高まる新外国人への期待値
ようやく野球ファンが待ちに待った瞬間が訪れた。2月1日、12球団がそろってキャンプイン。これから、各球団は2020年シーズンを勝ち抜くために戦力アップに努めることとなる。
しかしながら、短期間でのキャンプおいて出来得る戦力アップは限られたもの。そう考えると、現有戦力の底上げは大前提だが、新戦力にかかる期待はやはり大きくなる。その新戦力にはFA移籍した選手や即戦力ルーキーも含まれるが、期待値の高さという点ではやはり新外国人に注目が集まるところだ。
とくに、レギュラーに定着すれば常に試合に出場し続ける野手は、ひとりの新外国人の存在が打線の力やスタイルを大きく変えることもよくあること。そこで、12球団の新外国人野手について、その力量を測るべく、2019年シーズンの成績を振り返ってみたい。今回は、セ・リーグの新外国人選手たち。
【12球団新外国人投手2019年成績】
▼ 巨人
ヘラルド・パーラ(ナショナルズ)
119試合 打率.234 出塁率.293 9本 48打点 8盗塁
▼ DeNA
タイラー・オースティン(ブリュワーズ)
89試合 打率.188 出塁率.296 9本 24打点 2盗塁
▼ 阪神
ジェリー・サンズ(韓国キウム)
139試合 打率.305 出塁率.396 28本 113打点 1盗塁
ジャスティン・ボーア(エンゼルス)
52試合 打率.172 出塁率.259 8本 26打点 0盗塁
▼ 広島
ホセ・ピレラ(フィリーズ)
14試合 打率.182 出塁率.250 1本 2打点 0盗塁
▼ 中日
なし
▼ ヤクルト
アルシデス・エスコバー(ホワイトソックス3A)
96試合 打率.286 出塁率.343 10本 70打点 6盗塁
今度こそバースの再来!?
セ・リーグでの最注目株となると、キャリアという点ではヘラルド・パーラ(巨人)になるだろう。新外国人のなかでは、オリックスに加入したジョーンズのメジャー通算1823試合に次ぐ1466試合という出場試合数を誇る。キャンプでの打撃練習では、ノーステップ打法でセンターを中心に左右に打ち分ける器用さを披露するなど、早速、原辰徳監督をうならせた。
また、貧打解消を目指す阪神では、“バースの再来”として期待を寄せられているメジャー92発の4番候補・ボーアがキャンプ初日の特打で快音を響かせるなど、さっそく持ち前のパワーを披露。韓国での実績を評価されて入団したサンズも、矢野監督が広角打法を評価するなど、期待値は高まる。
打撃面だけでなく、その守備力にも期待が寄せられているのが、ヤクルトのアルシデス・エスコバー。さっそく華麗な守備を披露し、観客を魅了。フリー打撃でも強烈な打球を飛ばして存在感を示すなど、ショートのレギュラーとしての活躍に期待がかかる。
果たして、新外国人たちは期待通りの活躍をするのか、それとも……。期待と不安を胸に、その活躍を見守りたいと思う。
文=清家茂樹(せいけ・しげき)