コラム

巨人・モタはどうなる? 育成出身外国人選手の成績

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巨人のモタ (C) Kyodo News

春季キャンプMVPを勝ち取ったモタが連覇のキーマンに


 2020年のプロ野球ペナントレース開幕まで約10日。各チーム、連日オープン戦で最終の調整に努めているが、そのなかで話題になったのが巨人のモタである。


 昨年1月に巨人へと入団し、今季の春季キャンプがはじまった当初は背番号014の育成選手だったが、実戦11試合で打率.341、1本塁打、9打点という好成績を残してキャンプMVPを獲得。この活躍が認められて、2月28日付で支配下登録を勝ち取った。

 オープン戦がはじまってからは8打席連続三振を喫するなど急ブレーキがかかってしまったが、あのパワフルな打撃と闘争心は連覇を目指す巨人の貴重な戦力となる可能性を秘めている。

 モタのように育成登録だった外国人選手が支配下登録を勝ち取るケースはいくつかあるが、果たして過去にはどんな選手がいたのだろうか。


野手で長期間プレーしたのはバルティリスのみ


 検証したのは、育成選手のルールが現行のものとなった2006年以降に支配下登録を勝ち取った外国人野手たちの成績である。調べたところ、9選手が該当した。

▼ 2008年
・バルディリス(阪神)

初年度成績 : 77試合 打率.227 3本 16打点
通算(8年):918試合 打率.258 93本 387打点


▼ 2009年
・ムニス(ロッテ)

初年度成績 :14試合 打率.136 0本塁打 1打点
通算(1年):14試合 打率.136 0本塁打 1打点(1年)


▼ 2014年
・アブレイユ(西武)

初年度成績 :7試合 打率.250 0本塁打 4打点
通算(1年):7試合 打率.250 0本塁打 4打点


▼ 2017年
・バティスタ(広島)

初年度成績 :61試合 打率.256 11本塁打 26打点
通算(3年):263試合 打率.257 62本塁打 145打点

・メヒア(広島)
初年度成績 :9試合 打率.214 0本塁打 1打点
通算(3年):87試合 打率.258 10本塁打 25打点


▼ 2018年
・マルティネス(巨人)

初年度成績 :19試合 打率.180 2本塁打 5打点
通算(2年):25試合 打率.174 2本塁打 6打点


▼ 2019年
・コラス(ソフトバンク)

初年度成績 :7試合 打率.278 1本塁打 2打点
通算(1年):7試合 打率.278 1本塁打 2打点

・サンタナ(広島)
初年度成績 :13試合 打率.182 0本塁打 5打点
通算(1年):13試合 打率.182 0本塁打 5打点

・フェルナンド(楽天)
初年度成績 :16試合 打率.235 0本塁打 7打点
通算(1年):16試合 打率.235 0本塁打 7打点
※育成契約から昇格後の成績のみ


 9選手中、1年で退団した選手が4名もいるように、支配下登録を勝ち取った後もそう簡単にはいかないことがわかるが、そのなかで異彩を放つのがNPBで8年もプレーしたバルティリスだ。

 2008年に育成選手として阪神に入団すると、その年の5月には支配下登録を果たす。堅実な守備が評価され、主に守備固めとして77試合に出場。その後、2010年にオリックスへ移籍すると勝負強い打撃と軽快な守備でレギュラーの座を勝ち取り、DeNA時代も合わせて6年連続で規定打席に到達するという息の長い活躍を続けた。

 その後、外国人野手の育成選手はなかなか一軍の舞台に現れなかったが、2017年にカープアカデミー出身のバティスタが支配下登録を勝ち取ると、パワフルな打撃を武器に61試合で11本塁打をマークするなど活躍。バティスタは翌年以降もコンスタントに本塁打を放って広島打線の中軸を担っていたが、2019年のシーズン途中にドーピング検査で陽性反応が出たことにより6カ月の出場資格停止処分を受け、今季の契約は見送られた。

 2019年に支配下登録を果たし、史上9人目となるNPB初打席初本塁打を記録したコラスは将来を嘱望されながら2020年1月に亡命。所属先のソフトバンクと契約を交わさなかったため、2月19日付で制限選手として公示されるなど、近年は有望な選手が育成選手のなかから現れても、トラブルを起こすケースが少なくない。

 果たしてモタはこの流れを断ち切り、バルティリスのようにNPBで息の長い活躍を見せることができるのだろうか。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)
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