命運握る!?助っ人たち
キャンプインを前にした1月の最終週には、各地から各球団の助っ人外国人が来日し、新外国人選手たちの入団会見などが行われた。
1月26日には、オリックスに新加入したアダム・ジョーンズが来日。メジャー通算1939安打、282本塁打を誇り、ゴールドグラブ賞に4度、シルバースラッガー賞に1度輝いた大物助っ人ということもあり、大きく報じられた。まだ開幕までのあいだに新たな補強をするチームがあるかもしれないが、現時点ではほぼ「出そろった」と見ていいだろう。
野球ファンなら当然、ひいき球団の新外国人選手には注目しているだろうが、ライバル球団に加わった選手についてはあまり知らないということもあるかもしれない。「助っ人」とも称されるように、外国人選手の出来がチームのシーズン成績を大きく左右することも少なくない。
今季の成績を占う意味でも、新外国人選手の2019年成績を振り返ってみたいと思う。ちなみに、セ・リーグ新外国人投手の前年度成績(※マイナーとメジャーの経験がある投手はメジャーの成績のみ記載)は以下のとおり。
【12球団新外国人投手2019年成績】
▼ 巨人
エンジェル・サンチェス(韓国SK)
28試合(165回)17勝5敗 148奪三振 防御率2.62
チアゴ・ビエイラ(ホワイトソックス)
6試合(7回)1勝0敗 8奪三振 防御率9.00
▼ DeNA
マイケル・ピープルズ(インディアンス3A)
25試合(144回2/3)10勝6敗 122奪三振 防御率3.98
▼ 阪神
ジョン・エドワーズ(インディアンス)
9試合(8回)2勝0敗 5奪三振 防御率2.25
ロベルト・スアレス(ソフトバンク)
9試合(26回2/3)0勝4敗 27奪三振 防御率5.74
ジョー・ガンケル(マーリンズ3A)
19試合(87回2/3)8勝2敗 61奪三振 防御率3.80
▼ 広島
テイラー・スコット(マリナーズ、オリオールズ)
13試合(16回1/3)0勝0敗 14奪三振 防御率14.33
DJ.ジョンソン(ロッキーズ)
28試合(25回)0勝2敗 24奪三振 防御率5.04
▼ 中日
ルイス・ゴンサレス(オリオールズ3A)
23試合(29回)1勝4敗 40奪三振 防御率8.69
▼ ヤクルト
マット・クック(ダイヤモンドバックス)
9試合(20回2/3)0勝0敗 9奪三振 防御率9.15
ガブリエル・イノーア(オリオールズ)
36試合(110回2/3)1勝10敗 67奪三振 防御率5.61
韓国での実績に高まる期待
注目度の高さでは、巨人のエンジェル・サンチェスが挙げられるだろう。昨季、最多勝、最多奪三振、最高勝率の投手三冠に輝いた山口俊が抜けた穴を埋めることが期待されている。
2017年にパイレーツでメジャーデビューを飾ったサンチェスは、同年11月から韓国SK入りし、昨季は28試合165回を投げて、17勝5敗、148奪三振、防御率2.62と好成績を残している。リーグの違いはあるが、「打高投低」といわれる韓国球界での数字と考えると、ファンの期待値も高まるだろう。
近年の球界のトレンドであるパワーカーブを操る点で注目したいのがDJ・ジョンソン(広島)だ。パワーカーブを武器に昨季のセ・リーグを席巻したのは、「PJ」との呼び名で親しまれたピアース・ジョンソン(パドレス)。惜しまれながらわずか1年で阪神を退団したPJだが、その活躍ぶりは虎党のみならず野球ファンに強く印象づけられている。
今季は広島の新たな「ジョンソン」のパワーカーブが、球界の話題をさらうことになるのだろうか――。その球質に注目したい。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)