セ・リーグの前半戦MVPを選ぶ!
新型コロナウイルス感染拡大のため、3カ月遅れで開幕した2020年のプロ野球。120試合制で行われる今季は、オールスターゲームが開催されない。そのため、各球団が60試合前後を消化した8月末時点がレギュラーシーズンの折り返し地点といえるだろう。
そこで、今回はセ・パ両リーグで前半戦に最も活躍した“MVP”を勝手に選出してみたい。まずはセ・リーグから……。
やはり首位を走る巨人から…?
2リーグ制になった1950年以降、セ・リーグでは優勝チーム以外からの選出は3度だけ。直近は2013年に最下位に沈んだヤクルトから、シーズン本塁打記録を樹立したバレンティンが選ばれている。
今季ここまでを振り返ると、“前半戦”は巨人の独壇場だった。
8月終了時点で、2位・DeNAに5.5ゲーム差をつけて首位を独走。当然、“前半戦”のMVPは巨人の選手から選ぶべきだろう。
その巨人からは2人の名前を挙げたい。1人目は球界のエース・菅野智之だ。
菅野はここまで10試合に登板し、9勝0敗・防御率1.61という文句なしの成績をマークしている。完封も3試合記録。両リーグで複数の完封を記録したのは菅野だけだった。
もし、菅野が作った9つの貯金がなければ、DeNAとの差はわずか1ゲーム。菅野の存在がなければ、巨人の独走もなかっただろう。2人目の名前を出す前に、前半戦のMVPは菅野で決定したい。
MVP級の活躍を見せたもう一人が、主砲の岡本和真だ。
ここまでチームの全59試合に出場。打率.265・本塁打18・打点も50をマークしている。
本塁打と打点は堂々のリーグトップ。長打率は2年前の自己ベストを上回る勢いで、勝負強さもチーム随一。もし打率が3割に届いていれば、菅野を逆転していてもおかしくなかった。
巨人以外にも注目選手
巨人以外で考えるとすれば、DeNA・佐野恵太の名前が真っ先に挙がる。
「ポスト筒香」として開幕から4番の重責を担いながら、打率リーグは2位、打点リーグも4位という好成績を残してDeNA打線を牽引。主砲の穴を感じさせないような活躍を見せている。
3位の阪神からは、11試合中10試合でクオリティースタート(QS=6回以上投げ、3自責点以下)を記録した、西勇輝の活躍も見逃せない。
ほかにも、5位の広島からは、鈴木誠也と堂林翔太の活躍が光った。最下位・ヤクルトも、主砲の村上宗隆は現在打率リーグトップ。本塁打こそやや物足りない数字(11本)に終わったが、打率は昨季の.231から.341に大幅アップしている。チャンスでの強さ(得点圏打率.390)も光った。
5球団から合計7選手の名前を挙げたが、このうち何人が後半戦も変わらぬ活躍を見せられるだろうか。そして何より、名前が挙がらなかった選手たちの“奮起”に期待したい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)