日本人選手の戦いぶりはどうだった?
本来であれば日本のプロ野球が開幕していた先週末。しかし、「新型コロナウイルス」の感染拡大を受け、シーズン開幕が一時延期に。4月中の開催に向けて協議が続いている。
見えない敵は海の向こうでも猛威を振るっており、アメリカでは国家緊急事態が宣言されるなか、メジャーリーグは開催中だったオープン戦をすべて中止に。シーズン開幕の延期も早々に決断した。
日本では無観客でオープン戦が行われたものの、アメリカでは現地時間12日(日本時間13日)の時点でオープン戦も打ち切りに。新シーズンに向けて調整を続けていた日本人選手たちはどんなパフォーマンスを見せていたのだろうか…。
今回は投手の“後編”。マリナーズの2人と、今季から新たに海を渡った男のオープン戦を振り返る。
新フォームに手応え
▼ 菊池雄星(マリナーズ)
3試(6.2回) 1勝1敗 防4.05
昨季は6勝11敗、防御率5.46という不本意なメジャー1年目を送った菊池雄星。このオープン戦では3試合に先発、6回2/3を投げ、10三振を奪っている。一方で6つの四死球を与えており、今季も制球力に課題を残したままだ。
明るい兆しを見せたのが3度目の登板。パドレス打線を相手に3イニングを投げて2四球も無安打、5奪三振の快投を見せている。
昨季からテークバックを大きく変え、新フォームで臨んでいるが、スピード・球の切れともに上々。制球力が改善すれば、首脳陣からの信頼度も上がるだろう。
新天地ではチーム最年長
▼ 平野佳寿(マリナーズ)
5試合(5.0回) 0勝1敗 防5.40
2018年からダイヤモンドバックスで2シーズンを過ごし、1月下旬にFAでマリナーズに移籍した平野佳寿。新天地のマリナーズは比較的若手が多く、なんとチーム最年長となる。
新たなユニフォームに袖を通して迎えたオープン戦では、初登板で1イニングを7球で斬って取る上々の滑り出し。その後、試合が打ち切られるまで5試合に登板し、5イニングを3失点でオープン戦を終えた。
層が薄いマリナーズ救援陣において、百戦錬磨の平野は貴重な存在になるだろう。絶対的な守護神が不在のなか、平野がその座に就くことも十分考えられる。
メジャー1年目は厳しい船出に…
▼ 山口 俊(ブルージェイズ)
4試(9.0) 0勝1敗 防9.00
巨人に在籍した昨季は最多勝利・最多奪三振・最高勝率の“投手三冠”に輝いた山口俊。今季から活躍の場をメジャーに移す。
所属するブルージェイズでは先発5番手の座を争うが、オープン戦初登板では2/3イニングを3安打・3失点と打ち込まれた。2度目の登板では3回1失点と挽回するも、その後の2試合はリリーフに回り、結果を残せないままオープン戦終了を迎えている。
9イニングで5被弾を浴びるなど、メジャー打者のパワーを実感できたことをプラスに変えたいところ。オープン戦での投球を見る限り、現実的にはロングリリーバーとしての起用が濃厚だろう。
文=八木遊(やぎ・ゆう)