2020年ブレイク予想「宜保翔」
オリックスは昨年のドラフトで大城滉二の後輩にあたる興南高の左腕、宮城大弥をドラフト1巡目で指名。チーム内の“沖縄出身率”が徐々に上がっている。そんな沖縄出身率の上昇を喜んでいるのが、昨年のドラフト会議で5巡目に指名され、未来沖縄高からオリックスに入団した宜保翔(ぎぼ・しょう)だ。
沖縄出身の宜保は、昨年の秋季キャンプで初めて高知を訪れた際、「甘く見てました」と、日中と夜の寒暖差に驚き、厚手の衣類を持ってこなかったことを反省。沖縄人らしさをうかがわせたが、高知キャンプではストイックにバットを振り込み、練習に打ち込む姿が目立っていた。
高卒1年目で一軍デビュー
その後、安達了一の脳震盪による登録抹消特例措置により、宜保が再昇格。再びチャンスを掴みソフトバンク戦でスタメンで起用されると、第1打席で高橋礼から二塁打(三塁走塁死)を放ち、プロ初安打を記録した。
最終的に今シーズンは8試合に出場し、打率.231(26-6)、本塁打、打点、盗塁は「0」。シーズン終了後にはフェニックスリーグに参加したが、そこでは「自分の試したいことを試せた」と、バッティングのタイミングの取り方や体重移動に関して試行錯誤したことを明かす。
ルーキーイヤーに一軍を経験できたのは大きかったようで、フェニックスで試したことを高知キャンプではひとつずつ再確認。キャンプが終わるとウィンターリーグが行われた台湾に飛び、「一歩目から最短でボールを捕りにいけるようになったことが収穫」と、守備面での手応えを口にした。
高卒2年目野手が掲げる一軍定着
プロ2年目のシーズンに向けて、目標は「一軍定着」と明確なビジョンを掲げる。オリックスの内野手は、安達了一、西野真弘、福田周平の他に、同期の太田椋や中川圭太、そして今年のドラフトでも紅林弘太郎という大型内野手が入団した。
内野手登録の外国人選手も2人在籍しており、外野手に転向した宗佑磨にも、内野に戻ってくる可能性があるなど、レギュラー争いは熾烈だ。そんな中、「パワーやスピードの差を感じた」1年目の課題をクリアしていくため、今年は12月まで実戦の中に身を置いて体を動かした。
ここから2月の春季キャンプでの一軍スタートを目指し、体づくりを行っていく。高卒2年目ながら、ライバルひしめく内野のポジションで「一軍定着」の足掛かりをつかめるのか――。高みを見据える新成人の飛躍に期待したい。
文=どら増田