関西が誇る16人の注目選手
アマチュア球界にも多大な影響を及ぼしている、「新型コロナウイルス」の問題。今後についても不透明な部分がまだまだ多いが、再び日常の光景を取り戻す日に向けて、選手たちによる不断の努力は続いている。
そんな彼らを応援する意味でも、今年のドラフト会議の中心となりうる大学生の候補選手をリーグごとに紹介していこう、というのがこの企画。今回は関西学生野球・関西六大学野球・阪神大学野球・近畿学生野球・京滋大学野球の関西5連盟から有力選手を紹介する。
目玉は近大の佐藤輝明
高校時代は全国的には無名の存在だったものの、大学では1年春から不動のレギュラーに定着。2年春からは3季連続でベストナインに輝き、2年秋にはMVPを獲得するなど、完全にリーグを代表する打者へと成長した。
最大の持ち味は186センチ・92キロのたくましい体格を生かした飛距離だ。完璧にとらえた時の打球は軽々とスタンド上段まで届き、多少崩されたようなスイングでも柵越えする。
これまでにリーグ戦で積み上げた通算本塁打は11本。順調にいけば、大学の先輩でもある二岡智宏(元巨人ほか)の持つリーグ記録(=13本)更新の可能性も高い。
また、どうしても打撃が注目されるが、昨年秋に行われた大学日本代表候補合宿では、手動計測ながら50メートル走で5秒台のタイムをマークしているように、運動能力の高さも申し分ない。昨年秋は右肘を痛めたこともあって調子を落とし、守備もファーストに回っていたが、プロでは強打のサード、もしくは外野手として期待できそうだ。
関西学生野球の候補はほかにも…
関西学生の野手では、立命館大の栄枝裕貴(高知高)と三宅浩史郎(神港学園高)、同志社大の小川晃太朗(龍谷大平安高)などの名前も挙がる。
栄枝は1年先輩に大本拓海(現・ヤマハ)という好捕手がいたため出場機会は限られていたが、勝負強い打撃を生かして徐々に台頭。肩の強さも申し分なく、打てる捕手として期待がかかる。三宅はパンチ力、小川はスピードが魅力の外野手だ。
一方、投手では関西大のサウスポー・高野脩汰(出雲商高)と立命館大の有村大誠(秀岳館高)、山梨智也(静岡東高)の快速右腕コンビが注目される。
高野は細身だが豪快な腕の振りが持ち味で、球速以上の勢いがある。高い奪三振率も魅力で、昨年秋はMVPに輝いた。有村、山梨の2人も好調時は140キロ台後半をマークするスピードを誇り、今年の活躍次第では指名圏内に入ってくる可能性もありそうだ。
関西六大学で注目の“大商大”コンビ
関西六大学では、大阪商業大の右腕・吉川貴大(開星高)の注目度が高い。
昨年までは大西広樹(現・ヤクルト)と橋本侑樹(現・中日)の2人がいたこともあって、リーグ戦は未勝利と実績はないが、高校時代から140キロ台後半のスピードを誇り、素材の良さは十分。今年はエースとして確固たる結果を残したいところだ。
同じく大阪商業大では、捕手の岡沢智基(智弁学園高)も高い守備力に定評がある注目株。また、他大学では昨年春に6勝をマークしてベストナインに輝いた大阪学院大の大型右腕・打田雷樹(日本航空石川高)にも注目だ。
各地に候補がゾロゾロと…
つづいては阪神大学野球。ここは天理大の森浦大輔(天理高)と、関西国際大の武次春哉(西脇工高)のサウスポー2人が筆頭候補だ。
森浦は入学早々エース格となり、1年時には春秋連続でMVPを受賞。元々まとまりのあるタイプだったが、大学で着実にスピードが上がりスケールアップを果たした。
武次も早くから主戦となり、2年時には春秋連続で7勝をマークするなどフル回転の活躍。164センチと小柄だが、小気味良い投球が光る。
野手では、高校時代から好打者として評判だった関西国際大の内野手・持田大和(如水館高)、昨年秋に5本塁打を放ちブレイクした天理大の強打の外野手・大石航輝(大阪桐蔭高)などが面白い存在だ。
近畿学生では、奈良学園大の大型右腕・大畑理暉(履正社高)が候補になる。
履正社では寺島成輝(現・ヤクルト)と同期で、公式戦での登板はほとんどなかったが、大学では1年春から台頭。フォームのバランスには課題が残るが、たくましい体格から投げ込むストレートは威力がある。昨年秋は故障で1勝に終わっただけに、最終学年での完全復活に期待したい。
最後に京滋大学からは、佛教大の外野手・八木風磨(北稜高)が面白い。
昨年の大学選手権では最初は控えだったものの、準々決勝から1番に定着して15打数10安打とヒットを量産。巧みなバットコントロールで広角に打ち分けるバッティングが光る。
同じく佛教大では、外野手の野嶋惇登(県和歌山商高)という選手が大学選手権で一発を放っており、秋のリーグ戦でも3本塁打をマークするなど、注目の大砲候補だ。
☆記事提供:プロアマ野球研究所