コラム

オリックスの窮地を救った鈴木優! ドラフト9位「都立の星」が6年の時を経て「オリックスの星」へ

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プロ初勝利を挙げたオリックスの鈴木優 (C) Kyodo News
2020.07.01 18:00
埼玉西武ライオンズ 0 終了 6 オリックス・バファローズ
メットライフ

『B魂』~第8回・鈴木優~


 オリックスの高卒6年目右腕、鈴木優が1日の西武戦(メットライフドーム)に先発登板し、5回を投げて73球、無安打、2四球、無失点の好投を見せて、悲願のプロ初勝利を収めた。


 開幕投手を務めた山岡泰輔が左内腹斜筋の筋損傷により戦線離脱となり、巡ってきた好機をしっかりとモノにした格好だ。鈴木は、26日のロッテ戦で緊急降板した山岡のあとを受けて登板。緊急登板にも関わらずしっかりと試合を作ったことが評価され、中4日で先発としての準備を進めてきた。

 プロ初先発も経験した昨シーズン、「収穫はツーシームという新しい自分の武器になる球種を取得できたこと、またその他の持っていた球種においても精度が上がったこと、あとは8割で投げるイメージにすることでフォームよりもボールが強くなることやコントロールが安定しました」と口にしていた手ごたえそのままの投球を、強力西武打線相手に見せてくれた。


多くの収穫があったウインターリーグ


 昨オフにはプエルトリコで行われたウインターリーグにも参加し、「野球のプレーをすることがとても楽しく感じた」と充実の日々を過ごした。その日々の中で「悪い結果が出て怒ったりするけど数分後にはコロっと切り替えてプレーしていたり、プレーの中には常に遊び心があって楽しんでいる」選手を目の当たりにし、気持ちの切り替え方を学んだ。

 技術的な部分に関しても、「高めの使い方を勉強」したという。最初は疑っていたものの「狙って投げることでファウルや空振りがとれるので凄く有効な球」だと実感し、投球の幅を広げた。

 その他にも、外国人の打者は「全体的に小さな変化への対応が上手く、大きな変化球にもろいことがわかった」結果、日本では有効だったツーシーム系はより厳しいコースへのコントロールが求められ、大きな変化をするボールはアバウトに低めに投げれれば大体振ってくれるイメージを掴むなど、有意義なオフを過ごした成果が、今季につながっている。


強い気持ちが結実


 春季キャンプはファームスタートだったが、自信に満ちた表情を見せ、練習試合で好投。いつ一軍から声がかかってもいいように、しっかりと準備をしてきた。

 オープン戦では一軍で投げるチャンスも与えられたが、球が抜ける場面があったことなどから、シーズンは“ひとまず”ファームスタートに。それでも再び声がかかるまで、それほど時間を要さなかったのは、「今年は一軍でのプレーにこだわりたい」という本人の強い気持ちが折れなかった証でもある。

「都立の星じゃなくオリックスの星になります!」

 これは今から5年前、当時ファームにいた鈴木が口にした言葉だ。都立雪谷高校出身の鈴木は、入団当時「都立の星」と騒がれ、地上波のテレビでも取り上げられた。

 初勝利を手にしたこの日は、同期入団の宗佑磨が一軍に昇格し、サードでスタメン出場。佐野皓大も途中から守備についた。同じ同級生では、田嶋大樹が開幕から好投を見せており、刺激を受けないはずがない。

 試合後、「いい意味で楽しみながら投げられたことが良かったと思います」と試合を振り返った鈴木にとって、入団してからの6年間、無駄なことは何ひとつなかったと確信した一日となっただろう。先発の数が足りないオリックスだが、ドラフト9位から育ててきた鈴木の台頭は大きい。ハートが強い先発ピッチャーが、また一枚加わった。


文=どら増田
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