コラム 2020.04.26. 08:00

2000安打より難しい?「通算400盗塁」の壁

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日本ハム・西川遥輝

NPB史上の到達者は7人


 野手なら安打や本塁打数、投手なら勝利数やセーブ数などが注目されがちな通算記録。実際に安打数と勝利数、セーブ数は名球会入りの基準にもなっており、打者や投手にとってのひとつの目標となっている。

 一方、通算記録のなかであまり目立たないのが盗塁数である。ランキング上位には、最多記録保持者の福本豊(1065盗塁)をはじめ、歴代のスピードスターが並ぶが、多くの選手にとって、ひとつの壁となっているのが400盗塁だ。

 これまで通算400盗塁(NPB限定)を達成した選手は、たったの7名しかいない。1995年に大石大二郎が達成したのが最後で、そこからなんと25年間も400盗塁の壁を越えた選手はいない。元阪神の赤星憲広が381盗塁、元中日の荒木雅博が378盗塁、そして元西武の松井稼頭央もNPB通算363盗塁。通算400盗塁という数字は、達成が困難な数字だと見てとれる。

 以下、通算400盗塁を達成した歴代の選手たちを見ていきたい。


韋駄天たちの共通項


 調べたのは、通算400盗塁以上を記録した7選手の通算盗塁数、実働年数、そして盗塁王の獲得経験である。積み上げ系の記録なので、実働年数が長い選手が有利になることが多く、7選手中4人が15年以上のキャリアを誇っていた。

▼ 福本 豊
通算:1065盗塁
実働:20年(1969-88年)
経歴:大鉄高-松下電器-阪急(68年7位)
盗塁王獲得回数:13回

▼ 広瀬叔功
通算:596盗塁
実働:22年(1956-77年)
経歴:大竹高-南海
盗塁王獲得回数:5回

▼ 柴田 勲
通算:579盗塁
実働:20年(1962-81年)
経歴:法政二高-巨人
盗塁王獲得回数:6回

▼ 木塚忠助
通算:479盗塁
実働年数:12年(1948-59年)
経歴:唐津中-門司鉄道局-南海-近鉄
盗塁王獲得回数:4回

▼ 高橋慶彦
通算:477盗塁
実働:17年(1976-92年)
経歴:城西高-広島(74年3位)-ロッテ-阪神
盗塁王獲得回数:3回

▼ 金山次郎
通算:456盗塁
実働:14年(1943-44,1946-57年)
経歴:豊国商-名古屋-産業-中部日本-中日-急映-大映-松竹-広島
盗塁王獲得回数:3回

▼ 大石大二郎
通算:415盗塁
実働:17年(1981-97年)
経歴:静岡商-亜細亜大-近鉄(80年2位)
盗塁王獲得回数:4回

 この7選手に共通するのは、頭角を現すタイミング。全員が1年目から一軍の試合に出場し、5年目以内にレギュラーを獲得してチームの中心選手としてプレーしている。その結果、キャリアの早い段階から盗塁数を稼ぎ、30歳を過ぎてからも盗塁王に5度輝いている福本豊と太平洋戦争でキャリアが中断した金山次郎以外は、通算盗塁数の6割以上を20代のうちに稼いでいる。

 では、現役の選手たちで通算400盗塁の壁に挑戦できそうな選手はいるのだろうか――。まずは現役選手における、通算盗塁数の上位5名を見ていく。

▼ 糸井嘉男(38歳/阪神)
通算:297盗塁
実働:14年(2007-19年)
経歴:宮津高-近畿大-日本ハム(03年自由)-オリックス-阪神
盗塁王獲得回数:1回

▼ 西川遥輝(28歳/日本ハム)
通算:245盗塁
実働:9年(2012-19年)
経歴:智弁和歌山高-日本ハム(10年2位)
盗塁王獲得回数:3回

▼ 大島洋平(34歳/中日)
通算:217盗塁
実働:11年(2010-19年)
経歴:享栄高-駒沢大-日本生命-中日(09年5位)
盗塁王獲得回数:1回

▼ 荻野貴司(34歳/ロッテ)
通算:201盗塁
実働:11年(2010-19年)
経歴:奈良・郡山高-関西学院大-トヨタ自動車-ロッテ(09年1位)
盗塁王獲得回数:0回

▼ 金子侑司(西武)
通算:195盗塁
実働:8年(2013-19年)
経歴:立命館宇治高-立命館大-西武(12年3位)
盗塁王獲得回数:2回

 現役トップは今季38歳となる糸井嘉男の297盗塁。2016年には53盗塁を記録して35歳2カ月という史上最年長で盗塁王を獲得したが、阪神に移籍して以降は3年間で52盗塁と数は減少している。昨季はレギュラー定着以来、最少となる9盗塁だったことを考えると、あと103盗塁を上乗せするのは難しいだろう。とは言え、投手から打者に転向したキャリアを考えると、目前に迫っている300盗塁も十分称賛に値する数字だ。

 糸井同様、30歳の大台を超えている大島洋平、荻野貴司はコンスタントにシーズン30盗塁前後は記録するが、両選手とも大卒社会人組で年齢的にも難しそう。特に荻野はケガに泣かされることも多い中で、ここまでの数字を積み上げてきたのはさすが。

 現状、400盗塁の可能性が高そうなのは西川遥輝か。メンバー唯一の高卒選手で、なおかつ盗塁王の獲得回数も現役最多タイの3回を数える。今季で28歳と年齢も若く、シーズン平均30盗塁を記録していることを考えると、今季の試合数にもよるが30代のうちに通算300盗塁の大台に到達する可能性は高い。昨季までの盗塁成功率も86.6%と高いだけに、大石大二郎以来の大記録到達に期待は高まる。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

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