野球のある日常の尊さ
現地3月26日には、1968年以来52年ぶりとなる一斉開幕によってレギュラーシーズンの火蓋が切って落とされるはずだった2020年のMLB。ご存知の通り、COVID-19の世界的な感染拡大を受け、4月中旬の時点では試合が出来ない状況が続いています。
押さえ込みに成功しつつある台湾プロ野球は4月12日に無観客で開幕し、ネット配信される映像には台湾人のみならず、日本やアメリカ、そして世界中の野球ファンがアクセスし、視聴者数が軒並み増えているとのこと。ボクも「野球のある日常」の尊さを日々噛みしめています。
MLB界隈の素早い動き
また、1チーム1選手・計30人の現役選手が新発売の野球ゲームを使ってオンラインで対戦し、成績上位8選手がプレーオフを戦い、最終的にワールドシリーズまで行う「MLB The Show Players League」と称したイベントを開催。同時に青少年向け放課後プログラムを提供する非営利団体を支援するための寄付金も募っているとのこと。
さらにMLB公式サイトでは「DREAM BRACKET」と題し、シミュレーション・ソフトの「Out of the Park Baseball」を使用して、全30球団の「オールタイム・チーム」に、ニグロリーグの選抜チームと25歳以下の現役選手による選抜チームを加えた全32チームによるトーナメントで「最も優れている選手はどのチームなのか?」といった企画も開催されている。
社会貢献に対する意識の高さ
在宅を余儀なくされているファンへのサービスも、あの手この手を駆使して提供しているほか、社会貢献に関しても惜しげもなく協力。マイク・トラウト(エンゼルス)やアンソニー・リゾ(カブス)といった選手が、医療従事者への食事を寄付するなど、選手が率先して社会貢献活動を行っている模様が選手やチームのSNSなどで発信されています。
カブスの本拠地リグリー・フィールドは、シカゴ市からの要請を受けてウイルス感染者用の病床確保に協力。食料を提供するための食料庫としても使用されています。通常時はホームレスや貧困層向けに行われている慈善活動だが、現在は医療従事者やフロントラインで働いている人々へも提供されています。
また、ほぼ全球団の選手やスタッフなど計1万人が、スタンフォード大学や南カリフォルニア大学などが合同で実施する新型コロナウィルス調査に全面協力(これは全米規模では初めてとのこと)したりと、一刻も早い平常への復帰に向けて、大小様々な活動をしています。
その日を待っている
アリゾナやフロリダのキャンプ地を使って全チームを隔離し、無観客形式で開幕する案も出てきているMLB。とにもかくにも一刻も早い日常への復帰を願いつつ、様々な取り組みを続けるMLBの活動からも目が離せません。
そしてこの取り組みは、世界の様々なプロスポーツにとどまらず、ボクの本業である音楽も含めた全世界の娯楽を生業とする人々や団体にも、多大な影響を与えることでしょう。
その日が訪れるまで、我々は各々の生活を出来る限り美しくして、それに執着していければ、そう信じて止みません。
文=オカモト“MOBY”タクヤ(おかもと“もびー”たくや)