コラム 2019.12.04. 06:50

ヤクルト・中山翔太が1年目でつかんだ自信「フルスイングは通用する」

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来季の活躍が期待されるヤクルト・中山翔太選手【写真=別府勉】

「気がつけばもう終わった」プロ1年目


 鍛え抜かれた体で、来るべき2年目のシーズンへ挑む――。ヤクルトの中山翔太だ。

 法政大学から18年ドラフト2位でヤクルトに入団し、将来の主軸候補として期待される男は今季、35試合に出場して打率.289、5本塁打、14打点という成績を残した。

 中山にとってプロ1年目はどんなシーズンだったのだろうか。

「(春季)キャンプ中はずっとケガ(コンディション不良)で何もできなかったので、知らない間に始まって気がつけばもう終わったなという感じでした」

 あっという間に過ぎ去ったルーキーイヤー。アマチュアとは違う初めてのプロの世界で中山は何を感じ、どんな自信を得ることができたのか。さらに今後の課題についても目を向け、秋季キャンプを行っていた松山を訪れた。



課題は変化球への対応と守備・走塁


 「振り負けない力というのは、通用する部分なのかなと。(プロは)スピードボールが大学と違ってキレもいいので、そういった球にでも自分のフルスイングは通用するのかなと思いました」

 キレのある直球にも負けないフルスイング――。今季放った5本塁打のうち印象に残っている一発として、7月4日の広島戦(マツダ)でジョンソンの148キロの速球を打ち返した4号3ランを挙げてくれた。

 「あれは思い切り振ったという感じではなかったですが、あれだけ飛んだので、当たり方が良かったのかな」と、右方向へ強烈な一撃を放った。

 それでも、「ここは見直さなければいけない」と思ったのが変化球への対応力だという。

 「(プロの変化球は)大学と全然違うので、見極めや対応がまだできてない」と課題を口にすると、初めてプロの投手と対戦して印象に残った変化球について「例えば、ベイスターズの三嶋(一輝)さん。スライダーがすごくて、打席で当たる気がしなかった」と振り返る。

 長打力が魅力の中山だが、打撃だけでレギュラーをつかみ取るのは難しい。そのことは本人も十分に理解している。「どれだけ打ったとしても、守備と走塁が最低限できていないと、試合にはずっと出られないというのを感じました」と語り、一軍でレギュラーをつかむために、守備や走塁に関してもしっかりとレベルアップを図る。ヤクルトは青木宣親や雄平ら外野のレギュラー陣の高齢化が目立つだけに、中山にかかる期待は大きい。



「これからにつなげられるようなシーズンに」


 シーズン終了後は自身の課題としっかり向き合い、来季への飛躍につなげる。10月に宮崎で行われたフェニックスリーグではレフトへ豪快なアーチを描き、秋季キャンプ中に行われた練習試合でも一発を放って結果を残した。

 「打ち方をいろいろ試行錯誤しながらやっています。フェニックス(リーグ)に行く前の戸田の練習で『これいいかな』というのがあって、それを続けていたらフェニックスで打つことができたので、いまも続けています」

 その内容を尋ねてみると、身振り手振りを交えて教えてくれた。

 「僕の悪い癖で、打ちにいくときに一緒に右肩も動いてしまい、変化球の接点が少なくなってしまう」ため、トップが早く出てしまわないように残すことで、課題に挙げた変化球への対応につながるという。さらに「(右肩を)残すことによって先に(バットの)ヘッドが出るので、ヘッドが走る」効果も出てくる。

 キャンプ途中に訪れた池山隆寛二軍監督からも「振るときと振ったあとの形を意識してほしい」とのアドバイスを受け、打撃面でのさらなる向上を目指している。


 プロ入り後、初めて行う自主トレについては、「青木(宣親)さんに声をかけてもらった」と、チームの顔である青木の誘いを受けてアメリカ・ロサンゼルスでの合同自主トレに参加する予定だ。

 「初めてアメリカにも行くので、ワクワクというか、ここの自主トレで“これだ”というものを吸収したい」と、経験豊富な大先輩から教えを請うつもりだ。

 「来季は一軍に居続けるというのが最低限の目標。いまがチャンスだと思うので、しっかりとアピールして、これからにつなげられるようなシーズンにしていきたい。3割打ってホームランも30本打てるような、そういう選手になっていきたい」と力強く話してくれた。

 類まれなパワーに加え、課題に挙げた変化球への対応力が身につけば、不可能な数字ではない。来季早々とこの数字を達成する可能性もある。それだけの期待と魅力あふれる23歳だ。

 「(ファンからも)期待されているのは感じますし、それに応えられるように全力でプレーして、1試合でも多くチームの勝ちに貢献できるように頑張っていきたいなと思っています」

 今回の取材を通して、打席で見せるフルスイングのような豪快なイメージとは異なり、自身の課題に真摯に取り組んでいく“クレバー”な一面を垣間見ることができた。

 “きんに君”の愛称を持ちファンに親しまれる背番号「8」。チームを代表する選手へと成長するために、その歩みを止めることはない。



取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)

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