たのしみな“1年生”たち【東都大学】
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、6月8日に開幕予定だった『全日本大学野球選手権』は8月12日開幕に延期となった。
各地区の春季リーグも5月下旬以降に開幕がずれ込んでいるが、今年も楽しみな新入生がたくさんいる。というわけで、ここでは全国各地のリーグで華々しいデビューが期待される“1年生”を紹介していきたい。今回は取り上げるのは、東都大学に進学した選手たち。
中央大の3人に熱視線…
まずは、1部リーグに所属するチームの投手から。パッと思いつく限りでも、これだけの選手がピックアップできた。
▼ 東都1部・注目の1年生(投手)
・中央大
岩本大地(石岡一高)
石田裕太郎(静清高)
西舘勇陽(花巻東高)
・亜細亜大
鍵将太(神戸国際大付高)
市川大晴(常葉橘高)
遠藤慎也(京都翔英高)
草加勝(創志学園高)
・国学院大
谷幸之助(関東一高)
・立正大
土屋大和(関東一高)
中山航(藤代高)
・東洋大
根本太一(木更津総合高)
野沢秀伍(龍谷大平安高)
細野晴希(東亜学園高)
石上祐介(東洋大牛久高)
・駒沢大
米山魁乙(昌平高)
栗田和斗(知徳高)
この中で特にデビューが早そうなのが、中央大の3人だ。
昨年秋はリーグ優勝を果たしたものの、投手陣に絶対的な柱は不在。継投で勝ちを拾うケースが多かったチームだけに、1年生にかかる期待も大きい。
なかでも、岩本は21世紀枠として出場した3年春の選抜で見事な投球を見せており、完成度の高さは紹介した投手の中でも一歩リードしている印象。いきなり先発を任される可能性も十分にあるだろう。
スケールの大きさでは、東洋大の根本がピカイチ。
2年夏に出場した甲子園で、150キロに迫るスピードをマークして注目を集めた右腕。最終学年は春先にフォームを崩した影響で夏も不本意なピッチングに終わったが、素材の良さは間違いない。
チーム事情を見ても、エースの村上頌樹(4年・智弁学園高)に続く先発が確立されていないだけに、根本にも早くからチャンスがありそうだ。
2部以下にも好素材がゴロゴロ
“戦国東都”の凄さを感じるポイントのひとつに、2部以下にも好素材が揃っているという点が挙げられる。
投手で言うと、青山学院大の下村海翔(九州国際大付高)が最大の注目選手だ。
甲子園には縁がなかったものの、高校2年の春にはエースとして九州大会の優勝に大きく貢献。3年夏も5試合に登板してわずか3失点という抜群の安定感を見せている。
140キロ台のストレートをコーナーに集め、変化球のレベルも高い。3月に行われたオープン戦では早くも起用されており、1年春からリーグ戦デビューの可能性は高そうだ。
また、昨年秋に3部へ降格した東京農業大にも、関東屈指の本格派と言われた飯島一徹(東農大三高)と宮里優吾(岩倉高)が入学。巻き返しの原動力として期待がかかる。
野手の注目株は…?
ここまでは投手にフォーカスを当ててきたが、野手も投手に負けない好素材が揃った。
捕手では、亜細亜大の小山翔暉(東海大菅生高)が早くもオープン戦から起用されて存在感を示している。
地肩の強さはまずまずというレベルだが、安定したキャッチングとコントロールの良さが光るスローイングは東都でも十分上位に入るレベル。広角に打ち分ける打撃も光る注目株だ。
他の捕手では、国学院大の加藤洋平(明桜高)や、立正大の木村優介(広島新庄高)、駒沢大の神宮隆太(西日本短大付高)といったところ。
2部以下でも日本大の友田佑卓(九州学院高)に、東京農業大の橋本大樹(山村学園高)などが攻守に高いレベルを誇る。
その他のポジションでは、ともに3拍子揃ったショートとして高い注目を集めた石井巧(作新学院高)と、中前祐也(浦和学院高)が中央大に進学した。今年のチームは野手に人材が揃っているだけに、レギュラー獲得は簡単ではないが、与えられたチャンスでアピールしたいところだ。
また、同じショートでは、九州屈指の実力を誇る済木龍輝(佐賀商高)が専修大へ。こちらも注目だ。
最後に外野手。こちらは3拍子揃ったリードオフマンタイプである亜細亜大の天井一輝(広島商高)、昨年夏の甲子園で強打を見せた立正大の丸山蓮(鶴岡東高)に注目が集まる。さらに、脚力では全国トップクラスの評価を受ける斎藤慶喜(上田西高)も立正大へと進んだ。
ほかにも、甲子園春夏連覇を果たしたチームで2年生ながらベンチ入りしていた宮本涼太(大阪桐蔭高)は東洋大に、高校1年時から主砲として活躍した左の強打者・藤原涼雅(学法石川高)は駒沢大にそれぞれ進学。こちらも今後が楽しみな存在である。
☆記事提供:プロアマ野球研究所