コラム 2020.05.11. 07:09

「甲子園出場」「公立の逸材」ら注目株が続々…関東甲信越の“新1年生”が面白い!

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西尾東から日本体育大へ進んだ山田紘太郎選手 [提供=プロアマ野球研究所]

たのしみな“1年生”たち【関東5連盟】


 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、6月8日に開幕予定だった『全日本大学野球選手権』は8月12日開幕に延期となった。

 各地区の春季リーグも5月下旬以降に開幕がずれ込み、中には中止となったところもあるが、各チームには今年も楽しみな新入生がたくさんいる。というわけで、ここでは全国各地のリーグで華々しいデビューが期待される“1年生”を紹介していきたい。今回は取り上げるのは、「首都大学」「千葉県大学」「関甲新学生」「東京新大学」「神奈川大学」の関東5連盟の有望ルーキーたち。


才能豊かな投手が続々と…


 ここ数年、各チームから続々と好投手が輩出されている首都大学リーグだが、今年の新入生も楽しみな投手が入学する。

 リーグ王者の東海大では、加藤匠(東海大甲府高)に注目。高校時代から評判の投手で、細身ながら高い位置から腕を振ることができ、角度のある140キロ台のストレートが光る。

 また、登板しない時にはセカンドやサードなどの内野を任されており、野手としての能力も高い。野球センスに溢れた逸材だ。


 日本体育大では、山田紘太郎(西尾東高)が面白い。激戦区・愛知の公立高校出身ながら、その素材の良さは早くから注目を集めており、2年夏には東愛知大会準優勝にも大きく貢献。その冬には愛知県選抜にも選ばれ、石川昂弥(東邦→中日1位)らとともに海外遠征も経験した。

 まだまだ、ばらつきはあるものの、長いリーチを生かした鋭い腕の振りは一級品。体作りが進めば、150キロ超えも十分に狙えるだろう。


 この春から一部に復帰する桜美林大には、151キロ右腕の赤坂諒(上野学園高)が加入した。下級生の頃は無名の存在だったが、最終学年で急成長。3年夏はチームを東東京大会ベスト4に導いている。

 まだ課題は多いが、体格的にも恵まれており、その馬力は大きな魅力だ。


 野手では、高い守備力が魅力のショート成瀬脩人(東海大菅生高→東海大)、甲子園でもリードオフマンとして活躍した東海林航介(星稜高→東海大)、ともに抜群の脚力が光る松浦佑星(富島高→日本体育大)、中妻翔(常総学院高→日本体育大)などに注目だ。


九州屈指のキャッチャーが上武大に入学


 他のリーグに目を移すと、関甲新学生で早くから注目を集めそうなのが、九州でも屈指の捕手と言われた進藤勇也(筑陽学園高→上武大)だ。抜群の地肩の強さを誇り、イニング間のセカンド送球ではコンスタントに1.8秒台をマークする。

 また、いかにも捕手らしいたくましい体つきで、キャッチングやブロッキングなどもハイレベル。2年秋までは下位を打つことが多かったが、打撃も着実に成長を見せており、3年夏の福岡大会では5割近い打率を残した。

 この春のオープン戦でも、進藤をテストするために今年のドラフト上位候補である古川裕大が内野に回るケースもあるなど、早くも期待の高さがうかがえる。


 その上武大では、他にも投手・野手の両面で高い素質を誇る島村大樹(大宮東高)や、四国でも屈指の強打者として評判だった村田龍哉(徳島商高)などが加入しており、こちらも合わせて注目だ。


奥川恭伸と投げ合った好投手


 神奈川リーグでは、桐蔭横浜大に好素材が入った。

 能登嵩都(旭川大高)は3年夏にエースとして甲子園に出場。初戦で敗れたものの、奥川恭伸(星稜高→ヤクルト)と見事な投げ合いを演じたことでも注目を浴びた。

 まだ細身だが、リリースの感覚が良く、140キロ台のストレートと多彩な変化球を低めに集めるピッチングは実践的。4年間での飛躍に大きな期待がかかる。


 和田朋也(山村学園高)も、関東では早くから名前が知られていたサウスポー。躍動感のあるフォームで、鋭い腕の振りが光る。順調に成長すれば3年後は騒がれる存在となりそうだ。


 同じ神奈川リーグでは、神奈川大に進学する岡田佑斗(宇部鴻城高)も面白い。

 昨年夏の甲子園では、背番号8をつけて「1番・投手」として活躍しホームランも放った。まとまりのあるピッチングが持ち味だが、将来的には野手として大成しそうな雰囲気がある。


 千葉リーグでは、国際武道大に昨年夏の甲子園であわやノーヒットノーランの快投を演じた林勇成(作新学院高)が進んだ。

 スピードは130キロ台中盤だが、下半身に粘りがあり、ストレートと変化球を同じフォームで投げ分ける粘り強い投球が光る。大学でスピードアップすることができれば面白い存在になりそうだ。


 その他にも、意外なチームでは杏林大(東京新大学)に注目したい。

 リーグの中では創価大、共栄大、流通経済大、東京国際大の後塵を拝してBクラスが定位置だが、今年は昨年の選抜に出場した国士舘高から白須仁久・山崎晟弥の両大型右腕と、1番バッターの黒川麟太朗が揃って入学。3人とも素質豊かな選手だけに、上位進出の原動力として期待したい。



☆記事提供:プロアマ野球研究所

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