コラム 2020.05.03. 15:00

強力ローテを誇ったチームは? 過去20年「先発投手勝利数」ランキング

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パリーグの個人投手部門で、主要3タイトルを初めて獲得したダイエー・斉藤

野球の7割を決める先発投手の重要性


 野球において、もっとも重要視されるポジションは、やはり投手だろう。「7割を投手が占める」という格言があるほど重要な役割を担っている。味方打線が1点を取って、投手陣が0点に抑えれば負けないし、仮に味方打線が得点できなくても、投手陣が0点に抑えれば負けることもない。だからこそ、投手の強化は重要になる。

 つまり、先発投手がしっかりしているチームは強いということである。実際に過去10年で日本一に輝いたチームのうち8チームで、シーズン2桁勝利を挙げた投手が3人以上いた。これを見ても、投手が試合において重要な役割を担い、先発投手がしっかりと固定されているチームは安定した成績を残せることがわかる。


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 そこで、どれだけ先発投手が大事かを、勝ち星で見ていく。

 調べたのは過去20シーズンおける、各チームの先発登板数の多かった上位5投手(5位に同数の投手がいた場合もカウント)の合計勝ち数である。ほとんどのチームが全体の勝ち星の半数以上を稼いでおり、Aクラスに入ったチームの8割以上は、50勝以上を先発投手が稼いでいた。そのなかでも、特出していたのが以下のチームとなる。


▼ 第1位
2003年 ダイエー
先発65勝/チーム82勝(日本一)
シーズン140試合/先発勝ち星比率79.3%

※先発登板数の上位5人
・斉藤和巳 26試 20勝3敗
・和田 毅 26試 14勝5敗
・杉内俊哉 24試 10勝8敗
・新垣 渚 18試 8勝7敗
・寺原隼人 16試 7勝5敗
・ナイト  16試 6勝4敗


▼ 第2位
2005年 ソフトバンク
先発64勝/シーズン89勝(2位)
シーズン136試合/先発勝ち星比率71.9%

※先発登板数の上位5人
・杉内俊哉 26試 18勝4敗
・和田 毅 25試 12勝8敗
・斉藤和巳 22試 16勝1敗
・新垣 渚 21試 10勝6敗
・星野順治 18試 8勝5敗


2011年 ソフトバンク
先発64勝/シーズン88勝(日本一)
シーズン144試合/先発勝ち星比率72.7%

※先発登板数の上位5人
・和田 毅  26試 16勝5敗
・攝津 正  26試 14勝8敗
・ホールトン 26試 19勝6敗
・杉内俊哉  23試 8勝7敗
・山田大樹  17試 7勝7敗


▼ 第4位
2003年 阪神
先発61勝/シーズン87勝(1位)
シーズン140試合/先発勝ち星比率70.1%

※先発登板数の上位5人
・井川 慶  29試 20勝5敗
・伊良部秀輝 27試 13勝8敗
・下柳 剛  24試 10勝5敗
・ムーア   20試 10勝6敗
・藪 恵壹  15試 8勝3敗


2011年 日本ハム
先発61勝/72勝(2位)
シーズン144試合/先発勝ち星比率84.7%

※先発登板数の上位5人
・ダルビッシュ有 28試 18勝6敗
・ケッペル    26試 14勝6敗
・ウルフ     26試 12勝11敗
・武田 勝    25試 11勝12敗
・斎藤佑樹    19試 6勝6敗


 過去20シーズンで一番先発投手の勝ち星が多かったのは、2003年のダイエーだった。プロ野球史上初となる100打点カルテットを生んだダイハード打線もすごかったが、投手陣もすごかった。シーズン20勝を挙げた斉藤和巳をはじめ、SWAT(斉藤、和田毅、新垣渚、寺原隼人)と称された投手4名だけで49勝をマークしている。

 第2位には、2005年と2011年のソフトバンクがランクイン。いずれの年も最多勝を獲得した投手を擁し、さらに2桁勝利を挙げた投手が最低3名以上いる盤石な布陣を築いていた(2015年は杉内俊哉が18勝で最多勝。2011年はホールトンが19勝で最多勝)。

 そして第4位タイにランクインしたのが、2003年の阪神と2011年の日本ハム。まず、阪神は20勝を挙げた井川慶を筆頭に2桁勝利投手が4人。伊良部秀輝や下柳剛など、井川以外は30歳を超えるベテラン選手が先発ローテに名を連ねていたが、そんな彼らが、経験に裏付けされた投球術で相手打線を翻弄したシーズンだった。

 意外だったのが2011年の日本ハム。この年は優勝したソフトバンクに17.5ゲームという大差を付けられての2位だったが、自身キャリアハイとなる18勝を挙げたダルビッシュ有を含む、4人が11勝以上をマーク。さらに、この年ルーキーだった斎藤佑樹が6勝を挙げ、チームの勝ち星のおよそ8割以上(84.7%)をこの5人で稼ぎ出した。ゲーム差は10ゲーム以上離されたが、先発投手の勝利数で見ると、最多勝のホールトンを擁するソフトバンクの強力先発陣にわずか3勝差だった。

 もちろん、先発投手の勝ち星は打線との兼ね合いの部分も大きい。だが、上記に挙げた例に関しても、しっかり試合をつくれる投手陣がいたことは間違いないようだ。分業制が進み、それこそ先発投手を早いイニングで降板させるオープナーという作戦も浸透しつつある現代のプロ野球界において、先発投手の勝ち星はどう変化していくだろうか――。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

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