コラム 2020.04.21. 19:30

ロッテ加入でチャンス到来!? 鳥谷敬に訪れた史上12人目の記録達成

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ロッテ・鳥谷敬 (c)Kyodo News

新天地への移籍でもう一花咲!


 昨季限りで阪神を退団し、今季からロッテに移籍した鳥谷敬。これまでの経験値を考えれば、チーム事情によって先発出場する機会も考えられるだろう。そんな鳥谷に今季、達成する可能性を残した一風変わった記録がある。それが、「全打順本塁打」だ。

 1番から9番までの全打順でスタメン出場を果たし、すべての打順で本塁打を放つという記録だが、これまでの達成者は11名。長い歴史を誇るプロ野球界においても、かなりレアな記録といえる。これまでセントラル・リーグに所属していた鳥谷は、1~8番打者として本塁打を記録していて、残るは9番打者のみだ。


 そもそも本塁打を放つことは簡単なことではなく、全打順を経験するというのもレアなこと。特にセ・リーグでは、多くの場合9番に投手が入るため、そもそも9番打者を経験する機会が交流戦以外にない。そんなレアな記録の達成者11名には、どんな選手がいたのだろうか――。


息の長い内野手がズラリと勢ぞろい!


 下記に挙げたのが、過去に記録を達成した11名の通算打撃成績と達成時の打順(※球団名は当時のもの)だ。当然、全体的に息の長い選手が多く、鳥谷敬同様に二遊間を守る選手が多かった。

 また、鳥谷がリーチを掛けている9番打者で記録を達成した選手は11名中2名。意外にも?最多は、3名を数える4番打者だった。


▼ 古屋英夫(日本ハム⇒阪神)
1989年5月5日に9番打者で達成
通算成績:1521試合 1406安打 打率.273 180本塁打 686打点

▼ 松永浩美(阪急・オリックス⇒阪神⇒ダイエー)
1996年4月27日に9番打者で達成
通算成績:1816試合 1904安打 打率.293 203本塁打 855打点

▼ 田中幸雄(日本ハム)
1997年8月12日に5番打者で達成
通算成績:2238試合 2012安打 打率.262 287本塁打 1026打点

▼ 堀幸一(ロッテ)
1998年5月26日に8番打者で達成
通算成績:2064試合 1827安打 打率.269 183本塁打 810打点

▼ 小川博文(オリックス⇒横浜)
1999年6月3日に1番打者で達成
通算成績:1720試合 1406安打 打率.266 100本塁打 597打点

▼ 五十嵐章人(ロッテ⇒オリックス⇒近鉄)
2002年4月21日に8番打者で達成
通算成績:870試合 422安打 打率.234 26本塁打 171打点

▼ 井口資仁(ダイエー⇒メジャーリーグ⇒ロッテ)
2009年4月7日に4番打者で達成
通算成績:1915試合 1760安打 打率.270 251本塁打 1017打点
※NPB通算記録のみ

▼ 吉村裕基(横浜・DeNA⇒ソフトバンク)
2009年6月17日に1番打者で達成
通算成績:968試合 759安打 打率.253 131本塁打 419打点

▼ 後藤光尊(オリックス⇒楽天)
2011年8月11日に4番打者で達成
通算成績:1361試合 1265安打 打率.269 95本塁打 476打点

▼ 浅村栄斗(西武⇒楽天)
2015年9月22日に5番打者で達成
通算成績:1256試合 1317安打 打率.285 180本塁打 737打点
※2019年終了時点

▼ 島内宏明(楽天)
2019年4月20日に4番打者で達成
通算成績:722試合 670安打 打率.277 54本塁打 277打点
※2019年終了時点

 当然、全11選手が指名打者制のあるパ・リーグ球団に在籍した経験を持っている。ちなみに、セ・リーグのチームからプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせた選手の達成者は、吉村裕基のみ。もし鳥谷が達成すれば、セ・リーグからキャリアをスタートさせた選手としては、史上ふたり目の達成者となる。

 ちなみに鳥谷は、阪神時代、9番打者での出場は2005年の交流戦で12試合ある。その12試合の成績は、打率.325(43打数14安打)と好成績をマークした。今季、15年ぶりに9番打者として出場する機会は訪れるだろうか――。そんな一風変わった記録に注目してみるのも面白いかもしれない。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

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