今年は2人の野手がMLBに挑戦
メジャーリーグは現地時間26日のレギュラーシーズン開幕に向け、オープン戦が続いている。今季は新たに3人の日本人選手がメジャーに挑戦。うち2人が近年激減していた野手ということでも注目が集まっている。
レイズに加入した筒香嘉智は、NPB通算205本塁打を誇る日本を代表するスラッガー。レッズに加入した秋山翔吾は2015年にNPB歴代最高のシーズン216安打を放った安打製造機という異なるタイプのふたり。ともにレギュラー定着が期待されているが、メジャーでは“ゼロ”からのスタート。まずは首脳陣からの信頼を勝ち取らなければいけない。
今季日本人投手では唯一メジャーに挑戦した山口俊はブルージェイズの先発ローテーション5番目の枠を争っている。しかしオープン戦ではここまで防御率12.00と苦戦中。今後の結果次第では中継ぎに配置される可能性もありそうだ。
3人のメジャーでの活躍は未知数だが、それぞれどのような成績が予測されているのだろうか――。今回は、過去の成績や年齢等を加味しながら成績を予測する「Steamer」と「ZiPS」という2つの予測システムがはじき出した3人の今季成績予測を見ていきたい。
まずは打者2人の数字から……。
【筒香嘉智の2020年成績予測】
Steamer:110試合、打率.251、21本塁打、61打点、1盗塁、OPS.822
ZiPS :132試合、打率.251、27本塁打、81打点、0盗塁、OPS.799
【秋山翔吾の2020年成績予測】
Steamer:104試合、打率.274、12本塁打、48打点、 7盗塁、OPS.778
ZiPS :139試合、打率.273、18本塁打、71打点、10盗塁、OPS.765
2つのシステムを比べると「Steamer」の方が試合出場数を少なく予測している分、本塁打や打点数はかなり少ない印象だ。ただし打率やOPSといった“率”系はほぼ変わらず、出場機会次第といったところ。ともに「ZiPS」がはじき出した成績を残すことができれば成功と言えるだろう。まずはチーム内の競争に勝って、打席数確保が重要となる。
続いて投手の山口を見てみる。
【山口俊の2020年成績予測】
Steamer:58試合( 3先発)、4勝4敗、防御率4.68、13ホールド
ZiPS :25試合(23先発)、8勝9敗、防御率4.69、0ホールド
先述したようにブルージェイズの先発ローテーション5番目の座を争う山口だが、「Steamer」は中継ぎとして、「ZiPS」は先発として成績を予測している。防御率はほぼ一致しているが、まずは与えられた役割をしっかり果たし、信頼を得ていくしかない。こちらも「ZiPS」の予測通り、先発として8勝を挙げることができれば1年目は大成功と言えるのではないだろうか。
3人の成績予測を見る限り、ZiPSの評価はやや楽観的にも見えるが、果たしてこれを上回る活躍を見せることができるのか、大いに期待したい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)