球界の元プリンスによる現役復帰宣言
新型コロナウイルスの感染拡大も徐々にではあるが落ち着きを見せはじめ、開幕の可能性が少し見えてきたプロ野球。そんな球界にあって、2006年に現役を引退した新庄剛志氏(48)が注目を集めている。新庄は現役引退後、バリ島に移住して悠々自適の生活を送っていたが、昨年11月に突如現役復帰を表明。ファンのあいだで大きな話題となった。
現時点でNPBチームとの契約は結んでいないが、新庄本人は本気モード。コロナショックによる球団経営への懸念もあるなか、NPBのチームと契約できる否かはわからないが、過去には引退後に現役復帰を果たした選手たちもいる。そして彼らは、どのような成績を残したのか――。
一度ユニフォームを脱いだ選手は…
▼ 藤村冨美男(1958年/阪神)
現役復帰時年齢:41歳
ブランク期間:1年
現役最終年(56年):51試合 打率.219 4本塁打 19打点<阪神>
復帰初年度(58年):24試合 打率.115 0本塁打 1打点<阪神>
▼ 島田源太郎(1972年/大洋)
現役復帰時年齢:32歳
ブランク期間:1年
現役最終年(70年):3登板 0勝0敗 防御率12.60<大洋>
復帰初年度(72年):17登板 3勝3敗 防御率3.91<大洋>
▼ 城之内邦夫(1974年/ロッテ)
現役復帰時年齢:34歳
ブランク期間:3年
現役最終年(71年):5登板 0勝1敗 防御率5.00<巨人>
復帰初年度(74年):5登板 0勝0敗 防御率4.09<ロッテ>
▼ 有沢賢持(1984年/ヤクルト)
現役復帰時年齢:32歳
ブランク期間:3年
現役最終年(81年):一軍登板なし<ヤクルト>
復帰初年度(84年):22登板 0勝0敗 防御率2.60<ヤクルト>
▼ 中山裕章(1994年/中日)
現役復帰時年齢:26歳
ブランク期間:3年
現役最終年(91年):27登板 8勝10敗 防御率4.20<大洋>
復帰初年度(94年): 6登板 0勝 0敗 防御率5.79<中日>
▼ 栗山 聡(2004年/オリックス)
現役復帰時年齢:29歳
ブランク期間:なし
現役最終年(03年):一軍登板なし<中日>
復帰初年度(04年):28登板 0勝1敗 防御率4.73<オリックス>
▼ 川相昌弘(2004年/中日)
現役復帰時年齢:39歳
ブランク期間:なし
現役最終年(03年):72試合 打率.238 0本塁打 3打点<巨人>
復帰初年度(04年):80試合 打率.261 1本塁打 3打点<中日>
▼ タフィー・ローズ(2007年/オリックス)
現役復帰時年齢:38歳
ブランク期間:1年
現役最終年(05年):101試合 打率.240 27本塁打 70打点<巨人>
復帰初年度(07年):132試合 打率.291 42本塁打 96打点<オリックス>
復帰1年目も見事な働きながら、復帰2年目には打点王のタイトルを獲得したローズの成績が目立つが、リストアップした8選手中、野手はわずか3人で、川相はブランクなしでの復帰だった。
ちなみに5投手中、3投手が打撃投手からの復帰だった点も見逃せない。現役復帰した選手たちのうち、完全にユニフォームを脱いでいたのは解説者に転身していた城之内と、中山のみ。ただし、復帰当時20代だった中山も打撃投手を経てからの選手登録だった。その後、10年にわたってプレーしたが、城之内は5試合に登板しただけで、再び現役を退いている。
また、新庄同様に40代で復帰したのは初代ミスタータイガースとしても知られる藤村だ。現役引退と同時に監督に就任したが、再度現役に復帰。年齢的なものもあってか、わずか26試合の出場で打率は1割台という成績だった。
当然、48歳での現役復帰は簡単なことではない。ただ、現役時代も前例のないことに挑戦し、多くのファンを魅了してきたのが新庄剛志だった。再び現役復帰を果たすことができるのか――、新庄の新たな挑戦を楽しみにしたい。
文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)