2000本安打まであと362本
新型コロナウイルスの影響で日本中が閉塞感に覆われている。
それはもちろん、野球界も同様だ。こんな情勢のなか、SNSを通じて懸命に球界を盛り上げているのが、ソフトバンクの元気印・松田宣浩である。
自身の持ちネタでもある「熱男」を動画で投稿、さらにリレー企画も始めた。この輪はチームメートから他球団の選手へとまたたく間に伝播。その後は他競技のプロスポーツ選手をはじめ、芸能人やアナウンサーへと広がりをみせ、大きな反響を呼んでいる。
そんななか、NPBは4月17日に今季のセ・パ交流戦を中止することを決定した。ペナントレースそのものの開幕日も決まっていないが、早くても「6月以降」を目指すと併せて発表されている。
これにより、少なくとも18試合が中止となったのは確定。6月中旬以降の開幕をシミュレーションしているとも報じられているが、実際に開幕するのかどうかもわからないのが実情だろう。
特に記録がかかっている選手にとっては、開幕の延期やシーズンの中止は大問題だ。もちろん、選手自身は記録のためだけにプレーしているわけではないが、記録もまたプロ野球ファンの楽しみでもある。
“熱男リレー”の発起人である松田も、大記録が視野に入るひとりだ。
松田は昨季終了時点で通算1638安打を放っており、名球会入会の条件である「通算2000安打」まで362安打と迫っている。仮にシーズンが中止となるようなことがあれば、記録だけを見据えた場合、この戻ることのない時間はあまりに惜しい。
5年連続全試合出場中も今年の5月で37歳に
松田は、昨季も全試合に出場したうえで139安打を記録している。また、2010年以降の連続した3年間すべてにおいて、目標となる362安打もクリアしている。ということは、今季を含めて3年あれば、多少ペースは落ちたとしても、十分に名球会入りは射程圏と言えるだろう。
ただし、2015年から5年連続で全試合に出場しているとはいえ、今年の5月で37歳になる。本人はレギュラーとして出場する気満々だが、年齢的にはベテランの粋に達しており、急激な衰えが見えてもおかしくはない。今まで以上に、1年・1年が勝負となってくる。
その松田が守る三塁のポジションを見ると、育成契約から支配下登録を勝ち取ったリチャードや、足のスペシャリスト・周東佑京といった新星が候補に挙がる。
その他にも、若手では野村大樹や増田珠といったところがファームで奮闘中。世代交代を考えると、結果を残すことができなければ、ポジションを譲らざるを得ないのである。
もちろん、スタメンと途中出場を繰り返しながら2000本を目指すパターンもある。
近年では福浦和也(ロッテ)が控えに回ってからも安打を積み重ね、最終的には大台に到達。有終の美を飾ってユニフォームを脱いだ。
とはいえ、プロ野球選手である以上、レギュラーとして節目の記録に到達したいのが本音だろう。特にこの「熱男」に関しては、そのあたりの闘志は衰え知らず。その炎は誰よりも燃え盛っている。
松田宣浩・プロフィール
ポジション:内野手投打:右投右打
身長/体重:180センチ/85キロ
生年月日:1983年5月17日
経歴:中京高-亜細亜大-ソフトバンク(05年・希)
[昨季成績] 143試 率.260(534-139) 本30 点76
[通算成績] 1636試 率.270(6056-1638) 本274 点891