ヤンキースV5の1953年以来…
現地時間7月23日、ついに幕を開けたメジャーリーグの2020年シーズン。1日早い開幕を迎えたドジャースとジャイアンツが4試合、その他のチームが3試合を消化。投手・大谷翔平の復帰戦をはじめ、日本人選手が総勢6人も出場した現地26日の試合は、全15試合中9試合が3点差以内の決着、うち5試合は1点差と、各地で手に汗握る接戦が繰り広げられた。
“コロナ禍”で行われる今季のレギュラーシーズンは、通常より102試合少ない60試合制。プレーオフに進出するチーム数は「10」から「16」に拡大することも決まっている。例年以上に、どのチームにも世界一のチャンスがあるシーズンになることは間違いないだろう。
26日終了時点の順位表を見ても、今季のメジャーリーグが大混戦になる前兆が表れている。6地区すべてで首位から最下位まで1ゲーム差。3連勝もしくは3連敗のチームは皆無で、2勝2敗のドジャースとジャイアンツを除く28チームが2勝1敗か1勝2敗という成績で開幕カードを終えた。
開幕から3連勝もしくは3連敗が1チームもなかったのは、近年では記憶にないほど珍しい。それもそのはず、3連勝もしくは3連敗が1チームもなかったのは、67年前の1953年までさかのぼらなければいけない。当時はア・ナ両リーグあわせて、現在の半数近い16チームしかなかった。
ちなみに、その年のワールドシリーズを戦ったのは、ニューヨーク・ヤンキースとブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)。ニューヨーク対決を制したヤンキースが史上唯一、ワールドシリーズ5連覇を達成した歴史に残るシーズンだった。
今季は新型コロナウイルスもあり、家族の健康などを理由に欠場を選択した選手も一定数いて、例年以上に戦力は読みにくい。
また、26日には、マーリンズの主力4選手が新型コロナの陽性反応を示したという現地報道もあった。今後の感染状況次第では、60試合をこなすことが困難になるチームが出てきてもおかしくはない。
異例の2020年シーズンはまだ始まったばかり。思わぬ伏兵が台頭するのか、それとも前評判の高いチームが勝ち進むのか。60試合制の短縮シーズンは、3連勝・3連敗がないという67年ぶりの珍事で幕を開けた。果たして、一体どのような結末が待っているのだろうか…。
文=八木遊(やぎ・ゆう)