コラム 2019.12.18. 12:00

山口俊の2020年を占う!? 30歳超でMLBに挑戦した投手の1年目成績

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山口俊

史上最高齢でのポスティング移籍なるか


 ポスティングシステムを利用してのMLB挑戦を表明していた巨人・山口俊投手(32)のトロント・ブルージェイズ入りが報じられた。

 今オフは、筒香嘉智、秋山翔吾、菊池涼介ら日本を代表する野手がメジャーへの移籍を表明。16日(日本時間17日)には、同じくポスティングシステムによる移籍を表明していた筒香のタンパベイ・レイズ入りが正式決定し、その他の選手たちの動向にも注目が集まっていた。

 2019年シーズンの山口はまさしくエースといえる働きを見せ、26試合に登板して15勝4敗、防御率2.91。最多勝と最多奪三振、最高勝率の投手3冠を達成するなど、巨人の5年振りとなるリーグ優勝に大きく貢献。先発とリリーバー、どちらの経験もあり、メジャーでの活躍にも期待がかかる。

 関心が報じられていたレンジャーズが先発投手の補強を着々と進めていることで、撤退の可能性が囁かれていたが、先発・救援ともに選手層に不安を抱えるブルージェイズが獲得に乗り出した格好。2020年には33歳となる山口俊だが、30代に入ってからメジャーの契約を勝ち取った投手は多い。そんな先人たちは、どのような成績を残してきたのか――。

 過去の事例から移籍先が決まった山口の今後を占っていきたい。


活躍はリリーフが主に?


 日本のプロ野球から、30歳を過ぎてメジャーのチームへ移籍した投手はこれまで26名。そこで今回は、直近の10年(2010年~2019年)に移籍した8名の成績(※現役選手のメジャー通算成績は2019年終了時点)を見ていく。

▼ 五十嵐亮太(ヤクルト⇒メッツ)
<2010-12>
移籍初年度の年齢:30歳
メジャー1年目成績:34登板 1勝1敗 2H 防御率7.12
メジャー通算成績 :83登板 5勝2敗 4H 防御率6.41

▼ 岩隈久志(楽天⇒マリナーズ)
<2012-17>
移籍初年度年齢:31歳
メジャー1年目成績:30登板 9勝5敗 2S 防御率3.16
メジャー通算成績:150登板 63勝39敗 2S 防御率3.42

▼ 高橋尚成(巨人⇒メッツ)
<2010-13>
移籍初年度年齢:34歳
メジャー1年目成績:53登板 10勝6敗 8S 3H 防御率3.61
メジャー通算成績:168登板 14勝12敗 10S 13H 防御率3.99

▼ 建山義紀(日本ハム⇒レンジャーズ)
<2011-12>
移籍初年度年齢:35歳
メジャー1年目成績:39試合登板 2勝0敗 1S 4H 防御率4.50
メジャー通算成績:53試合登板 3勝0敗 1S 4H 防御率5.75

▼ 平野佳寿(オリックス⇒ダイヤモンドバックス)
<2018->
移籍初年度年齢:34歳
メジャー1年目成績:75試合登板 4勝3敗 3S 32H 防御率2.44
メジャー通算成績:137試合登板 9勝8敗 4S 47H 防御率3.47

▼ 藤川球児(阪神⇒カブス)
<2013-15>
移籍初年度年齢:32歳
メジャー1年目成績:12試合登板 1勝1敗 2S 1H 防御率5.25
メジャー通算成績:29試合登板 1勝1敗 2S 1H 防御率5.74

▼ 牧田和久(西武⇒パドレス)
<2018-19>
移籍初年度年齢:33歳
メジャー1年目成績:27試合登板 0勝1敗 2H 防御率5.40
メジャー通算成績:27試合登板 0勝1敗 2H 防御率5.40

▼ 和田毅(ソフトバンク⇒カブス)
<2012-15>
移籍初年度年齢:30歳
メジャー1年目成績:登板なし
メジャー通算成績:21試合登板 5勝5敗 防御率3.36

 故障に泣いた和田毅、藤川球児以外は移籍初年度に30試合以上に登板するなど一定の出場機会を与えられているが、その多くはリリーフでの起用となっている。9勝を挙げた岩隈久志も、30登板のうち先発での起用は半数の16試合だった。

 そして、この期間で唯一2桁勝利を挙げている高橋尚成はというと、メジャー昇格当初は先発起用が多かったが夏場からはブルペンへと配置転換。先発での防御率は5点台と打ち込まれたものの、リリーフでは安定したピッチングを見せていた。その他にも、平野佳寿は1年を通じてセットアッパーとして活躍。自己最多となる75試合に登板するなど好成績を残している。

 山口自身は先発を希望しているようだが、かつてクローザーを務めた経験を考慮すると、中継ぎでの起用が増える可能性も考えられる。

 補足になるが、1年目は通用しても2年目以降は成績を落とすケースが目立ち、メジャーの舞台で4年以上投げられたのは岩隈と高橋尚成の2名のみと、30歳を過ぎた投手たちにとってメジャーの世界は甘くないようだ。

 山口の新天地となるであろうブルージェイズは、アメリカン・リーグの東地区に所属し、田中将大が所属するヤンキースや、筒香のレイズと同地区になる。近年は3年連続で同地区4位と苦しむチームのなかで、どのような活躍を見せるのか、注目したい。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)
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※この記事は日本時間18日の8時に公開されたものですが、山口俊投手の契約合意報道を受け、一部内容を加筆修正しております。

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