コラム

今年はチャンス!ことごとく勝ち運に見放されているオリックスの「開幕戦」

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オリックス・山岡泰輔

2012年から8連敗中…


 新型コロナウイルスの影響により、シーズン開幕が延期となったプロ野球。長くつらいオフを耐えしのいで来たファンにとっては、待ちに待った“球春到来”のはずが、お預けを食らう格好となってしまった。



 現時点では「4月10日以降で調整」ということしか明らかになっておらず、いつになるか不透明な開幕戦。長いシーズン、143分の1試合とはいえ、やはり注目度は自然と高くなり、どのチームは“まず1勝”を目指して戦うもの。そんな特別な気持ちで迎える一戦で苦戦を続けているチームがある。オリックス・バファローズだ。


 ここ数年、なぜか“開幕戦”で元気がないオリックス。直近10年の「1勝8敗1分」は12球団ワーストで、2012年の黒星から負けに負け続けて目下8連敗中。大不振の状況が続いている。

 これは偶然なのか、それとも…。今回は過去10年のオリックスの開幕戦を、より詳しく振り返ってみたい。


エース・金子千尋が奮闘も…


▼ 2010年:勝
3月20日 vs.楽天(京セラドーム大阪)
楽|000 000 000|0
オ|001 000 00X|1

 好投手がぶつかる開幕戦らしい投げ合いを演じたのが、金子千尋と岩隈久志。オリックスは3回裏に大引啓次が適時打を放って1点を先制すると、この虎の子の1点を金子が一人で守り抜いて無四球完封勝利。なお、この年の金子は17勝(8敗)を挙げて最多勝のタイトルも獲得している。


▼ 2011年:分
4月12日 vs.ソフトバンク(京セラドーム大阪)
ソ|100 000 100 000|2
オ|000 000 011 000|2

 両者譲らぬ戦いは延長12回でも決着つかず引き分け。開幕投手に抜擢された木佐貫洋が援護がないなかで9回2失点の力投を見せると、打線は8回にアーロム・バルディリスの一発で1点を返し、土壇場9回には後藤光尊の本塁打で同点に。しかし、このまま逆転とはならず。散発の6安打でソロ2本による2得点のみとつながりを欠いた。


▼ 2012年:負
3月30日 vs.ソフトバンク(福岡ヤフードーム)
オ|000 001 000|1
ソ|020 010 00X|3

 エース・金子の故障により、急遽の開幕投手抜擢となったアルフレッド・フィガロは5回3失点と粘りのピッチングを見せたものの、この年も打線が散発の5安打のみと沈黙。長打も後藤が放った二塁打1本のみで、相手先発・攝津正を前にチャンスを作ることもままならなかった。


▼ 2013年:負
3月29日 vs.ロッテ(QVCマリンフィールド)
オ|000 010 000 001 |2
ロ|001 000 000 002x|3

 エース・金子が3年ぶりの開幕投手を務めると、8回1失点と好投を見せる。しかし、やはり打線に元気なく。5回に1点を挙げて同点に追いついたものの、勝ち越すことができないまま迎えた延長12回、安達了一が適時打を放ってついに勝ち越しに成功。ところが、その裏に比嘉幹貴がピンチを招くと、吉野誠から中山慎也と左腕2人をつぎ込むリレーも虚しく2失点を喫して逆転サヨナラ負け。掴みかけた白星がその手をすり抜けた。


▼ 2014年:負
3月28日 vs.日本ハム(札幌ドーム)
オ|210 000 001 100 |5
日|010 010 110 101x|6

 この年は序盤から打線が奮起。ウィリー・モー・ペーニャの2点適時打で実に4年ぶりとなる先制点をマークするなど、6回終了時点では3-2とリードを奪っていたものの、終盤に立て続けに失点を喫して逆転を許す。迎えた9回、糸井嘉男の適時打でなんとか延長戦へと持ち込んだが、10回の勝ち越し直後を締めることができず、最後は12回に力尽く。2年連続で延長サヨナラ負けとなった。


「貧打」と「リリーフの乱調」


▼ 2015年:負
3月27日 vs.西武(西武プリンスドーム)
オ|000 000 000|0
西|000 001 00X|1

 オリックスはブランドン・ディクソン、西武は牧田和久という“初開幕投手”同士の投げ合いは緊迫した投手戦に。6回に一死二・三塁というチャンスを作りながら得点ができず、するとその裏にディクソンがエルネスト・メヒアに適時打を浴びて失点。その1点が重くのしかかった。


▼ 2016年:負
3月25日 vs.西武(西武プリンスドーム)
オ|000 200 101 |4
西|000 000 302x|5

 またまた開幕投手の座に返り咲いた金子が6回まで1安打・無失点という快投を見せると、打線も新助っ人ブライアン・ボグセビックの2点適時打で先制に成功するなど、中盤までは完ぺきな試合運びで進めていく。しかし、7回に金子が捕まって同点に追いつかれると、9回には4番のブレント・モレルに勝ち越し適時打が飛び出しながら、その裏にエリック・コーディエが2点を奪われて逆転サヨナラ負け。あとアウト2つのところで開幕戦の連敗ストップを逃した。


▼ 2017年:負
3月31日 vs.楽天(京セラドーム大阪)
楽|012 010 000 02|6
オ|000 030 100 00|4

 通算6度目の開幕投手となった金子が5回4失点と苦戦。しかし、この年は打線が奮起。7回にT-岡田の同点弾で試合を振り出しに戻したが、逆転までは届かず。延長11回にルーキーの澤田圭佑がカルロス・ペゲーロに2ランを被弾し、またも延長戦を落とした。


▼ 2018年:負
3月30日 vs.ソフトバンク(福岡ヤフオクドーム)
オ|000 000 000|0
ソ|000 000 02X|2

 初の開幕投手に抜擢された西勇輝が7回までゼロを並べる好投も、打線が相手先発の千賀滉大を前に沈黙。チームの安打数はわずか1本で、四死球を含めて走者が塁に出たのは2度だけ。まさに完敗で、3年ぶりの完封負けを喫した。


▼ 2019年:負
3月29日 vs.日本ハム(札幌ドーム)
オ|200 100 000 0 |3
日|001 000 020 4x|7

 昨年は山岡泰輔が開幕投手を務め、7回終了時点で3-1とリード。プロ3年目の若き右腕が呪縛を解くかと思われたが、8回に2点を失い試合は振り出しに。特に相性の悪い延長戦へともつれ込んでしまう。すると延長11回、相手の主砲・中田翔にサヨナラ満塁弾を浴びて万事休す。開幕戦の連敗が8に伸びた。


 こうして振り返ってみると、まず気になるのは「貧打」。エースが出てくる開幕戦ということを踏まえても、3点以下に抑えられた試合が半数の5試合もあり、うち完封負けが2回。これでは白星を拾っていくのは難しい。また、金子千尋をはじめ開幕投手たちは軒並み力投を見せているなか、終盤に「リリーフ陣」がリードを守り切れていないという点も目につく。ここが噛み合えば、トンネルを抜けることができるはずだ。


 ちなみに、今年の開幕投手は山岡泰輔とアナウンスされている。2年連続の大役を射止めた若きエースは、開幕戦で対戦する楽天とは好相性。昨季は6勝1敗と白星を稼いでいる相手だけに、2010年以来となる開幕戦白星スタートに期待がかかる。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)
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