人々がバファローズに最も関心を持った日は…?
世界中の検索傾向がわかるGoogleトレンド。各球団名の検索回数を日ごとに集計し、今年3月の開幕からレギュラーシーズン終了までの約半年間で“最も検索回数が多かった日”をトップ3形式にまとめ、球団ごとに振り返っていく。
新指揮官に西村徳文監督を迎え、上位進出を目指したオリックスの2019年。ところが、今年は開幕から1度も勝率5割を超えることができず、3年ぶりのリーグ最下位に沈んだ。これでBクラスは5年連続。2000年以降の直近20シーズンでAクラス入りしたのは2回(2008・2014)だけと、長い低迷から脱することができない。
それでも、今季は観客動員数が大幅に増えており、前年比8.2%の増加はパ・リーグ最高の数字。苦しい戦いの中でも、山本由伸や山岡泰輔といった若き力がタイトルを獲得するなど、様々な希望も見られた1年だったのはたしかだ。
そんなオリックスの日付別検索回数・トップ3は以下の通り。
1位 6月1日(対日本ハム)
2位 6月15日(対阪神)
3位 6月16日(対阪神)
▼ 6月1日:延長12回の激闘の結末は…?
2019年・オリックスの検索回数1位は、6月1日の日本ハム戦。前日まで5連勝中と勢いに乗る相手に対し、オリックスは3連敗中。対照的な両チームによる対戦だった。
オリックスは先制を許しながらも2回に一挙4点を挙げて逆転すると、8回終了時点で8-5とリード。連敗ストップへ、9回は満を持して守護神の増井浩俊をマウンドに送りこんだが、いきなり先頭の代打・平沼翔太に二塁打を浴びてピンチを招くと、西川遥輝を歩かせた後、大田泰示に痛恨の被弾。ひと振りで試合を振り出しに戻されてしまう。
増井もその後は切り替えて同点で止めたものの、試合は延長戦へ。迎えた延長12回は先頭の四球から一打サヨナラのビッグチャンスを作ったオリックスだったが、最後はあと一本が出ず。4時間28分という熱戦は8-8の引き分けに終わった。
【京セラD大阪】オリックス - 日本ハム(10回戦)
日|100 040 003 000|8
オ|040 101 020 000|8
▼ 6月15日:あざやか逆転サヨナラ勝利
2位はそれから2週間後、6月15日に行われた阪神との“関西ダービー”。初戦を取って迎えた第2ラウンドだ。
オリックスは先発の山岡泰輔が8回まで2失点という力投を見せるも、打線が阪神投手陣を前に沈黙。初回の1点以降なかなかチャンスの糸口を掴むことができず、1点ビハインドのまま9回を迎える。
阪神のマウンドにはストッパーのラファエル・ドリス。ここで先頭の代打・小島脩平が安打で出塁すると、犠打に相手のミスも絡んでチャンスが拡大すると、吉田正尚の適時打で同点。なおもチャンスにつづくステフェン・ロメロが犠飛を放ち、サヨナラの走者が生還。相手の守護神を打ち崩し、見事に逆転サヨナラ勝ちを収めた。
【京セラD大阪】オリックス - 阪神(2回戦)
神|000 101 000 |2
オ|100 000 002x|3
▼ 6月16日:“関西ダービー”3連勝に挑むも…
そして、第3位はその翌日の6月16日。“関西ダービー”の最終戦だった。
前日の劇的勝利の勢いそのままに、3連勝を目指すオリックス。4回に1点を先制すると、5回にも3本の適時打で4点を追加。試合の主導権を握る。
しかし、7回に3点を返されると、9回に増井浩俊がベテランの福留孝介に2点適時二塁打を浴びてしまい、あっという間に同点。土壇場で試合は振り出しに戻り、試合は延長戦へともつれ込む。
阪神は四球で走者をもらいながらもあと一本が出ず、オリックスもチャンスは作りながらあと一歩のところで捉えきれない展開が続き、試合はそのまま終了。阪神の3安打に対し、オリックスは13安打を放ちながらも攻めきれず、“関西ダービー”の3連勝はならなかった。
【京セラD大阪】オリックス - 阪神(3回戦)
神|000 000 302 000|5
オ|000 140 000 000|5
上述した山本由伸・山岡泰輔のほかにも楽しみな若い投手が多く台頭し、打線では吉田正尚が押しも押されぬ主軸に成長。投打の柱ができつつあるだけに、あとは周りを固める存在がどれだけ出てくるか。Bクラスからの脱却へ、土台は整いつつある。
奇しくも検索回数トップ3のうち2試合が引き分けというゲームになったが、こういった展開の試合を勝ち切ることができれば、一気の上位進出も見えてくることだろう。最下位からの逆襲なるか、注目だ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)