、そして2001年にダイヤモンドバックスとヤンキースが内弁慶シリーズを完遂している(いずれも前者がシリーズ制覇)。

 果たして、今年のワールドシリーズは前評判が高かったアストロズが2連勝の勢いそのままにナショナルズを押し切るのか――。それともナショナルズがワシントンのファンに待望の1勝をプレゼントし、ヒューストンで“下克上”を果たすのか――。

 ビジターチームが7連勝という珍事の可能性も残る中、どちらのチームが第5戦を制し、世界一に王手をかけるのか、注目の第5戦は日本時間28日の9時から。先発は、メジャーで10年連続2ケタ勝利を記録し、今季もポストシーズンの4試合で3勝を挙げているシャーザー(ナショナルズ)と、今季20勝(5敗)を挙げて防御率2.50を記録したコール(アストロズ)。どのような結果に終わるのか注目だ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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